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多品種変量生産のQCD強化策や
資源循環型の生産を学ぶ
NECプラットフォームズ 掛川事業所 工場見学会レポート【2019.03.28】
カテゴリ:スマートファクトリー(IoT基盤/AI)SCM/MES/FSM
VRを活用した先端的な生産ライン検証や人材育成も見学
NECの「ものづくり研究グループ」は、NECグループ各社が取り組んできた“ものづくり革新”の内容をご紹介するとともに、同じものづくりに関わるお客様同士が意見交換を通じてヒントが得られる機会づくりに取り組んでいます。また、AIやIoTといった最先端技術を自社で実証し、お客様と共に研究することで、日本の製造業が新たな価値を創出する機会づくりを目指しています。
これらの取り組みの一環として、2019年2月26日(火)、NECプラットフォームズ株式会社の掛川事業所で「生産革新 工場見学会」を開催いたしました。同事業所には、レンタル製品のリサイクルなど資源循環型生産方式の確立や、VRを活用した3Dシミュレーションによる生産ラインの検証とものづくり人材の育成といった先端的な取り組みに特色があります。本見学会には、電気や機械、化学、自動車部品など日本を代表するメーカーなど19社29名が参加し、「参考になった」「興味深い」「感動した」といった感想が寄せられました。

ムダな時間やコストを削減する数多くの工夫
掛川事業所では、Wi-FiホームルータやWiMAXなどのホームゲートウェイ製品、光アクセス装置などのアクセスネットワーク製品、車載ECUやタブレットなどの組込み製品を生産しており、グローバルトレーニングセンターも工場内に設けられています。
見学は、まず資材の受け入れ現場からスタート。多くのサプライヤーとの間で実現させている「カンバン方式」による管理やトレーサビリティの仕組みづくりを紹介。次にホームゲートウェイ製品の生産ラインを見学。“1カ所”“1直線”“1方向”のラインづくりや検査工程、ロボットの活用などについて説明がありました。次に、本事業所の特色でもあるレンタル品の再生ラインを見学。分解しやすい仕組みや、レンタル品につき個人情報を確実に消却する仕組みを説明。配送ラインでは梱包パターンをミスなく行う仕組みが紹介されました。
プリント基板生産ラインでは生産性を1.8倍に向上させた「リバーシブル生産方式」を紹介、総じて、ムダな時間や工夫点を数多く見学できました。
本事業所の特徴でもあるグローバルトレーニングセンターでは、VRを活用しての3Dシミュレーションによるライン作業の訓練やライン設計の様子を見学。実際に見学者がゴーグルを装着して体験する一コマも。
また、見学生産現場を移動する間、全事業所で行われている、「千本桜」と呼ばれるKPI達成に向けての進捗状況共有化の仕組みや、実際にエアシリンダーに手を挟まれて危険性を認識する体験コーナーに立ち寄っての紹介もありました。
多品種変量生産における生産革新を学ぶミニセミナー
講演は二つありました。
まずひとつ目の講演では、「NECプラットフォームズ 掛川事業所における取組み紹介」。2000年から生産革新活動として“一流のしくみ”を取り入れる「一流運動」をスタート。トヨタ式生産方式の導入とともに、“1カ所”“1直線”“1方向”をキーワードとする生産ラインづくりに取り組んでいます。また、ホームゲートウェイ製品のレンタルビジネスを手がけ、クローズドリサイクルによる資源循環型生産方式を確立しているという特色があります。さらに、ロボットの活用などによる多品種変量生産のQCD強化策やIoTの取り組み、顧客の利便性を重視した他社製品の一括配送サービスも紹介。こうした生産革新活動が評価され、「2018年度(第8回) GOOD FACTORY賞」の「ものづくりプロセス革新賞」を受賞したことも紹介されました。
次に、「NECグループ全体のSCM改革」について紹介。今から20年前、多くの在庫を抱えて危機的な状況であったNECグループは、トヨタ自動車の教えを受けながらSCM改革を実行し、多品種変量生産においていかに在庫を減らしSCMを最適化させるかに取り組みました。そのキーポイントとなったものが、BOM/BOPによる変動対応と、資材や中間製品のストックポイントの設計、およびハブ&スポークの配送体制の構築であることを説明。現場でものをつくる“虫の目”、どこにストックポイントを構えるかの“鳥の目”、市場の流れはどうなっているかを見る“魚の目”が重要との指摘で締め括られました。

質疑応答・ディスカッション
最後の質疑応答では時間いっぱいまで質問が出されました。また、その際に書かれたアンケートには、「全体最適を重視し各作業をシンプルにしている点が参考になった」「IoTによる見える化が参考になった」といった感想が寄せられ、見学会に参加した方がより多くの意見をいただきました。このような機会は現在年4回企画実施しており、今後も継続的に続けてまいります。今後もものづくり研究グループ活動へのご参加をお待ちしています。
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製造業のデジタルトランスフォーメーション
製造業にもデジタル化の波が押し寄せ、新たなビジネスモデルへの変革が進んでいます。NECが誇る先端技術と、自らが取り組んできたものづくり革新やIoT実証・実装の知見をベースに製造業のデジタルトランスフォーメーションを牽引するのが「NEC Industrial IoT」です。
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