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交通状況測定AIを用いた実験と個人情報の取り扱いに関するご案内
2023年8月29日
日本電気株式会社
NECでは、交差点周辺に設置したカメラの映像からAI(人工知能)を用いて交通状況を測定し、交通事故の抑止や交通渋滞の緩和、交通需要の予測などに資する情報提供に活用することで、暮らしやすい街づくりへの貢献を目指しています。(注1)
このたびは、前橋市様のご協力のもと、前橋市内の交差点にて交通状況を一時的に撮影させていただき、交通状況測定のためのAIの精度向上と交通安全・渋滞緩和等に関する実験を行います。
撮影した映像は、厳格な安全管理を講じて取り扱い、個人を特定する利用はいたしません。
ご理解賜りますようお願い申し上げます。
実験概要
(1)交通状況測定のためのAI(人工知能)の精度向上
NECでは、交差点周辺に設置したカメラの映像を用いて詳細な交通状況を測定するためのAIを開発しています。このAIは画像内の物体の外観から車や歩行者などの種類や状態を推測する技術であり、特定の個人を識別することはありません。このAIを使用して交通状況を測定し、交通参加者や交通管制者などへ即時に伝達することにより、安全性向上や渋滞緩和などの様々な交通サービスの高度化を目指しています。
このたびは、本実験にて撮影した映像をこのAIの精度向上のために使用いたします。
<処理内容>
- ①可搬型カメラを使用して道路の交通状況を撮影します。
- ②撮影した映像から画像を取り出し、画像内の物体に対して種類や状態ごとにラベルを付与します。
この物体の画像が多様なほどAIの精度が向上します。 - ③ラベルごとに物体の特徴を統合したAIを生成します。
- ④新たにカメラで撮影した映像に対して、このAIを使用して交通状況を測定します。
- ※ここで撮影した映像は他の場所や期間に撮影した映像と組み合わせて繰り返し使用します。
- ※5年後に撮影した映像データを削除します。
(2)交通状況測定AIを用いた渋滞状況の把握と可視化
カメラで撮影した映像からAIを用いて道路の交通状況(車および歩行者の位置・速度・進行方向など)を測定し、これらの測定結果の統計情報を分析することにより、渋滞状況の把握が可能か検証します。
また、この渋滞状況を可視化してドライバーへ伝達する方法についても検討します。
将来的には、ドライバーへ渋滞状況を即時に伝達することにより渋滞回避を促し、交通需要を平準化することによる渋滞緩和を目指します。
<処理内容>
- ①可搬型カメラを使用して道路の交通状況を撮影します。
- ②撮影した映像に対して交通状況測定AIを使用して車線ごとの車両の交通量や滞留量を測定します。
- ③これらの測定結果の統計情報を分析し、リアルタイムな渋滞状況を把握して可視化します。
- ※渋滞状況の可視化時に一部の画像を個人の識別ができないサイズに縮小して使用します。
(3)交通量測定、交通需要の予測等に向けた交通状況分析
カメラで撮影した映像からAIを用いて道路の交通状況(車および歩行者の位置・速度・進行方向など)を測定し、これらの測定結果の統計情報を分析することにより、交通量調査や交通需要予測等が可能か検証します。
将来的には、都市計画や商業施設のマーケティング、公共交通機関の運行最適化などの用途に活用することを検討し、地域活性化や地域交通の発展等への貢献を目指します。
<処理内容>
- ①可搬型カメラを使用して道路の交通状況を撮影します。
- ②撮影した映像に対して交通状況測定AIを使用して、車両や歩行者の交通量や滞留量を測定します。
- ③これらの測定結果の統計情報を用いて交通状況を可視化し、各種サービスへの適用可能性を検討し、効果の検証を行います。
(4)事故調査高度化、小型モビリティの安全走行等に向けた映像活用検討
交通事故の発生時やロボット等の小型モビリティの走行時等を想定し、カメラで撮影した映像を用いて道路状況を可視化することにより、遠隔からの状況確認が可能か検証します。
将来的に交通事故のリアルタイムな状況確認、小型モビリティの遠隔監視による安全走行支援などの用途に活用することを検討し、交通事故の早期解決や、モビリティの活用拡大を通じた人材不足の課題解決等への貢献を目指します。
<処理内容>
- ①可搬型カメラを使用して道路の交通状況を撮影します。
- ②撮影した映像を用いて道路状況を可視化し、各種サービスへの適用可能性を検討し、効果の検証を行います。
- ※ここで撮影した映像は実証実験のみに利用いたします。また、映像は個人を特定する利用を一切行わず、第三者へ提供することも一切ございません。
撮影場所・撮影範囲
- 前橋市本町二丁目交差点にて撮影します。
- 歩道橋の通路上で三脚を用いて撮影します。歩道橋とカメラの間はワイヤーで結合し、落下を防止します。
- 撮影中は作業員が立会いのもと、周囲の安全や通行の妨げにならないよう配慮して撮影を行います。
撮影の日時と映像の保存期間
以下のスケジュールにて可搬型カメラによる撮影を行います。
- 撮影実施期間: 2023年9月6日(水) ~ 10月31日(日) 午前7時から午後11時
- 上記期間中、イベントや天候など条件を見ながら数日間に分けて撮影します。
- 上記は交通量や天候を考慮した最長期間であり、状況によって早期終了の可能性がございます。
- 撮影映像の保存期間:
(1)交通状況測定のためのAI(人工知能)の精度向上:2028年10月31日まで
(2)交通状況測定AIを用いた渋滞状況の把握と可視 :2024年3月31日まで
(3)交通量測定、交通需要の予測等に向けた交通状況分析:2024年3月31日まで
(4)事故調査高度化、小型モビリティの安全走行等に向けた映像活用検討:2024年3月31日まで
個人情報の取り扱いについて
- 当社は個人情報の保護に関する法律、同法の政令や規則及び同法のガイドラインなどの遵守のための基本方針を策定し、データの取得、利用、保存等を行う場合の基本的な取扱方法を整備しています。整備した取扱方法に従ってデータが取り扱われていることを責任者が確認しています。カメラ等データを取り扱う機器や電子媒体の盗難等を防止するための措置を講じるとともに、不正なアクセス又は不正なソフトウェアから保護する仕組みを導入しています。
- 撮影したデータについては、個人を特定する利用を一切行いません。
- 撮影した映像は、適切な管理のもと、NECグループ会社およびパートナー企業へ委託する場合があります。
また、法令等に別段の定めがある場合を除き、第三者へ提供することはありません。 - 個人情報の取り扱いについては、IoT推進コンソーシアムの「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0(注2)」の配慮事項を参考に対応いたします。
個人情報管理責任者
NEC クロスインダストリー事業開発部門 交通インフラDXシステム統括部 統括部長
本件に関するお問い合わせ先
NEC クロスインダストリー事業開発部門
Email:mobility-experiment@cibu.jp.nec.com
(協力 : 前橋市役所 未来創造部 交通政策課)
- (注1)インフラ協調による新しい道路交通: 交通/Fast Travel(Smart Transportation) | NEC
詳細はこちら https://jpn.nec.com/infrastructure-mobility/index.html - (注2)