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NEC、米国MITRE社とサイバーセキュリティ分野で提携、「MITRE Engage in a Box」を民間企業として世界で初めて提供開始
~能動的サイバー防御を見据えた人材育成を支援~2026年7月30日
日本電気株式会社
株式会社サイバーディフェンス研究所
NECとサイバーディフェンス研究所は、米国連邦政府系研究機関MITRE Corporation(マイターコーポレーション、以下MITRE社、注1)と提携し、同社が開発した「敵対者への能動的な関与(アドバーサリ・エンゲージメント)」に関する知見を体系的に習得するためのトレーニングプログラム「MITRE Engage in a Box」を、本年7月30日より日本国内で提供開始します。本プログラムの提供は、民間企業として世界で初めてです(注2)。日本の安全保障関連組織のサイバーセキュリティ事業を通じて培ったNECの知見と、サイバーディフェンス研究所が有する国内屈指のホワイトハッカーの技術を融合させ、本プログラムを国内向けに最適化し提供します。
NECは本プログラムを、主に国家サイバー統括室(NCO)、防衛省、警察庁などの政府機関や、重要インフラ事業者に向けて、今後3年間で200名への提供を目指します。
近年、サイバー攻撃の高度化・常態化を背景に、日本においても能動的サイバー防御(Active Cyber Defence:ACD)の推進に向けた議論が加速しており、リスクベースでのセキュリティ設計(注3)など、サイバーセキュリティの考え方そのもののアップデートが求められています。
こうした国内情勢を受け、関係機関によるニーズの高まりを背景に、NECとサイバーディフェンス研究所は、サイバーセキュリティの世界的権威であるMITRE社と提携し、「MITRE Engage in a Box」の提供を開始します。
「MITRE Engage in a Box」の概要
本プログラムは、MITRE社が提唱する「MITRE Engage」の理論に基づき、「敵対者への能動的な関与」の基本的なノウハウや技術、知識を体系的に学ぶことを目的としています。本プログラムが扱うディセプション(欺瞞)技術は、単にツールを導入して敵対者を追い出す受動的な防御ではなく、おとり(デコイ)や偽の情報を用いて敵対者を意図的に誘導し、その行動を観察・コントロールすることで防御者が優位に立つための戦略的なフレームワークに基づくものです。なお、「MITRE Engage」は、自組織が管理する環境を前提に、敵対者への能動的な関与を計画・検討するためのフレームワークであり、組織の境界を越えた活動を含むものではありません。
本プログラムでは、参加型の机上演習と安全な仮想環境での実践演習を通じて、敵対者の行動を阻害・遅延させる理論体系や、高度な脅威インテリジェンスを獲得するための先進的な考え方に触れることができます。
「MITRE Engage in a Box」トレーニングの特長
1.「MITRE Engage」を体系的に学習
「MITRE Engage in a Box」は、「MITRE Engage」フレームワークの核心となる「MITRE Engage Matrix」で定義される3つの戦略目標「Expose(把握)」「Affect(誘導)」「Elicit(引き出す)」をカバーしています。独自開発のカリキュラムにより、敵対者の行動をいかに把握し、心理的に誘導して意図を暴くかという、実用的な戦略立案手法を学びます。
2.敵対者への関与を多角的な視点で体験
「MITRE Engage」で定義される様々なテクニックを、3つの視点で同時に体験・検証します。
- ①敵対者視点:どのような情報に惹かれ、どこに罠があれば不自然と感じるかを実体験し、敵対者の心理を深く理解します。
- ②システム管理者視点:敵対者の挙動を監視し業務影響を最小限に抑えつつ、適切なタイミングで欺瞞情報を提示するための判断力を養います。
- ③一般ユーザー視点:能動的な関与を含む施策が、正規の業務フローや利便性にどのような影響を与えるかを確認し、現実的な運用バランスを学びます。
3.NECとサイバーディフェンス研究所による実践演習環境の独自開発
「MITRE Engage in a Box」のディセプションシナリオをベースに、仮想環境を独自に開発し、「MITRE Engage」の概念を学べる実践的な演習環境を提供します。防衛省をはじめとする大規模な官公庁の業務プロセスやシステム仕様に精通したNECが、受講者の業務内容や演習目的に合わせてトレーニングにおけるディセプションシナリオを監修・最適化しています。さらに、敵対者の思考を熟知し多くの実戦経験を持つサイバーディフェンス研究所が、「MITRE Engage」の本質である「侵入してきた敵対者を欺き、欺瞞環境へ誘導する」ための戦術や、実際の攻撃手法に即した実戦的な知見を演習環境に反映しています。
提供価格・販売目標
- 提供価格:120万円/人(税抜)
- 販売目標:今後3年間で200名
NECは、サイバーセキュリティ演習や研修の提供(注4、5)、国際サイバー防衛演習への参加(注6)など、多くの事業を通じて日本の経済安全保障および重要インフラの防衛力強化に貢献しています。今後も「.JP(日本のサイバー空間)を守る(注7)」をスローガンに、高度なサイバーセキュリティサービスの提供を通じて、安全・安心な社会の実現に寄与していきます。
サイバーディフェンス研究所は、「人間がもたらす脅威には、人間しか対処できない。」という信念のもと、優れたハッカーの卓越した攻撃センスと創造性を活かし、日本における最先端のサイバーセキュリティ技術の実用化を支援することによって、今後も国家安全保障に貢献していきます。
なお、本件に関するMITRE社からのコメントは以下のとおりです。
「MITRE Engage」は、防御側が敵対者への理解を深め、その行動を予測し、より確信を持って対応するための長年にわたる研究成果を基盤としています。その知見を実践的なトレーニングに活かすことで、組織は技術だけでは身につけることができない判断力や対応力を養うことができます。こうした知見を広く共有することは、より強固で、脅威への備えが整ったサイバーセキュリティコミュニティを築くための重要な一歩です。
MITRE, senior vice president and chief technology officer, Charles Clancy
以上
- (注1)

MITRE Corporationは、米国連邦政府の支援を受けて運営される非営利の研究開発機関です。長年にわたり国家安全保障、サイバーセキュリティ、航空安全などの分野で技術標準を開発し、米国政府の信頼できるアドバイザーとして世界的な評価を確立しています。同機関が開発したCVE(共通脆弱性識別子)やMITRE ATT&CKは、世界中の組織で採用される国際的な標準となっています。 - (注2)2026年7月17日時点、MITRE社調べ
- (注3)リスクベースのセキュリティ設計とは、すべてのリスクを一律に扱うのではなく、想定される脅威や影響度を評価し、リスクの大きさに応じて優先順位を付けることで、高リスクな対象に重点的にリソースを配分し、コスト効率を最大化しながら効果的にリスク低減を図るアプローチです。
- (注4)2024年3月12日発表「NEC、陸上自衛隊主催の「多国間サイバー防護競技会」の支援役務を実施」
https://jpn.nec.com/press/202403/20240312_01.html - (注5)2025年6月3日発表「NEC、サイバー犯罪捜査官の実践的なサイバーセキュリティ対応能力向上を支援」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000937.000078149.html - (注6)2026年6月18日発表「NEC、NATOサイバー防衛協力センター主催のサイバー防衛演習「Locked Shields 2026」に参加」
https://jpn.nec.com/press/202606/20260618_01.html - (注7)NECのサイバーセキュリティ事業について
https://group.nec/jp/ja/solutions/cybersecurity/make-japan-cyber-secure/
「MITRE」を含む各種名称はMITRE Corporationの商標です。
「MITRE Engage in a Box」について
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC サイバーディフェンス事業開発統括部
E-Mail:cyber@cdbd.jp.nec.com
サイバーディフェンス研究所 事業推進部
E-Mail:sales@cyberdefense.jp
NECは、安全・安心・公平・効率という
社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる
持続可能な社会の実現を目指します。
https://group.nec/global/ja/about/corporate/purpose

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