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NEC製造システム統括部 PLMソリューショングループ 主任 北村雅人、スマートファクトリアプリケーショングループ ディレクター 小宮山雄木、スマートファクトリアプリケーショングループ 主任 中峰寛朗NEC製造システム統括部 PLMソリューショングループ 主任 北村雅人、スマートファクトリアプリケーショングループ ディレクター 小宮山雄木、スマートファクトリアプリケーショングループ 主任 中峰寛朗

製造業の技術伝承と設計効率化を実現する「Obbligato AI」

PLM×生成AIによる業務改革【2026.03.17】

カテゴリ:DX・業務改革推進設計・開発・技術PLM/CAD

なぜ、生成AIをPLMに組み込むのか。そして、それは製造業の現場をどう変えるのか。
製造業が直面する技術伝承や設計効率化の課題に対し、NECは、PLM「Obbligato」と生成AIを組み合わせ、PLMに蓄積された技術情報を“現場で使える知見”として活かすため、『Obbligato AI』を提供してきました。
本記事では、2026年春に機能強化する『Obbligato AI』の背景や狙い、そして現場で生まれつつある変化について、NECのメンバー3 名がご紹介いたします。

NEC 製造システム統括部 主任 北村 雅人

NEC 製造システム統括部 ディレクター 小宮山 雄木

NEC 製造システム統括部 主任 中峰 寛朗

[目次]

製造業が直面する技術伝承と設計効率化の課題とは

北村:労働人口の減少により、製造業では熟練者が持つノウハウの伝承が急務となっています。また、人材不足が深刻化する中で、生産性の向上に加え、開発スピードや品質の向上も強く求められています。

こうした課題に対し、AIが人の相談役となり、PLMなどに蓄積したデータを活用して、課題に応じた解決策を提案できるようになりました。

NEC北村 雅人
NEC 北村 雅人

『Obbligato』には、製品ごとの部品情報、不具合・クレーム、設計変更などの膨大な情報が蓄積されています。直感的に探せる構成ではない場合、管理体系を把握していない利用者にとっては、情報検索が難しい状態でした。例えば、過去に発生した“類似の不具合”を調べようとしても、熟練者でなければ見つけ出すのに時間を要するケースが多くありました。
これらの課題を解決するため、NECでは、『Obbligato』に生成AI連携オプションを提供してきました。前回リリースされた機能をお使いいただいた声や現場の知見を踏まえ、特にPLMで取り扱いの多い図表データの読み取りを強化しました。これにより技術情報をさらに有効活用できる生成AIソリューションとして『Obbligato AI』を位置づけ、機能強化を図っています。

設計を高度化する『Obbligato AI』の特長

今回の機能強化により、熟練者ノウハウの伝承においては、設計初心者による「設計の進め方を知りたい」といった基本的な疑問から、中級者による「設計ノウハウや過去のトラブル情報を知りたい」「過去の設計ドキュメントを流用したい」といった要望まで、AIが支援します。
さらに、AIを活用することで、過去の製品・プロジェクトを要約して、類似プロジェクトへ活用できるほか、過去の類似トラブルとその解消ノウハウを起点に、設計内容や製品仕様の妥当性を効率的に確認できます。また、AIとの壁打ちを通じて、設計手法や仕様案の検討、新製品開発におけるアイデア創出などが期待できます。

中峰:『Obbligato』と生成AIの連携によって実現した新機能についてご説明します。
すでに、テキスト形式の技術ドキュメントを対象に、要約と参照元リンクをチャット形式で回答する機能をご提供していますが、
2026年春には、図表を活用した高度な検索など新機能がリリースされる予定です。その特長についてご説明します。

NEC中峰 寛朗
NEC 中峰 寛朗
Obbligato AI 機能強化ポイント(図表・文脈理解やプロパティ情報の活用による検索の高度化、PLMのアクセス制御を継承したセキュアなAI活用)についての説明スライド

特長①:図・表データの読み取り強化
NECは、図表の意味や形式を考慮してレイアウトを判定する生成AIの独自モデルを開発しました。
この技術を『Obbligato』に組み込むことで、技術文書に含まれる図表情報をテキストとして活用でき、より高精度な回答が可能となります。

特長②:プロパティ情報の高度な検索・回答
『Obbligato』のデータベースには、各種マスタ、設計変更、不具合・クレームなどの重要な各種の属性情報が管理されています。これらのRDB情報をRAG(検索拡張生成)として活用することができます。

特長③:データ利用・閲覧権限の強化
『Obbligato』のきめ細かなアクセスコントロール機能(ACL)をAI活用にも継承することで、ログインユーザーに応じた情報のみをAIが参照し、特別な運用設計などを行うことなく、セキュアな運用を実現します。

特長④:チャット履歴の保存
AIとの対話履歴を保持できるため、過去の内容を参照しながら業務を継承でき、利便性が向上します。

NECは、『Obbligato』と生成AIについても自社で開発しているため、必要な機能を迅速かつ柔軟に製品の導入・改善できる点を強みとしています。

設計・問い合わせ対応を支援するユースケース

北村:『Obbligato AI』を導入いただくことによって、ユーザーのみなさまには、次のようなメリットをご提供できると考えています。

社内規定の検索性や理解度の向上
設計時に、膨大な基準書や手順書を参照・確認する作業をAIがアシストします。

過去の設計書の利活用による品質向上・工数削減
設計者が過去の類似設計書を参照しながら新たな設計を行う際に、AIが設計書の調査・抽出をアシストします。

過去のトラブル・ノウハウから問い合わせ対応業務を省人化
営業や保守要員からの製品の仕様や過去のトラブル・ノウハウの問い合わせ対応を、AIが担当者に代わって対応します。

そのほか、NECの社内外で様々なユースケースを検証しており、知見をもとにお客さまの利活用をご支援してまいります。

ユーザーの声から見る製造業が生成AIに期待する機能とは

小宮山:2025年12月に開催した「Obbligatoユーザーフォーラム」では、実際にObbligatoをご利用いただいているお客さまとAI活用をテーマにディスカッションを行いました。議論の中でお客さまがAIに期待する内容をまとめると、次のようになりました。

NEC 小宮山 雄木
NEC 小宮山 雄木

第1位 類似検索(図面・部品):設計効率の向上やミス防止に直結
第2位 BOMの自動化:設計から製造までの連携における中核領域
第3位 図面のAI処理:工数削減・ミス低減への期待
第4位 問い合わせ対応:PLM利用率向上、キャッチアップ支援・教育への活用
第5位 ナレッジ活用:“誰でも正しく設計できる”再現性の実現

NECでは、これらのご要望を踏まえて各機能の早期実現を目指して取り組みを進めていく方針です。

インタビュー中のNEC 北村 雅人、中峰 寛朗、小宮山 雄木の様子

Agentic AI時代を見据えて高度化する『Obbligato AI』の将来構想

AIは、現実世界を理解する「Cognitive AI」から、自らの見解を述べる「Generative AI」へと進化してきました。現在注目されている「Agentic AI」は、その次の段階として、自ら考え、計画し、行動することができるAIです。そして実世界と相互に連携する「Embodied(Physical)AI」へと進化していくと考えられています。
特に、自律的に“考察” “計画” “実行”ができる「Agentic AI」は導入が急速に進んでおり、専門業務のプロセスそのものをAIが担うことで、大幅な生産性向上が期待されています。
『Obbligato AI』においても、LLMやRAG、RPAを組み合わせ、作業の効率化にとどまらず、意思決定を支援する存在へと段階的な高度化を目指していきます。

Obbligato AIで広がる助奏の未来(LLM・RAG・RPAを組み合わせ、段階的に高度化し5チェーンのつながりを強化)についての説明スライド

そして、『Obbligato』がカバーするエンジニアリングチェーンやプロダクションチェーンだけでなく、サプライチェーン、サービスチェーン、サステナブルチェーンを加えた5つのチェーンを繋げるデータ連鎖の実現も目指しています。将来的には、各チェーンに特化したAIエージェントを、マルチAIエージェントが連携・統合しながら全体最適を支援する姿も検討していきます。

製造業の現場には、長年にわたって積み重ねられてきた貴重な技術情報やノウハウが数多く存在します。『Obbligato AI』は、そうした知見を組織横断で活用し、技術伝承を加速させることで、製造業の現場に実効性のある価値を提供していきます。
今後もAIの活用に取り組み、お客さまとともに『Obbligato AI』を育てていきたいと考えています。活用検討や実証にご関心をお持ちのお客さまはNECまでお気軽にご相談ください。

NECオフィス内で並んで立つNEC 北村 雅人、中峰 寛朗、小宮山 雄木の様子

関連リンク

Obbligato AI

『Obbligato AI』は、PLMに蓄積された技術情報を生成AIで横断的に活用し、設計効率化と品質向上を同時に実現します。 詳しい機能や関連情報については、詳しくはこちらより製品ページをご覧ください。製品の特長やユースケースをまとめたリーフレットは、資料ダウンロードよりご確認ください。

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