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JANOG58参加レポート
AIエージェントと挑む、ネットワーク保守の「ノウハウ継承」
2026/09/14
はじめまして。NECで電話系ネットワークの保守・運用に携わっている橋本です。
2026年7月に愛媛県松山市で開催された「JANOG58」に登壇し、「Agent SkillsとMCP Appsを活用した伴走型AIOps」をテーマに発表しました。
今回の記事では、ネットワーク保守の現場で抱える課題に対して、私たちがどのようにAI活用を進めているのかをご紹介します。また、登壇を通して感じたこともお伝えします。

現場のノウハウをSkillとして残し、AIが活用する仕組み
JANOG58のテーマは「技術の成熟と次代への継承」でした。
このテーマは、私たちが日々向き合っている課題とも重なります。音声系サービス装置の保守・運用の現場では、人手不足に加え、熟練エンジニアが持つ知識や経験をどのように次世代へ引き継ぐかが大きな課題です。
そこでNECは、「Agent SkillsとMCP Appsを活用した伴走型AIOps」をテーマに発表しました。熟練者のノウハウを書き起こし、AIが活用できるようにする「Agent Skills」。そして、AIとのやり取りをテキストだけでなくインタラクティブな画面でも行えるようにする「MCP Apps」。この2つを組み合わせた取り組みを紹介しました。
100台のconfigチェックを約3分に
発表では、ネットワーク機器のconfigチェックを例に紹介しました。
従来は、熟練エンジニアでも100台分のconfig確認に半日ほど必要でしたが、AIとスキルを活用することで約3分で確認結果を得られるようになりました。

障害復旧デモで見えた可能性
当日は、VLAN設定ミスによるネットワークループ障害を模したデモも実施しました。
監視エージェントが異常を検知し、スキルに基づいて復旧手順を実行するまでの流れを実演しました。実際の運用現場をイメージしやすい内容だったこともあり、多くの方に興味を持っていただけたようです。


詳しい発表内容は、JANOG58公式サイトの発表アーカイブからご覧いただけます。 (※公開期間限定)
「AIを現場で使う」ために必要だと感じたこと
発表後のディスカッションでは、「現場の人にAIを使ってもらうにはどうすればよいか」という質問をいただきました。
AI活用は、実際に触っている人ほど「便利さ」や「可能性」を実感しやすい一方で、まだ試せていない人にとっては少しハードルが高く感じられることもあります。そこで私たちは、まず興味を持ってくれるメンバーと一緒に活用事例を作り、その成果を周囲に共有することで、AIを使うきっかけを増やしていきたいと考えています。
発表後のアンケートでも、次のような声をいただきました。
「MCP Appsで何ができるのか、というのを知らなかったので、デモで見せてもらえたのはとても参考になりました。状況やオペレータの求める情報にチューニングした構成図を動的に生成できる…みたいな世界が実現できるととてもいいなと思いました。」
「自社でもここまでいけると理想だなという内容でした。実際の動作画面も紹介いただきわかりやすかったです。」
*(JANOG58公式サイトのアンケート結果より引用)*
AIそのものへの関心だけでなく、実運用にどう適用できるのかに興味を持つ方が多いことを実感しました。
登壇して感じた、エンジニア同士でつながる価値
今回の登壇で特に印象に残ったのは、発表後の参加者との対話です。
「どこに興味を持ったのか」「どんな課題を抱えているのか」を直接聞ける機会は、発信する側にとって非常に貴重です。
また、会場で多くの方と話す中で、技術継承や人材不足は特定の会社だけの課題ではないことを改めて感じました。会社や担当領域が違っても、ネットワーク運用の現場には共通する悩みがあります。
だからこそ、こうしたコミュニティの場で経験や失敗談、試行錯誤を共有することには大きな価値があります。私自身も多くの刺激を受け、他社の取り組みから学ぶことができました。
次は実際の運用現場へ
今後は、今回紹介した仕組みを実際のNOC(ネットワーク運用監視)の現場で動かすところまで発展させていきたいと考えています。
これからも、現場での試行錯誤や得られた知見をこうした登壇の場やブログを通じて発信していきます。
*引用元: JANOG58公式サイト(プログラムページ)/JANOG58発表アーカイブ動画*