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生成AIでみどりの窓口の顧客体験を創出 NECとJR東日本が目指す駅サービスの進化

「こんにちは。本日はどのようなご用件でしょうか?」
夏休みシーズンを控えた7月、JR立川駅(東京都)のみどりの窓口に、ふだんは見慣れないブースが設置されていました。ブースの中にはマイクと大きなタッチパネル。ここで行われているのは、JR東日本とNECによる「みどりの窓口AI対応サービス(仮称)」の実証実験です。お客さまと対話するのは、窓口係員ではなく生成AI。お客さまと窓口係員の双方に新たな価値をもたらすサービスの実現に向け、生成AIを活用した取り組みが進められています。

「センダイ」に行きたい! 第一線で役立つAIづくり

行き先までどの経路がいいのか、どんな割引が使えるのか──等々、みどりの窓口には日々さまざまな相談が寄せられます。今回の実証実験では、きっぷの購入に必要な情報をお客さまとの対話を通じて整理する業務に生成AIを活用しました。

まず、お客さまが購入したいきっぷの希望を伝えます。例えば「〇〇駅までのきっぷを買いたい」といった要望に対し、生成AIが会話を通じて利用区間や乗車日、利用人数、割引の有無などを確認します。その後、整理された内容をもとに窓口係員が発券手続きを行います。生成AIが係員の業務を支援することで、お客さまの待ち時間の短縮や係員の負担軽減などにつなげることを目指しています。

音声を認識して情報を整理する、と聞くと単純な仕組みのようですが、お客さまが使いやすいようNECは開発段階からさまざまな工夫を重ねてきました。画面表示や操作方法、係員への内容の連携方法だけでなく、対話時の細かな言葉遣いに至るまで、実際の業務を踏まえて丁寧なチューニングが行われています。

単純な音声認識だけでは駅名を正確に特定できないケースもあります。例えば「福島」や「大久保」のように全国に複数存在する駅名が伝えられた場合には、候補となる駅名を画面に表示し、タッチ操作で選択できるようにしました。「センダイに行きたい」と話すと、仙台駅(宮城県)と川内駅(鹿児島県)が候補として表示され、希望する駅を選択できます。

「生成AIは便利な技術ですが、そのまま使うだけでは、お客さまが求めている答えにたどり着けないことがあります。みどりの窓口の業務に合わせて、より実際に役立つ工夫を積み重ねてきました」と、NEC 交通ソリューション統括部の長田達也は語ります。

NEC 交通ソリューション統括部 長田達也

お客さま視点と第一線で働く社員の視点の両立 NECならではの価値

今回の取り組みでは、窓口係員たちにとって使いやすい仕組みを実現することも、重要なテーマでした。

「NECはお客さま視点だけでなく、第一線で働く社員の視点も大切にしていました。窓口係員の負担を増やすことなく、お客さまと係員双方にとってより良い形を一緒に考えてくれました」。JR東日本 モビリティ本部 モビリティサービス部の渡辺良太郎さんは、こう振り返ります。

JR東日本 モビリティ本部 モビリティサービス部 渡辺良太郎さん

第一線の視点をNECが深く理解していることには、理由があります。それは、Suicaやみどりの窓口のシステムをはじめ、JR東日本の鉄道サービスを支えるさまざまなシステムに長年携わってきた歴史です。2025年には、上越新幹線における顔認証改札の実証実験でも、NECの顔認証技術が活用されました。こうした長年の連携によって培われた知見やノウハウが、今回のみどりの窓口の実証実験にも活かされています。

生成AIによって整理されたきっぷ要望を係員が手元で確認する画面

「(生成AIが)じっくり待ってくれるので話しやすい」「早いし、便利ですよね」。実証実験に参加したお客さまからは、好意的な声がいくつも聞かれました。

今回の実証実験では、生成AIとの対話を通じてスムーズにサービスを提供できることや、生成AI活用が世の中に受け入れられていること、今後への期待もうかがえました。一方で、複雑な要望への対応やより円滑な対話の実現なども求められています。

JR東日本とNECは、課題への対応や機能改善を進めるとともに、生成AIによる要望の確認から発券までを一体的に担うサービスの実現を目指していきます。

年齢やみどりの窓口の利用経験を問わず、誰もが安心して利用できる新たな顧客体験を実現するとともに、第一線で働く社員がヒトならではの価値を発揮できる駅サービスの実現へ──。着実な取り組みの積み重ねが、NECの「社会価値創造」につながっていきます。

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