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NECとカンボジア地雷対策センター、AIを活用しカンボジアの紛争地に残存する地雷埋設エリアの予測に成功
~90%超の高精度な予測を実現し、GICHD主催アワードで1位を獲得~2025年10月29日
日本電気株式会社
カンボジア地雷対策センター
NECとカンボジアの地雷除去活動を担う公的機関であるカンボジア地雷対策センター(以下 CMAC、注1)は、JICA(注2)の協力のもと、地雷による犠牲者根絶を目的に迅速・効率的な除去作業に貢献するため、AIを活用して紛争地に残存する地雷埋設エリアを予測する実証を行いました。実証の結果、実際に埋設されていた位置との合致率が90%を超える高精度な予測を実現しました。
また本取り組みは、地雷対策に関わる新技術の研究開発支援等を行うジュネーブ人道的地雷除去国際センター(以下 GICHD、注3)主催の、地雷対策の進展に寄与する優れた技術を評価する「The GICHD Innovation Award 2025」の”Improving the accuracy of estimating explosive ordinance hazardous areas”分野において1位を獲得し、10月28日(火)にルクセンブルクで実施された表彰式において受賞しました。

除去している様子

表彰式の様子
地雷の使用は世界で今なお人道的な問題であり、特に紛争後の国々で長期にわたり地域社会や経済発展を阻害しています。推定では約1億人が地雷の脅威にさらされており、90分に1人が地雷によって命を奪われています(注4)。
カンボジアでは1970年代から続いた内戦により各地に多数の地雷が埋設され、長年にわたる懸命な除去作業にも関わらず現在も一部地域に残存地雷が存在しています。これらの地雷は農地や居住地域の利用を妨げ、復興・開発に向けた最大の障害となっています。
カンボジア政府は、1997年に署名したオタワ条約(対人地雷全面禁止条約)に基づき、2030年までにカンボジア国内における地雷除去完了を目標に掲げています。達成に向けては、AIなどの先進技術を活用し調査時間を短縮することが期待されています。
今回の実証は、カンボジアの地雷原のうち約100万平方メートルを対象としました。CMACが保有する既に発見された地雷埋設位置の情報や住民からの提供情報、河川・山岳地帯や工場・重要建物の位置などのオープンデータをもとに、NECのAIで有効な情報の選択と分析を行い、地雷埋没の可能性が高いエリアを高精度に予測しました。従来は膨大かつ未整理の情報をもとに、多くの人が時間をかけて行っていた地雷埋設可能性エリアの特定を、AIの活用により少ない人員で迅速に行うことが可能になり、迅速・効率的な地雷除去を支援できる可能性が実証されました。
NECは今後、AIのさらなる精度向上に努めるとともに、CMACとともに日本政府と国際機関の連携を強化しながら、カンボジアにおける2030年の地雷除去完了に向けて取り組みを加速させていきます。また将来的には、本技術による他の地雷被害国への貢献も目指します。
以上
- (注1)Cambodian Mine Action Center(CMAC)
所在地:カンボジア・プノンペン、長官:ヘン・ラタナ - (注2)
- (注3)Geneva International Center for Humanitarian Demining(GICHD)
所在地:スイス・ジュネーブ、長官:ステファノ・トスカ―ノ - (注4)出典:
the-monitor.org/reports/landmine-monitor
Landmine Monitor 2024 Full Paper
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
Phat Phearak
Senior Director of Cabinet, CMAC
E-Mail:phatphearak@cmac.gov.kh
NEC 国際協力事業統括部
E-Mail:grd@iog.jp.nec.com
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