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2025年度「C&C賞」受賞者の決定
~「QRコードの発明・実用化および世界的普及への貢献」および「科学計算の高速化とその応用への貢献」に功績~2025年10月17日
公益財団法人NEC C&C財団
日本電気株式会社
公益財団法人NEC C&C財団(理事長:新野 隆 NEC取締役 会長、所在地:東京都港区)は、本年度の「C&C賞」受賞者1チーム及び1グループ1名を決定しました。
本年度の受賞者は、QRコードの発明・実用化および世界的普及に貢献した、QRコードチーム(メンバー:株式会社デンソーウェーブ 主席技師 原 昌宏氏、株式会社デンソーウェーブ 技術開発部 渡部 元秋氏、株式会社デンソーウェーブ 執行幹部 黒部 高広氏、GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター) ソリューション第1部 高井 弘光氏の4名)と、科学計算の高速化とその応用に貢献した、テネシー大学 名誉教授 ジャック・ドンガラ氏に決定しました。
QRコードチームは、現在の流通、製造、決済、モバイル認証、チケット管理など多様な分野で広く活用されている、それまでより多くの情報を格納でき、高速で正確に読み取り可能な社会や産業のデジタル化・効率化に大きく貢献しているQRコードの発明、実用化、そして世界的な普及に至るまで、多大な貢献をしました。
ジャック・ドンガラ氏は、急速に進歩したコンピュータの性能に対応可能な高性能なソフトウェア開発のために、効率的で再利用性の高い数値計算ライブラリであるLINPACKの開発、コンピュータの性能ランキング「TOP500」の創設など、高性能計算技術の発展に多大な貢献をしました。





「C&C賞」は1985年に創設された賞で、情報処理技術、通信技術、電子デバイス技術、およびこれらの融合する技術分野の開拓または研究、この分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動に関し、顕著な貢献のあった方に授与されるものです。「C&C賞」の受賞者には、賞状、賞牌および賞金(各グループ1,000万円)が贈られます。
表彰式典は、11月26日(水)午後3時00分からANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)において開催します。同式典では、贈呈式に続き、受賞者の記念講演が行われます。表彰式典には一般の方も参加できます。また、贈呈式と記念講演の模様をオンライン配信します。
2025年度「C&C賞」受賞者
グループA(1チーム、メンバー4名)
チーム名 QRコードチーム
メンバー
- 氏名原 昌宏(はら まさひろ)氏
- 現職株式会社デンソーウェーブ 主席技師
名古屋学院大学 特任教授
- 氏名渡部 元秋(わたべ もとあき)氏
- 現職株式会社デンソーウェーブ 技術開発部
- 氏名黒部 高広(くろべ たかひろ)氏
- 現職株式会社デンソーウェーブ 執行幹部
- 氏名高井 弘光(たかい ひろみつ)氏
- 現職GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター) ソリューション第1部 特任専門員
業績
QRコードの発明・実用化および世界的普及への貢献
受賞理由
1980年代、製造、物流、小売などの現場では、品物の識別やトラッキング、管理などにバーコード(一次元コード)が幅広く用いられていました。しかし、1990年代に入ると、製造現場で扱う部品が多様化したため、既存のバーコードでは記録できる情報量に限界が生じていました。この問題を克服し、飛躍的に多くの情報を格納でき、高速で正確に読み取り可能としたのが、1994年に発明されたQRコード(二次元コード)です。QRコードは、流通、製造、決済、モバイル認証、チケット管理など多様な分野で広く活用され、社会や産業のデジタル化・効率化に大きく貢献しています。
QRコードチームが開発し、普及させたQRコードは、技術的な優位性だけでなく、特許のオープン化と国際標準化を推進したことで、世界の誰もが利用できる社会基盤技術となり、その汎用性・拡張性は様々なシーンでの用途を創造・拡大しました。QRコードは、ICT分野の技術進歩ならびに社会的な価値創造に大きく寄与するものであり、QRコードの開発から普及に貢献したデンソーウェーブ、中でもQRコードチームは、C&C賞にふさわしいと考えます。
グループB(1名)
- 氏名ジャック・ドンガラ氏
- 現職テネシー大学 名誉教授
マンチェスター大学 チューリング・フェロー
業績
科学計算の高速化とその応用への貢献
受賞理由
1970年代から1990年代にかけて、コンピュータの性能は飛躍的に向上し、コンピュータによるシミュレーションや解析処理が盛んに行われるようになりました。急速に進歩するハードウェアに対応した高性能なソフトウェア開発が求められ、そのためには、効率的で再利用性の高い数値計算ライブラリが不可欠でした。ジャック・ドンガラは、LINPACKなど、数値計算ソフトウェアライブラリの開発、コンピュータの性能ランキング「TOP500」の創設、高性能計算技術の発展に大きく寄与しました。彼は、MPI (Message Passing Interface)など分散並列計算技術の普及にも尽力し、HPC (High Performance Computing)の発展に大きく寄与し、高性能な科学計算と応用の基盤を築きました。
ドンガラ氏は、高効率な線形代数演算ライブラリ、並列プログラミング機構、コンピュータの性能評価ツールなどの重要な研究開発を通じて、HPCコミュニティの成長とHPC分野の発展に貢献しました。これらの成果は、科学計算の発展を促し、シミュレーションや数値解析といった手法で生み出された科学的発見や技術革新は、社会の発展を加速させる原動力となりました。彼の功績は国際的に高く評価されており、C&C賞の受賞はまさにその偉業を讃えるものであると考えます。
各受賞者の業績の詳細と略歴、および当財団の活動と表彰式の概要については、別紙ならびにNEC C&C財団ウェブサイト(https://www.candc.or.jp/)をご参照ください。
以上
表彰式典(ハイブリッド開催)への参加申し込み先
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
公益財団法人NEC C&C財団 宮﨑
E-Mail:zaidan@candc.jp.nec.com
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