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NEC、5GおよびBeyond5G時代の通信データ大容量化に向けて10Gbpsの屋外無線伝送実験に成功
2020年3月4日
日本電気株式会社
NECは、5GおよびBeyond5G(5Gの次の世代の無線通信システム)時代の無線通信データの大容量化に向けて、D帯(130~174.8GHz)に対応したRF IC(周波数変換器)と、本デバイスを実装した屋外無線装置を開発し、10Gbpsの屋外無線伝送実験に成功しました。NECは今後、本技術を超小型マイクロ波通信システム「パソリンク」に適用し、5GおよびBeyond5Gの商用利用において大容量化が求められるモバイルバックホール、フロントホール回線での利用を目指します。
背景
5GおよびBeyond5G時代においては通信データが大容量化し、モバイルバックホール、フロントホール回線の通信量は数十Gbps~100Gbpsになると考えられます。このような無線での大容量伝送には無線帯域幅の拡大や変調多値数の増加が必須です。現在パソリンクでは数GHz~数十GHzの周波数帯域を用いていますが、大容量化に向けてより帯域幅が広いD帯が注目されています。
開発内容
NECは、D帯で動作するRF ICを開発しました。本RF ICは、増幅器や周波数変換回路などの複数機能を持っており、本RF ICを石英基板上にフリップチップ実装するRFモジュールも併せて開発しました。
実験内容
- (1)RF ICを用いたモジュールと変復調部が一体となった試作装置を用いて、D帯という高い周波数帯で10GbpsのFDD(周波数分割複信)により双方向屋外無線伝送実験に成功しました。対向する装置の送受信周波数はそれぞれ142GHzと157GHzに設定し、リンク距離150m、変調方式128QAM、変調速度(注1)1.6Gbaudによる10Gbps伝送の条件で実験を行い、エラーフリーでの信号通過を確認しました。
- (2)さらに、実使用環境を想定し、4ヶ月以上にわたり、約1kmのリンク距離で無線伝搬特性の実証実験を行いました。当該実験を通して得られたデータを基に、ITU-R(注2)勧告による降雨と通信稼働率(Availability)の関係式をD帯まで拡張するための検討を行います。
今後の展開
今回確認したD帯のRF技術ならびに伝搬特性に関する知見を活かし、5G基地局のバックホール回線やフロントホール回線へ適用する装置開発を目指します。
本研究開発は総務省委託研究「ミリ波帯における大容量伝送を実現するOAM モード多重伝送技術の研究開発」により実施されたものです。
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1)デジタル変調方式における1秒当たりのシンボル数(単位はbaud(ボー))
- (注2)国際電気通信連合 無線通信部門(ITU Radiocommunication Sector)
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC ネットワークサービス企画本部
TEL:03-3798-6141
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様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
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