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Transgene社とNEC、個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG4050の共同臨床開発を継続するため協業を延長

2024年1月9日
Transgene SA
日本電気株式会社

  • Transgene社とNECは、頭頸部がんの術後補助療法におけるTG4050の有効性をさらに実証するため、無作為化第I/II相臨床試験を2024年に開始する予定です。

ウイルスベクターを用いた抗がん免疫治療のデザインおよび開発を手掛けるバイオテクノロジー企業であるTransgene SA(トランスジーン、注1、以下 Transgene社)と日本電気株式会社(以下 NEC)は、個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG4050(注2)の共同臨床開発を継続するため、協業の延長契約を締結しました。

TG4050は、Transgene社が開発したウイルスベクターベースのmyvac®(注3)プラットフォームに、NECの免疫原性が高いネオアンチゲンを予測・特定する最先端AI技術を組み合わせたワクチンです。

TG4050は現在、HPV陰性頭頸部がんの術後補助療法における単剤療法として、多施設共同無作為化第I相臨床試験(NCT04183166)を実施中です。さらに両社では、この第I相臨床試験を拡大し、無作為化第I/II相臨床試験として2024年に開始する準備を進めています。
この新たな臨床試験の計画は、第I相臨床試験で観察されたTG4050の臨床的効果の初期的兆候と特異的なT細胞応答に基づいて立案されており、包括的な免疫学的データおよび臨床データを集め、TG4050の有用性についてさらなる評価を行います。

なお両社は、第I相臨床試験から得られた追加の免疫学的データおよび臨床データを、2024年上半期の学会で発表する予定です。

本件に関する両社のコメントは以下の通りです。

NECとの協業の新たな節目として、協業延長を発表できたことを嬉しく思います。我々の個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG4050を患者さんに提供できることを心待ちにしています。ASCO(American Society of Clinical Oncology) 2023(注4)ではNECとともに、TG4050の単剤療法を受けた評価可能な患者さん全員が特異的な免疫応答を示し、無再発状態を維持したという初期の第I相臨床試験から得られた有望なデータを発表しました。
我々の共同臨床開発は、これら有望なデータに基づいて計画されており、TG4050が、まだ承認された治療法がない補助化学放射線療法後の再発予防に活用されることを目指しています。TG4050は、強力で免疫原性の高いウイルスベクターと非常に洗練されたネオアンチゲン選択ツールを組み合わせたワクチンであり、固形がんの術後補助療法における主要な医療ニーズに対応できる可能性を持っていると確信しています。

Transgene社 Chairman and CEO Alessandro Riva

TG4050を共同開発しているTransgene社は、NECの信頼できるパートナーです。第I相臨床試験で良好な結果が得られたことで、頭頸部がんにおけるこの有望なワクチンに関する協業をさらに進めることができて興奮しています。NECの最先端AI(人工知能)/ML(機械学習)モデルが、ネオアンチゲンの予測において臨床的に有意義であり、患者さんに役立っていることを嬉しく思います。今後もNECのヘルスケア・ライフサイエンス事業では、AIベースの新しい治療法を世界中の患者さんに提供し、製薬業界に有意義な進歩をもたらすことに尽力していきます。

NEC Corporate SVP兼ヘルスケア・ライフサイエンス事業部門長 北瀬聖光

以上

  • (注1)
    本社:フランス・ストラスブール、Chairman and CEO:Dr. Alessandro Riva
    Transgene社について:new windowhttps://www.transgene.fr/
  • (注2)
    TG4050は、Transgene社のmyvac®テクノロジーとNECのAIをベースとする、固形がんを対象とした個別化免疫療法です。このウイルスベースの治療用ワクチンは、NECのネオアンチゲン予測システムによって予測・特定されたネオアンチゲン(患者さん毎に異なる変異)をコードします。予測システムは20年以上にわたって培われたAIの専門知識に基づいており、正確に最も抗原性の高い配列の選択と優先順位付けを可能にする独自のデータによって訓練されています。TG4050は、患者さん固有のネオアンチゲンに基づき、腫瘍細胞を認識し破壊することができるT細胞反応を引き起こすことを目的として、患者さんの免疫システムを刺激するよう設計されています。またTG4050は、患者さん毎に設計、製造されます。
  • (注3)
    myvac®は、Transgene社が固形がんをターゲットに開発したウイルスベクター(MVA-Modified Vaccine Akara)ベースの個別化免疫療法プラットフォームです。myvac®由来の製品は、患者さん自身の免疫システムを刺激し、患者さん自身のがん特有の遺伝子変異を用いて腫瘍を認識・破壊するようにデザインされています。Transgene社は、バイオエンジニアリング、デジタル・トランスフォーメーション、確立されたベクター化のノウハウ、独自の製造能力を組み合わせた革新的なネットワークを構築しています。Transgene社はmyvac®の開発のためにBpifranceより「Investment for the Future」基金を獲得しています。myvac®の最初のプロダクトであるTG4050は、現在臨床試験で評価中です。myvac®の概要は、以下のショートビデオもご覧ください。
    new windowhttps://player.vimeo.com/video/481154673
  • (注4)
    Ottensmeier et al, “Safety and Immunogenicity of TG4050: a personalized cancer vaccine in head and neck carcinoma” ASCO 2023, June 6, 2023, Poster presentation
  • 臨床試験について
    TG4050は、HPV陰性頭頸部がん(NCT04183166)の患者さんを対象とした第I相臨床試験で評価されています。
    本試験では、手術を終え、補助療法を受けている間に各患者さんに合わせた個別の治験薬が設計されます。半数の患者さんには補助療法の終了後、直ちにTG4050を投与し、残り半分の患者さんには、標準治療(SoC)の追加治療として、再発後にTG4050を投与しました。この無作為割付臨床試験は、再発リスクの高い患者さんに対するTG4050の治療効果を評価するものです。フランス、イギリス、アメリカで32名の患者さんが本試験に組み入れられました。本試験の治験責任医師はクラッターブリッジがんセンターの腫瘍内科顧問であり、リバプール大学の免疫腫瘍学の教授であるChristian Ottensmeier医学博士です。フランスでは、パリのキュリー研究所薬剤開発イノベーション部門長Christophe Le Tourneau医学博士、およびトゥールーズのIUCTオンコポールのJean-Pierrre Delord教授によって臨床試験が行われています。アメリカでは、メイヨークリニックのYujie Zhao医学博士が主導しています。試験の評価項目は、治療ワクチンの安全性、実行可能性、および生物活性です。
    なお、Transgene社とNECは、AACR 2023とASCO 2023において、非常に有望な初期の免疫学的データと臨床データを発表しました。
  • NECのネオアンチゲン予測システムについて
    ネオアンチゲン予測にはNECが開発したグラフベース関係性学習を利用し、標的ネオアンチゲンを予測するために、複数の生物学的データを学習させています。頑健なT細胞応答を引き起こす可能性を計算するため、NEC独自のHLA結合能および抗原提示能AIツールを含む機械学習アルゴリズムを用いて、標的ネオアンチゲンは慎重に求められます。これにNEC OncoImmunityが加わり、今後もNECは世界トップクラスのネオアンチゲン予測パイプラインの強化に務め、世界中の患者さんのために個別化がん免疫療法の治療効果を最大限に引き出すことを目指します。詳細は以下をご覧ください。
    NECのAI創薬事業:https://jpn.nec.com/solution/ai-drug/
    NEC OncoImmunity:https://www.oncoimmunity.com/

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC AI創薬統括部
E-Mail:contact@aidd.jp.nec.com

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