ExpEther

産業機器の筐体を超えた拡張を実現する

概要

ExpEther (エクスプレスイーサ)は、PCI Expressを始め、フィールドバスやGPIOなど、産業機器で用いられる様々な信号を高信頼・低遅延にイーサネットや無線で伝送するNEC独自の技術です。
ExpEtherを用いることで、産業機器を筐体外のセンサやIT機器と連携させて拡張することが可能となり、産業機器の生産自動化やクラウド連携を推進できます。

ExpEtherにより、産業機器は、一般のイーサネットを介してPCI Expressなどの高い信頼性が求められる電気信号を広帯域かつ低遅延で送受信することができます。イーサネット上に配置されたI/OボードやAIアクセラレータなどのハードウェア資源を現場の要求に従い脱着することで、産業機器の柔軟なシステム拡張や性能向上を可能とします。

また、ExpEtherでは、複数の標準規格の無線リンクを束ねて高信頼・低遅延の無線通信を行うことで、あらゆる有線通信をプロトコルの変更なく無線化することができます。これにより産業機器のユーザ端末の分離による作業効率の向上や、可動加工部とのセンサ接続によるあらゆる生産工程のセンシングが可能となります。

背景

次世代インダストリーに向けた、製造現場における産業機器の課題

近年、少量多品種生産を柔軟で低コストに実現する次世代インダストリーに向けて、製造現場における産業機器にも生産自動化とクラウド連携への対応が求められています。

これらの実現には、一体化されている産業機器とユーザ端末の分離、全工程のリモートセンシング、産業機器とIT機器やクラウドのリアルタイム連携など、産業機器の枠を超えた柔軟な拡張が必要となります。そのためには、産業機器の信号を筐体外に拡張してネットワークで送受信を行ったり、それらの信号を無線で伝送したりすることが重要です。

しかし、従来オフィスや一般消費者向けに用いられてきた標準通信技術では、工場の厳しい環境において、産業機器の信号の伝送に要求される高信頼性や低遅延性、産業機器で用いられるプロトコルへの対応といった要求を満たすことが困難であるという課題がありました。

ExpEtherにより産業機器の課題を解決

ExpEther IPコア/IPソリューションでは、標準イーサネットを従来のIPデータ通信に用いるだけでなく、接続距離が限られるPCI Expressやクロック信号、お客様独自のI/O信号等のデータ通信路として用いることで、これらの信号の接続距離拡張や、データが欠損しない高信頼転送を実現します。

ExpEther IPコア/IPソリューション

ExpEther 無線IPコアでは、標準規格の複数の無線を束ねた仮想化技術や、再送せずにEnd-to-Endでロスのない通信を実現する非再送冗長符号通信を用い、高信頼・低遅延の無線通信を実現します。これにより、従来の無線技術では実現できなかった要求遅延10ms以下の産業機器の信号通信の無線化を実現します。

ExpEther 無線IPコア


ExpEther IPコア/IPソリューション

特長

PCI Express信号を標準イーサネットで高信頼・低遅延に伝送

ExpEther IPコアは、PCI Express規格、イーサネット規格に準拠しています。PCI Express部はGen1~Gen3、イーサネット部は1G~40Gまで対応しており、お客様のご要件に合わせて機能追加やカスタマイズ対応が可能です。

また、イーサネットの伝送状況を常にモニターする独自の輻輳回避制御と、2本の経路によるマルチパス転送により、高信頼・低遅延の伝送を実現します。
更に、PCI Express、イーサネットとも標準技術を採用していますので、将来の技術発展においても継続してご使用いただけます。

主な特長

    1. PCI Expressインタフェースを数km以上延長可能(I/O拡張)
    2. PCI Expressの標準規格に準拠し、既存機器のOS、ドライバ、ハードウェアを一切変更する事なく、PCI Expressの距離延長を実現します。
    1. 様々な信号を低遅延かつデータロスなく転送可能(高信頼・低遅延転送)
    2. PCI Expressのデータに加えて、工場における緊急停止ボタンのON/OFF信号や、同期のためのクロック信号等、お客様独自の信号の転送も実現します。
    1. 機器の柔軟な構成変更を実現可能(I/O仮想化・リソースプール)
    2. ネットワーク上に接続したPCI Expressのデバイスを、ソフトウェア等で自由自在に接続変更を行うことで、機器の柔軟な構成変更を実現します。

ユースケース

  • 製造現場における作業環境改善のため、工作機械の操作盤を遠隔拡張
  • 工作機器を制御するPCを集約して、作業性・保守性を向上

  • マシンビジョンへ適用して、生産ラインのカメラを広帯域/低遅延/高信頼で接続

提供内容

ExpEtherをお客様の装置に組み込んで使用していただけるように、ExpEther IPコアをご提供します。また、短期間でご利用いただけるよう、あらかじめ弊社で検証した標準規格IPコアを組み合わせたExpEther IPソリューションとしてご提供いたします。

項目  1G版 10G版 40G版
対象FPGA - インテル®
 Cyclone® V FPGA
- インテル®
 Cyclone® 10 FPGA
- インテル®
 Arria® 10 FPGA
- Xilinx® Kintex®
 UltraScale™
仕様 PCI Express Gen1 x1
1G Ethernet
PCI Express Gen2 x4
10G Ethernet
PCI Express Gen3 x8
40G Ethernet

提供価格は個別見積もりとなります。


ExpEther 無線IPコア

特長

有線通信をプロトコルの変更なく高信頼・低遅延に無線化

ExpEther 無線IPコアは、既存のフィールドバスや同期信号、GPIO、お客様独自のI/O信号等の有線通信をプロトコルの変更なく、高信頼・低遅延に無線化できます。

ExpEther IPコアの無線部分は標準規格を組み合わせて活用する方式を採用しているため、汎用の無線モジュールを活用して高信頼・低遅延の無線通信を低コストで実現できます。
また、無線規格の将来の技術発展においても継続してご使用いただけます。

主な特長

    1. 独自符号化方式を用いてEnd-to-Endの低遅延なロスレス通信を実現
    2. NECが開発した独自の符号化(非再送冗長符号通信)により、データを再送することなくEnd-to-Endでロスレスの低遅延通信を実現します。これにより、通信のロスが発生しやすい無線ネットワーク環境でも高信頼・低遅延の通信を提供します。
    1. 複数の無線規格を同時に利用し、これまでにない無線通信性能を実現
    2. 特性が異なる複数の無線規格を同時に利用し、”良いとこ取り”の補完を行うことで、高信頼・高性能の無線通信を提供します。例えば高速で不安定な無線規格と低速で安定な無線規格を同時に利用し、高速で安定な無線通信を実現します。
    1. 既存の有線イーサネットや信号線(GPIO)と接続するだけで無線化を実現
    2. ExpEther 無線IPコアが、ハードウェアで符号化等を行うことにより、既存システムのイーサネットや信号線(GPIO)と接続するだけで高信頼の無線通信が即時に利用可能となります。

ユースケース

  • FA機器のユーザインターフェースを無線化し作業性向上

  • 自律無人搬送車(AGV)による工作機器とロボット組立ラインの連携により、工場全体を自動化し生産性向上

  • センサー接続を無線化し、配線が困難な箇所のセンシングによる情報を活用し、加工制御性能向上

提供内容

短期間でお客様の産業機器やIT装置にExpEther 無線IPコアを組み込んでご利用いただくために、あらかじめ弊社で標準規格IPコアを組み合わせ、対象FPGA向けIPコアとしてパッケージ化してご提供いたします。

また、ExpEther 無線IPコアのカスタム対応や、IPコアを活用したお客様のボードやモジュールの受託開発・製造も承ります。

項目  説明
提供形態 バイナリROMデータ
対象FPGA Intel Cyclone® V E 5CEA7
 -5CEFA7M15C8N
 -5CEFA7M15I7N

提供価格は個別見積もりとなります。

関連リンク

NEC、世界初の技術「ExpEther」を用いた製品を発売 ~ 大阪大学に導入決定 ~
http://www.nec.co.jp/press/ja/1205/2401.html

ExpEtherの普及団体 ExpEtherコンソーシアム
new windowhttp://www.expether.org/jindex.html

注釈

  • Intel、インテル、Cyclone、Arriaは、アメリカ合衆国およびその他の国におけるインテルコーポレーションまたはその子会社の商標または登録商標です。
  • Xilinx、Kintex、UltraScaleは、米国およびその他各国のザイリンクス社の登録商標または商標です。