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NEC、「準天頂衛星システム11機体制(第一期)測位ミッションペイロードの開発」を受注

~世界最高レベルの測位と安定運用に貢献~

2025年10月15日
日本電気株式会社

NECは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から「準天頂衛星システム11機体制(第一期)測位ミッションペイロードの開発」を受注しました(注1)。本測位ミッションペイロードは、内閣府宇宙開発戦略推進事務局準天頂衛星システム戦略室が整備・運用する準天頂衛星システム「みちびき」に搭載される予定です。

準天頂衛星システム「みちびき」のフライトイメージ
出典:内閣府宇宙開発戦略推進事務局
準天頂衛星システムの各衛星の軌跡(イメージ)
出典:内閣府宇宙開発戦略推進事務局

準天頂衛星システム「みちびき」における測位ミッションペイロードは、衛星測位サービスを実現するために衛星に搭載されるミッション機器です。測位信号を生成する機器や距離計測を行う機器、測位信号を地球へ届ける通信機器などで構成されており、NECは準天頂衛星初号機から一貫してこの測位ミッションペイロードの開発を担当してきました。
これまでも世界最高レベルの測位精度(注2)を実現する高性能かつ高信頼なシステムを提供してきましたが、今後の11機体制実現に向けて新たな技術を搭載します。具体的には、複数の原子時計(注3)を合成することで従来の高安定なシステムをさらに上回る周波数安定度を実現する機能、ソフトウェアによる柔軟な機能構成変更を可能にするデジタル変調制御機能などを搭載し、我が国の衛星測位システムの持続的な発展に貢献します。

準天頂衛星システム「みちびき」は、日本の衛星測位システムとして2018年から4機体制で運用されており、2026年度から7機体制での運用が開始される予定です。7機体制が実現すると、常に日本上空に4機の「みちびき」衛星が存在することになり、「みちびき」衛星のみで位置情報を得られる状態(「みちびき」衛星のみでの測位)になります。さらに、バックアップ体制を含めた安定した運用の実現と利用可能領域の拡大のため、11機体制に拡充していく計画となっています。まずは3号機後継機および8号機の開発に着手し、寿命を迎える衛星の後継機や追加衛星を整備していく予定となっています。
これにより、より多くの衛星からの信号を同時に受信できるようになり、特にビル街や山間部など、衛星からの信号が遮られやすい場所でも、測位の安定性や精度が向上します。また高精度で安定した測位情報が常時利用可能になることで、自動運転の普及と安全性向上やドローン活用分野の拡大など、様々な既存サービスの高度化や新サービスの創出が期待されます。

NECは、長年にわたり培ってきた測位技術の知見を応用し、安全・安心で豊かな社会の実現に貢献してきました。準天頂衛星システム「みちびき」の更なる安定性向上と利用可能領域の拡大に向けて、11機体制の実現に引き続き貢献していきます。

以上

  • (注1)
    今回NECが受注した「準天頂衛星システム11機体制(第一期)測位ミッションペイロードの開発」は、準天頂衛星システム「みちびき」を管理・運用する内閣府宇宙開発戦略推進事務局準天頂衛星システム戦略室から11機体制構築のため、JAXAが元請けとして受注した案件の一部です。NECは測位ミッションペイロードの開発部分をJAXAからの再委託先として受注しました。
  • (注2)
    世界最高クラスの測位精度:JAXAが開発した高精度測位システム(ASNAV:Advanced Satellite NAVigation system)の適用により将来1mの測位精度を実現。
    ※ASNAV:従来の準天頂衛星システムに、衛星間測距機能および衛星/地上間測距機能を加え、より正確に衛星の位置と時刻を特定することにより、ユーザがより正確に測位できる仕組み。
    参照元:内閣府 衛星測位に関する取組方針
    (new windowhttps://www8.cao.go.jp/space/qzs/houshin/houshin.html)
  • (注3)
    原子の振動数を基準にして、極めて正確な時刻を刻む時計。

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NEC ANSビジネスプランニング統括部
E-Mail:info@space.jp.nec.com

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