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製造業のニューノーマル ものづくり変革セミナー

ものづくりの未来

Webセミナーレポート 2021.7.2 【2021.08.18】

カテゴリ:DX・業務改革推進品質・環境・物流ローカル5G

NECものづくり共創プログラム ものづくり研究グループでは、このほど「2021年版ものづくり白書」を刊行した経済産業省の矢野剛史氏を特別講師に迎え、三部構成で「製造業のニューノーマルものづくり変革セミナー」を行いました。ここでは、その概要をご紹介します。

前半の部:「2021年版ものづくり白書(令和2年度 ものづくり基盤技術の振興施策)」

講師:経済産業省ものづくり政策審議室長 矢野剛史氏

キーワードは “レジリエンス” “グリーン” “デジタル”

前半の部は、経済産業省の矢野氏より「2021年版ものづくり白書」の概要を説明いただきました。

コロナ禍が世界的に広まる中、製造業のサプライチェーンは“不確実性”のリスクに直面。加えて、グローバルにカーボンニュートラルやDXの取り組みが急進展しています。
こうした中、“製造業のニューノーマル” として “レジリエンス” “グリーン” “デジタル” がキーワードとなり、日本の製造業の生き残り戦略に資する動向分析を紹介。

製造業の業績動向は今後3年間の見通しも減少傾向であり、設備投資も控える傾向にあることが説明されました。コロナ感染のみならず、米中貿易摩擦や自然災害が続く中「自動車や半導体関連などはコロナ前に戻っているが、全体には及んでいない。金融緩和でキャッシュリッチになっていても、先行きの不透明感で設備投資まで繋ぎ切れていない」と矢野氏は指摘しました。

経済産業省ものづくり政策審議室長 矢野剛史氏zoom拡大する
講師:経済産業省ものづくり政策審議室長 矢野剛史氏

サプライチェーンの強靭化

BCPの策定企業は増加しているが、コロナ禍により従来の自社の被害想定だけでは不足しており、サプライチェーン全体でのBCP対策が必要との問題意識も高まっています。サプライチェーンの強靭化にあたっては、「BCPはサプライチェーンの途絶という不確実な事象に対することだけではなく、自らのリソースをフル活用して何ができるのかも考えるべき」と説明されました。

カーボンニュートラルへの取り組み

次に、2つ目のキーワード “グリーン” について。

日本も2050年までにカーボンニュートラルを目指す国際公約を宣言。そのための国の「グリーン成長戦略」や2兆円のグリーンイノベーション基金などについて触れられました。
製造業における取り組みとして、米Appleのサプライチェーン全体のカーボンニュートラルへの取り組みや、独BASFの全製品のカーボンフットプリント提供の事例を紹介。「日本のサプライヤーにも厳重な対応が求められる」と矢野氏は指摘しました。
「グリーンファイナンス」も普及しており、効果的な資金調達を行うチャンスと捉えていくべき、と説明されました。

効率的かつ戦略的なDX投資の必要性

次に、3つ目のキーワード “デジタル” について。

多くの企業においてDXの取り組みが進んでいない状況に鑑み、今後の5Gなどの無線通信技術の活用を含む効率的かつ戦略的なDX投資の必要性について話されました。国としても、人材育成やDX推進サイバーセキュリティ対策などの支援を講じていく計画があります。しかし、企業におけるDX推進自己診断の結果、「未着手~一部部門での実施」が95%を占めるといった現状を紹介し、DXを推進する上で経営者が実践すべき事柄を紹介。また、経済産業省が行っている社会人向け・若年層向けのDXに関わる教育プログラム、製造業の先進事例にも触れました。

続いて、5Gなどの無線通信技術の活用により、柔軟・迅速に組み替えられる生産ラインによるサプライチェーン維持への貢献や、OT(制御技術)とIT(情報技術)の融合により、市場のゲームチェンジに繋がる可能性について説明され、前半の講演を終えました。

後半の部「ローカル5Gで実現するスマートファクトリー」

講師:NEC スマートインダストリー本部 本部長 豊嶋慎一

5Gの優れた特性

後半は、NECの豊嶋より「ローカル5Gで実現するスマートファクトリー」をテーマにユースケースやトピックスをご紹介しました。

まず、「NECものづくり共創プログラム」のコンセプトと1,000社以上・4,850名以上を会員にお招きして取り組んでいるものづくり研究グループ活動トピックスをご紹介しました。

本題では、5Gの“超高速”“超低遅延”“多数同時接続”という特性と、ローカル5Gによりスマートファクトリー化を加速させる“見える化”“リモート”“自働化⇔自律化”“柔軟化”について説明。続いて、高解像度動画・画像活用や遠隔現場作業、設備・ラインの協調制御、レイアウトフリー・柔軟なラインといったローカル5Gの活用パターンを概観しました。

NECにおけるローカル5G実証実験

次に、NECプラットフォームズ甲府事業所におけるローカル5Gの実証実験について紹介。部品棚からのロボットのピッキング作業を5Gによるスムーズな映像を見ながらリモートでコントロールする取組みや、ピッキングした部品をAGVが自動搬送するビジョン、スマートグラスを用いたリモートでの作業支援を紹介しました。「少量多品種生産におけるレアな品目の組み立てに困った時など、従来のようにラインを止めて熟練者が駆けつけるといった必要がなく、タイムリーに支援できる」といったメリットが説明されました。

また、さまざまなお客様との共創事例もご紹介しました。

NECの共創拠点である「NEC DX Factory共創スペース」

NECが先進テクノロジーとものづくりノウハウを組み合わせ、製造業のお客様との共創を進める「NEC DX Factory共創スペース」、NECが実際にローカル5G基地局の免許を取得し実証実験が行える「ローカル5Gラボ」についても触れました。

続いてNECのローカル5Gシステムネットワークサービスなどローカル5Gサービスについてご紹介しました。

最後に「人がイキイキと働けるスマートファクトリー実現を目指すお客様との共創を進めます」というNECのメッセージをお伝えして、本セミナーを終了しました。

関連リンク

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