ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. プレスリリース
  3. NECとTransgene、個別化がん免疫療法の共同開発に合意
ここから本文です。

NECとTransgene、個別化がん免疫療法の共同開発に合意

~NECのAIとTransgeneのmyvac™ プラットフォームを活用~

2018年10月30日
日本電気株式会社
Transgene SA

(左から) Transgene Éric Quéméneur氏、Kaïdre BENDJAMA氏、
NEC 西原 基夫執行役員、藤川 修執行役員

日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:新野 隆、以下 NEC)とバイオテクノロジー企業であるTransgene SA (本社:フランス ストラスブール、CEO:Philippe Archinard、以下 Transgene:トランスジーン)は、固形がんの治療を目的とする、ネオアンチゲン(注1)による個別化免疫療法において、NECのAIの予測技術と、Transgeneのmyvac™ウイルスベクタープラットフォームの治療能力の組み合わせを臨床的な評価を実施することに合意しました。両社は、卵巣がんおよびHPV陰性頭頸部がんの臨床試験(治験)を含む個別化がん免疫療法の初期ステージを共同で開発します。2019年に本治験薬の臨床試験を開始する予定です。

免疫療法は、患者さん自身の免疫システムを活性化させてがん細胞を攻撃する治療法として注目されています。NECとTransgeneは近年におけるAIの進化とゲノム解析の発展を利用して、患者さん毎に異なる遺伝子変異の特徴やそこから予想される免疫反応に基づいた個別化がん免疫療法を開発します。
治験薬はTransgeneが開発した、既に人での安全性の実績が示されがん患者さんで良好な免疫原性を示すことが知られたウイルスベクターをベースとします。このウイルスベクターで、NECが独自のAIアルゴリズムを使用して選定するネオアンチゲンを標的とします。

NECは20年間に渡り創薬領域におけるソリューションの開発を行ってきました。NECは本ネオアンチゲン予測システムを、公開されているデータベースと独自の実験データセットの両方によって開発してきました。この予測システムは、既に人での別のがん種の抗原の同定に利用されています。

計画中の臨床試験では、以下をはじめとする様々な企業・研究機関ネットワークによる最先端の専門性と技術を駆使します。

  • NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注2)の1つであるグラフベース関係性学習(注3)による患者特異的ネオアンチゲンの優先順位付け
  • Transgeneの独自のウイルスベクター技術(注4)とmyvac™プラットフォーム

なお、今回の発表にあたり、Transgeneのエグゼクティブバイスプレジデント・最高科学責任者であるÉric Quéméneur(エリック ケメナー)博士から以下のエンドースメントを頂戴しております。

この協業で、AIと我々のウイルスベクター技術における専門性を組み合わせることにより、myvac™ プラットフォームに基づいた真に革新的な治療法を開発することが可能となりました。myvac™ 治療法を市場に送り出し、この最先端の個別化アプローチから益を得る可能性のある、多くの固形がんの患者さんへの治療選択肢とするために、NECとの本協業が重要なものであると信じています。

Transgene エグゼクティブバイスプレジデント・最高科学責任者
エリック ケメナー博士

NECのネオアンチゲン予測システムについて

ネオアンチゲン予測には、NECが新たに開発したグラフベース関係性学習を利用します。このAIエンジンは、NECが独自に蓄積してきたMHC結合能の実験データをもとに学習させた予測技術を中心に多面的な項目を総合評価し、患者さんそれぞれが持つ多数の候補の中で、有望なネオアンチゲンを選定することができるものです。

Transgeneのmyvac™について

myvac™はTransgeneが開発したウイルスベクターを基にした、固形がんに対する個別化免疫療法のプラットフォームです。myvac™を用いた治療法は、患者さん自身の免疫システムを刺激し、患者さんそれぞれのがんに特徴的な遺伝子変異を用いてがん細胞を識別、攻撃するように設計されたものです。Transgeneはバイオ工学、デジタルトランスフォーメーション、確立されたベクター設計ノウハウおよび独自の製造設備をつなぐ革新的なネットワークを立ち上げました。

以上

  • (注1)ネオアンチゲン
    がん細胞の遺伝子変異に伴って新たに生まれたがん抗原のこと。正常な細胞には発現せずがん細胞のみにみられ、またその多くは患者ごとに異なる。
  • (注2)
    「NEC the WISE」(エヌイーシー ザ ワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。"The WISE"には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
  • (注3)グラフベース関係性学習:
    NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つ。点とそれらを結ぶ線とから成る構造で物事の関係を表すグラフ構造のデータを用いて、物事の属性や関係をモデル化する機械学習技術。
  • (注4)ウイルスベクター技術:
    がんの治療や難病をなおす遺伝子治療において遺伝子などを細胞の中に運ぶために、安全な形に改変したウイルスを用いる技術。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC コーポレート事業開発本部 HealthTech事業開発室
E-Mail:contact@peptide.jp.nec.com

NECは、社会ソリューション事業を推進する
ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」のもと、
今後の世界の大きな変化(メガトレンド)に対応する
様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
詳細はこちらをご覧ください。
https://jpn.nec.com/profile/vision/message.html
Orchestrating a brighter world

ページの先頭へ戻る