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地方自治情報化推進フェア2025(J-LISフェア2025)参加レポート
2025年10月8日(水)~9日(木)に開催された「地方自治情報化推進フェア2025」(以下、J-LISフェア2025)に、今年もNECグループは出展しました。NECのパブリックビジネスユニットからは、社会公共ソリューション事業部門(主に地方公共団体様を担当)と官公ソリューション事業部門(主に中央省庁様を担当)が参加し、それぞれソリューションをご紹介しました。昨年度に続き、NEC社会公共ソリューション事業部門とNECネクサソリューションズはNECグループブースで出展。私が所属する官公ソリューション事業部門は、アマゾンウェブサービスジャパン(以下、AWS)のブースにAWSパートナーとして展示を行いました。
本記事では、AWSブースにおけるNEC展示内容を中心に、イベント当日の様子をレポートします。
INDEX

堀田 佳宏
(ほった よしひろ)NEC
パブリックビジネスユニット
官公ソリューション事業部門
官公インテグレーション統括部
上席プロフェッショナル
2025 Japan AWS Ambassadors
2025 Japan AWS Top Engineers(Services)

J-LISフェア2025について
J-LISフェアは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が毎年この時期に開催している、国内最大級の行政機関向け情報システムの展示会です。行政DXの推進に役立つ最新の情報システムの展示や、行政サービスの高度化・地域の問題解決における積極的なICT活用について、有識者および実務者による講演が行われます。毎年、全国から多くの行政職員の方がご来場されます。
開催概要
開催日時:2025年10月8日(水)9:30 - 17:30/9日(木)9:30 - 17:00
会 場:幕張メッセ
参加費用:無料
主 催:地方公共団体情報システム機構(J-LIS)
テーマ デジタルで変わる、未来が分かる ~自治体DXの「次」を共に描く~
会場の状況
今年は、ホールのほぼ中央の位置にNECグループブースがあり、その隣に我々が展示するAWSブースが配置されていました。


(NEC 官公インテグレーション統括部 三浦 幸紀:左、和田 拓也:右)
J-LISフェア2025での展示内容
AWSブースの弊社展示スペースでは、「クラウド移行&AIスマート運用」をメッセージとして掲げており、クラウドおよびガバメントクラウドへの移行を支援する「官公庁向けクラウドソリューション」に加え、生成AIを活用した運用の高度化についてご紹介しました。
【ご参考】
NEC 官公庁向けクラウドソリューション
https://jpn.nec.com/government/solution04/index.html
ここからは、AWSブースで実施したミニセミナーの資料を用いながら弊社展示のメッセージをお伝えしたいと思います。
クラウドの運用は継続的な対応が不可欠で、決して楽ではないことを感じていらっしゃるお客様も多いかと思います。下記はあくまで当グループが関与したプロジェクトでの一例ですが、定期的なアップデートへの追随で年間推定最大約6人月、年間のアラート対応推定最大約12人月が対応工数としてかかる試算となっています。クラウド運用を行っているプロジェクトでは、これらを様々な工夫をしながら対応されているかと思います。

今回の展示を通した弊社からのご提案は、生成AIを使ってより簡易に行っていくことです。
アプローチ例① 生成AIを用いたAWSアップデートの定期取込と翻訳

まずは、AWSのサービスアップデート情報を効率的に取り込むための生成AI活用についてご紹介します。AWSサービス更新情報サイト(
https://aws.amazon.com/jp/new/)から最新情報をスケジュールに基づき定期的に取得し、社内のコミュニケーションツールに投稿する仕組みを生成AIを用いて実現できます。弊社の場合は、Microsoft Teamsに投稿して社内で情報を共有しています。現在は、優先度を生成AIに判断させていますが、各プロジェクト向けに重要度をカスタマイズすることも可能です。
例:
ガバメントクラウド利用時は海外リージョンアップデート情報の優先度を下げる、利用しているサービス以外の優先度を下げる、など
アプローチ例② 生成AIを用いたアラートの翻訳&要約(JSON→自然言語)

つぎに、AWS環境から発行されるアラートを生成AIにて要約・分析を行い、通知する活用方法についてご紹介します。JSON形式で出力されるAWSアラート情報は、生成AIに要約させることが可能です。こういった作業については、生成AIの得意領域ですね。アラートの発生総量を減らしたうえで、このような施策を組み合わせることで、アラート検知運用負荷を軽減できます。
また、J-LISフェア2025ではAIエージェントとMCPを利用したAWS環境情報取得についてもご紹介しました。MCP(Model Context Protocol)は、Claudeなどの生成AIで知られるAnthropic社が2024年に発表したオープンプロトコルです。
The Model Context Protocol (MCP) is an open protocol that enables seamless integration between LLM applications and external data sources and tools. Whether you're building an AI-powered IDE, enhancing a chat interface, or creating custom AI workflows, MCP provides a standardized way to connect LLMs with the context they need.
https://github.com/modelcontextprotocol
MCPによってLLMアプリケーションが、外部のデータソースを取得することが容易となります。現在、様々なMCPが発表されており、AWSからも様々なMCPが提供され始めています。

https://awslabs.github.io/mcp/
例えば、「Amazon Redshift MCP Server」を利用すれば、高速DWHサービスであるAmazon Redshiftデータベースの中身を、自然言語で操作できます。「ログテーブルに格納されている、2025年9月から10月のデータ件数を調査して出力せよ」といった感じで、SQLを知らなくても日本語対話による操作が可能です。これらMCP群を活用すれば、運用がよりいっそう容易になると考えます。併せて、MCPを用いて日本語でやり取りしながら、AWSの監視サービスなどの情報を取得するデモも実施しました。
J-LISフェア2025の二日間、これらの展示に多くの方に足を運んでいただき、クラウド運用の高度化への関心の高さを実感しました。

(説明:NEC 官公インテグレーション統括部 和田 拓也)

(説明:NEC 官公インテグレーション統括部 阿部 安倫)
ミニセミナー
10月9日には、これらの内容を「簡単なのに効率的!生成AI&MCPによるクラウド運用高度化のご提案」と題して、デモを交えたミニセミナー形式でご紹介しました。こちらも多くの方に足を止めてご覧いただき、誠にありがとうございました。



さいごに
J-LISフェア2025では、NEC含め各社ブースで昨年以上に多様なサービスやDXに向けた展示をしていました。一方でこれからガバメントクラウド上での業務が開始され、運用が始まることに向けて情報収集をされている自治体職員やベンダの方もいらっしゃいました。今年度から来年度にかけて、クラウド運用がより現実的なものとなっていくと思います。
NECでは、引き続きガバメントクラウドおよびクラウドに関するトータルサポートをご提供できます。クラウド検討だけでなくクラウド運用の良きパートナーとして、ぜひNECにお気軽にご相談ください!
公開日 2025/11/13
本コラム内容は公開日の時点の情報を基に記載しています。

執筆者紹介
堀田 佳宏(ほった よしひろ)
NEC
パブリックビジネスユニット
官公ソリューション事業部門
官公インテグレーション統括部
上席プロフェッショナル
2025 Japan AWS Ambassadors
2025 Japan AWS Top Engineers(Services)
学生時代に見た「serial experiments lain」に感銘を受け、ネットワークエンジニアを夢見て上京。民需、金融、官公庁・自治体のネットワークを中心としたプラットフォーム領域のシステムインテグレーションに従事。プラットフォームシステムインテグレーションの魅力にハマる。2017年より官公庁領域でのクラウド技術検討を開始。官公庁領域におけるクラウド移行の提案や技術支援、情報集約を行うチーム Cloud Architect Team(CAT)を立ち上げ活動中。クラウド移行の提案や技術支援、情報集約から得られた知見を活用したクラウド関連サービス企画も実施中。趣味はDIY、ビリヤード。学生時代にやっていたライフル射撃(エアライフル)を再開する機会をうかがう日々を送る。
