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静岡県小山町様

紙の健康マイレージ事業をアプリの健康インセンティブ事業へ。若年層の参加が拡大、地域通貨連携で健康とまちを元気にする小山町の挑戦

業種:
  • 地方公共団体・官庁
業務:
  • その他業務
製品:
  • その他
ソリューション・サービス:
  • サービス/その他

事例の概要

課題背景

  • 「ポイントが貯まる」だけの動機づけに留まり、健康行動の継続的な変化につながっているか疑問があった。
  • 紙のポイントカード運用の負担が大きい
  • 若年層の参加が極端に少なく、参加者数は数年にわたり約900人で頭打ち

成果

行動変容の定着

食事・体重・歩数の記録にAIの個別助言とスモールステップ目標を組み合わせ、日々の小さな達成体験を積み上げる設計。栄養や歩数への関心が高まり、「今日はあと何歩」など具体的な会話が増加。目標を口にする町民も増え、継続行動が定着。

職員業務の効率化

紙のスタンプや日付自己申告、抽選会の重複チェック、賞品調達などの手作業負担を、アプリ化とポイント付与で簡素化。紙併用でも設定完了後は“楽に回せる”運用へ。町民対応の質向上と工数削減を両立し、職員の負担感が着実に低減。

若年層参加拡大

若年層参加拡大 紙運用で伸び悩んだ層にアプリでリーチ。AI目標とポイントの仕掛けで楽しみながら続けられ、アプリ利用者は導入当初600人台から約900人へ拡大。高齢層偏重だった構成にも変化が生まれ、PRや説明会を通じて若年層の裾野が広がった。

導入ソリューション

紙運用による健康マイレージ事業の課題を解決するため、NECの健康管理アプリ「WoLN(ウォルン)」を導入。歩数や食事記録をゲーム感覚で管理でき、AIが健康診断データを分析し未来予測や改善アドバイスを提供。さらに地域通貨と連携し、インセンティブを与えることで参加意欲を高める仕組みを実現。マイナポータル連携で個人データを活用し、行動変容を促進。

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事例の詳細

導入前の背景や課題

紙運用の限界露呈

人口約1.6万人の小山町では、紙のポイントカードで健康マイレージ事業を運用してきましたが、参加は年間約900人で頭打ち、7割が70代以上と固定化。スタンプや日付の自己申告に頼る方式で、新規参加は伸びず、「散歩して日付を書くだけ」で行動の先につながらない課題が見えていました。さらに、抽選の重複チェックや賞品の管理、手配など手作業が多く、職員負担が重い状態が継続。健康増進の打ち手も形骸化し、町民の変化に結びつける仕掛けが不足していました。
スマホ普及と働き方の多様化で、平日窓口中心の紙運用は働き盛り世代の参加障壁に。担当課は「貯めるだけではない次のステップ」を促す仕組みの必要性を認識し、世代横断で使いやすくフィードバックが得られる仕組みへの転換を模索しました。

小山町役場 住民福祉部
健康増進課 健康づくり班
主任 千葉 真利子 氏

選択のポイント

貯めるだけではない、次のステップに繋がる一歩。まちも元気に

小山町では、健康マイレージ事業の新たな展開にあたり、「担当課としては貯めるだけではない、次のステップに繋がるようなきっかけになる一歩先を行ったものを求めていた」と語ります。従来の紙運用による課題解決と、町民の幅広い参加促進を重視し、使いやすさや多世代が興味を持てる機能、AIによる個別アドバイスなど、次のステップにつながる仕組みを求めていました。
公募型プロポーザルの選定過程では、NECが提案した健康管理アプリの多機能性や、AI分析による将来リスクの可視化、食事記録からのアドバイス機能などが高く評価されました。従来の紙運用では参加者が固定化しがちでしたが、NECのアプリは若い世代にも使いやすく、参加者層の拡大につながる点が決め手となりました。
さらに、ポイントを貯めるだけでなく、地域通貨と連携することで、健康づくりの取り組みがまち全体の活性化にもつながる点を評価。健康活動の成果が地域通貨として還元されることで、町民の参加意欲が高まり、まちの元気づくりにも貢献しています。
また、マイナポータル連携が可能なことで、健康診断の未来予測が行動変容につながる点も評価されています。個人の健康データをもとに、将来のリスクや必要なアクションを具体的に示すことで、町民一人ひとりの健康意識向上と実際の行動変容を促進しています。
導入プロセスについて担当者は「短期間でのスケジュール調整や補助金対応、各部署との連携も、NECさんがしっかりと体制を整えてくれたので安心して進めることができました。導入後も町民への周知やイベント提案、疑問点への迅速な対応など、運用定着に向けてきめ細かくサポートしてもらえたのが非常に心強かったです」と振り返ります。
「NECは小山町のやりたいことに合わせて柔軟に対応し、できること・できないことを明確に伝えてくれる信頼できるパートナーだと感じました」と担当者は語ります。

導入後の成果

地域通貨連携で広がる健康習慣

導入前は、紙の台帳でポイントを管理し、商品券との交換やダブルチャンスとして抽選会を実施する方式でした。しかし、この仕組みでは参加者が固定化し、若い世代の参加はほとんどありませんでした。「担当課としては貯めるだけではない、次のステップに繋がるようなきっかけになる一歩先を行ったものを求めていた」と担当者は語ります。
NECの提案は、健康ポイントを地域通貨に交換できる仕組みを導入し、町内の商店で利用可能にしました。「健康イベントで歩数を稼ぐだけでなく、地域のお店で使える通貨になることで、町民の楽しみが増えました。役場のイベントでも『ポイントで買い物できるなら頑張りたい』という声が聞かれました」と担当者は強調します。
この仕組みにより、健康づくりが個人の努力にとどまらず、地域経済の循環に貢献する取り組みへと進化しました。「町民の健康だけでなく、地域活性化の一助となるようにしていきたい」というコメントもあり、まち全体を元気にする効果が期待されています。

未来予測で行動変容を促進

導入前は、健康マイレージ事業が「健康活動を記録してポイントを貯める」だけの仕組みにとどまり、参加者のモチベーション維持が課題でした。そこで町は、より実効性のある健康支援を求めていました。「マイナポータル連携が取れることで、健康診断の未来予測が行動変容につながると感じました」と担当者は語ります。
NECのアプリは、健康診断データをもとにAIが疾病リスクを分析し、食事や運動の改善ポイントを提示します。「例えば、血圧を下げるために減塩をといったアドバイスが出ることで、食事を見直すきっかけになります。こうした仕組みは今まで聞いたことがなく、非常に魅力的でした」とコメントしています。
この機能により、町民は自分の健康状態を“見える化”でき、次の行動に移しやすくなりました。単なる記録から、未来の健康を守るための行動へと意識が変わり、若い世代や働き盛り世代の参加も増えています。

若い世代も巻き込む健康習慣

従来の紙運用では、参加者の約7割が70歳以上で、新規参加者はほとんどいませんでした。「導入後、参加者層が明らかに広がりました。若い世代がアプリを使って楽しんでいる姿を見ると、取り組みの効果を実感します」と担当者は語ります。
NECのアプリは、見やすいデザインやゲーム感覚の仕組みを取り入れ、世代を問わず使いやすい設計になっています。「歩数記録や食事管理がゲーム感覚でできるので、楽しみながら続けられるという声を多く聞きます。家族や友人と一緒にイベントに参加することで、コミュニケーションのきっかけにもなっています」とインタビューで語られています。
この変化により、町民同士の交流が活性化し、健康づくりが“個人の努力”から“地域の取り組み”へと進化しました。

お客様プロフィール

静岡県小山町様

町役場住所 静岡県駿東郡小山町藤曲57-2
人口 16,687人(令和7年10月1日現在)
概要 雄大な富士山と豊かな自然に抱かれ、歴史と文化が息づく静岡県小山町。金太郎生誕の地として知られ、足柄峠や冨士浅間神社など魅力ある地域資源に恵まれています。東京から約1時間という利便性を持ちながら、富士スピードウェイや登山道など多彩なアクティビティも充実。小山町を元気にするたに様々な事業に取り組んでいます。
URL new windowhttp://www.fuji-oyama.jp/


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(2025年11月27日)

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