NEC Corporation
アニュアル・レポート2017

コーポレート・ガバナンス

社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかるためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識しており、(1)経営の透明性と健全性の確保、(2)スピードある意思決定と事業遂行の実現、(3)アカウンタビリティ(説明責任)の明確化および(4)迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針としてその実現に努めています。

これまでのコーポレート・ガバナンス強化への主な取り組み

1990年、NECグループ企業理念制定。2004年4月~2003年3月、社内カンパニー制。2003年4月~2010年3月、事業ライン制。2004年、NECグループ企業行動憲章・行動規範制定。2008年、NECグループビジョン・NECグループバリュー制定。2010年、製品・サービス起点の事業体製。2013年4月~現在、市場・お客さま起点の事業体制。①執行役員制度導入→取締役会から執行役員に対して業務執行に関する大幅な権限の委譲を行うことにより、業務執行と監督の分離をはかり、迅速な意思決定に基づく事業遂行を実現することを目的として、2000年4月に導入しました。②取締役の員数削減。取締役会での議論の充実による、さらなる経営の健全性の確保と迅速な意思決定を実現することを目的として、取締役の員数を削減し、取締役会のスリム化をはかりました。③社外取締役の複数名の選任→取締役会の監督機能を強化するため、2001年6月に社外取締役を1名増員し、2名としました。2007年6月以降、現在の5名体制を継続しています。④取締役の任期短縮→事業年度ごとの経営責任の明確化をはかるため、2004年6月から、取締役の任期を2年から1年に短縮しました。⑤指名・報酬委員会の設置→役員の人事と報酬等の透明性の向上を目的として設置しました*。委員会は、社外取締役3名を含む5名の委員で構成されており、委員長は社外取締役から選任しています。*2001年に設置した「報酬委員会」に役員人事の審議機能を追加 http://jpn.nec.com/profile/corp/executives/committee2.html⑥チーフオフィサー制の導入→NECグループビジョンの実現に向けて全社横断的な戦略を強化するため、2011年7月に導入しました。2017年4月には、コーポレート機能の強化および意思決定スピードの加速を目的として、チーフオフィサーへの権限委譲の範囲を拡大しました。

コーポレート・ガバナンスの体制図と概要

コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、経営計画に関する事項をはじめ、事業再編、資金計画、投融資などの重要な業務執行について決定しています。

2017年3月期の状況

チーフオフィサーによる活動報告や事業分野別の経営計画・進捗報告のほか、NECグループの開発・生産機能の最適化、課題事業への対応策などについて闊達な議論を行い、特に社外取締役からは、自己の会社経営などの経験や深い見識に基づく幅広い助言を得ています。

経営会議

経営方針や経営戦略などNECグループの経営に関する重要事項の審議を行っています。特に重要な案件については、経営会議で予め十分な審議を行ったうえで取締役会に付議することにより、審議の充実と適正な意思決定の確保をはかっています。

事業執行会議

取締役会で定めた予算の進捗状況などNECグループの事業遂行状況に関する報告、審議を行い、経営情報の共有と業務執行の効率化をはかっています。

指名・報酬委員会

(1)取締役、代表取締役および監査役ならびに会長および執行役員社長の人事、ならびに(2)取締役、代表取締役および執行役員の報酬体系・報酬水準について会社の業績等の評価をふまえ、客観的視点から審議を行い、その結果を取締役会に報告しています。

監査役会

原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査の方針、基準、年間監査計画等を決定し、各監査役の監査状況等の報告を受けています。

組織形態:監査役設置会社。取締役会の議長:会長。取締役 人数11名(うち社外5名)任期1年。監査役 人数5名(うち社外3名)任期4年。独立役員:社外取締役4名、社外監査役3名。取締役へのインセンティブ付与に関する施策の実施状況:業績連動型報酬制度の導入*1.報酬等の額*2(2017年3月期):取締役 定額報酬13名総額337百万円(うち社外5名総額60万円)*3、賞与6名総額0円、監査役 定額報酬6名総額96百万円(うち社外4名総額36百万円)*3

  1. 短期インセンティブとして単年度の業績に連動する賞与および中長期インセンティブとして中期経営計画の達成度に連動する株式報酬を導入しています(社外取締役は対象外です)。
  2. 個別報酬の開示は行っていません。報酬の基本方針や体系などについては、事業報告、有価証券報告書およびコーポレート・ガバナンス報告書においても開示しています。
  3. 2016年6月22日開催の第178期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役2名および監査役1名を含んでいます。

継続的な体制の強化と改善に向けて

当社は現在、監査役設置会社形態を採用しており、業務執行に対する取締役会による監督と、監査役会による適法性・妥当性監査の二重チェック機能を備えています。そこに執行役員制度の導入、社外取締役の複数名の選任、社外取締役を過半数とする任意の指名・報酬委員会の設置などを組み合わせたハイブリッド型の体制とすることにより、業務執行と監督の分離をはかり、経営の透明性と健全性の確保に努めています。

当社はこれらの体制により、当社のコーポレート・ガバナンスが十分に機能していると考えていますが、経営環境の変化等をふまえた、より実効性の高いコーポレート・ガバナンスの実現に向けて、継続的にその体制の強化および改善に取り組んでいきます。

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の機能向上のため、2015年度から取締役会の実効性についての評価・検証を行っています。2016年度は、2015年度における取締役会の実効性についての評価・検証の結果をふまえ、取締役会における報告内容・報告資料フォーマットの見直し、資料の事前配付の早期化、年間審議計画の見直しなどを行いました。

評価方法

取締役および監査役全員を対象として、取締役会の役割、構成、運営に関するアンケートを行い、その結果を分析したうえで、取締役会において、取締役会の機能向上に向けた審議を行いました。

評価結果および今後の課題

当社の取締役会は、重要な業務執行に関する意思決定および当社の経営戦略、経営計画に関する審議において、活発な議論が交わされる体制が整っており、適切に業務執行の監督が行われていると評価されました。一方で、取締役会が経営の戦略的方向をより的確に示していくためには、さらなる審議テーマの絞り込みや論点の明確化を徹底するとともに、社外取締役の助言を事業執行に反映させていく仕組み作りなどが必要であるとの認識を共有しました。

今後、以上をふまえ、取締役会の審議をさらに充実させていきます。

役員報酬

■新たな業績連動型株式報酬制度の導入について

当社は、2017年6月22日開催の第179期定時株主総会の決議に基づき、当社の取締役(社外取締役を除く)および執行役員を対象として、信託を用いた新たな業績連動型株式報酬制度を導入しました。本制度は、対象の取締役・執行役員の報酬と当社の業績および株式価値との連動性をより明確にし、対象の取締役・執行役員が株価上昇によるメリットのみならず株価下落によるリスクをも株主のみなさまと共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を一層高めることを目的としています。

■役員報酬の内容

当社の役員報酬は、継続的な企業価値の向上および企業競争力の強化のため、優秀な人材を確保するとともに、業績向上へのインセンティブとして機能する、グローバル企業としてふさわしい水準・体系とすることを基本方針としています。上記の業績連動型株式報酬制度を含む当社の役員報酬の体系は、以下のとおりです。

取締役報酬

取締役の報酬は、固定の月額報酬ならびに短期インセンティブとしての業績連動の賞与および中長期インセンティブとしての業績連動の株式報酬により構成しています。社外取締役には、業務執行の監督における主導的な役割を期待し、独立性を確保する観点から、賞与および株式報酬は支払っていません。

[業績連動の仕組み]

・ 賞与
取締役の賞与は、前期におけるNECグループの連結業績にかかわる重要指標(売上収益、営業損益等)に基づき算定します。

・ 株式報酬
権利付与時の中期経営計画の期間が満了した後、役職および中期経営計画の達成度に応じて、次の算定式に基づき算定される数の株式を交付します。

役職別権利付与株式数(注1)× 業績連動支給率(注2)
			(注1)基本報酬額×役職別乗率*÷ 対象となる中期経営計画の期間の直前の事業年度における東京証券取引所の当社株式終値の平均値
			* 役職別乗率
			取締役会長、取締役執行役員社長・副社長 25%
			取締役執行役員専務・常務 20%
			取締役執行役員 15%
			
			(注2)権利付与時の中期経営計画の期間における連結売上収益達成度×35%
			+権利付与時の中期経営計画の期間における連結営業利益達成度×35%
           +権利付与時の中期経営計画の期間における最終年度の連結ROE達成度×30%

監査役報酬

監査役の報酬は、その職責が取締役の職務執行の監査であることから、固定の月額報酬のみとし、業績連動の賞与は支払っていません。

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