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「世界基準を更新したNECのデザイン」 世界三大デザイン賞受賞

NECのデザインが、世界三大デザイン賞の一つであるレッドドット・デザイン賞2026(Red Dot Design Award 2026)で、最高賞「Best of the Best」を受賞しました。世界60以上の国・地域から2万件もの応募が集まるレッドドット・デザイン賞。
中でも「Best of the Best」は、「世界の基準を更新している」と評価された、全体の1%程度にしか与えられません。今回受賞したのは上越新幹線における実証実験で使用された顔認証ウォークスルー改札機。NECのデザインが高い評価を得ることになった背景に迫ります。

「NECらしい」三つのアプローチ

7月7日、ドイツ・エッセンで開かれたレッドドット・デザイン賞の授賞式。
世界中のデザイナーたちが集結した会場には、デザインを担当したNECコーポレートデザイン統括部の緑川寿子や佐野友優たちの顔も。壇上で緑川が代表してトロフィーを受け取りました。

「Best of the Bestは、単に「姿形が美しいプロダクト」というだけでは受賞できません。高く評価されたのは、デザインの思想と実践内容です。その中でも、特にNECだからこそできた3つの観点が評価されました」。緑川はこう振り返ります。

一つ目は、NECの顔認証技術の価値を最大化させたこと。「高精度の顔認証技術を搭載するだけでなく、すべての利用者がストレスなく自然に使えるよう光や音なども含めた心地のよい通行体験を追求しました」
二つ目は「人間中心設計」の実践。「デザイナーは、利用者の一番の味方でなくてはならない。その考えのもと、開発の初期段階から参画し、利用者の体験を起点にデザインを進めました」。
三つ目は、「サステナブル」。廃棄物や工事期間の削減に向けて、顔認証を搭載した筐体で既存の改札機を覆う形を採用しました。

NECの具体的な関わり方について、緑川とともにこのデザインを担当した佐野はこう語ります。「早い段階からデザイナーが関われたことが大きなポイントです。混雑緩和や改札の処理能力向上などの要望に向き合いながら、顔認証を使ったウォークスルー改札の価値や意義について、お客さまと一緒に突き詰めることができました」。

コーポレートデザイン統括部長の井手裕紀も「この取り組みには、NECらしさが詰まっています」と胸をはります。「いかに社会に溶け込むかが焦点でした。そこに、社会価値創造をPurposeに掲げるNECらしさが表れています」。

「役割」は変わっても「本質」は変わらない

「NECらしさ」を体現するために。
事業構造の変遷とともにデザインに求められる役割も変化してきました。20年以上NECのデザインに従事してきた井手は、こうひも解きます。

「私が入社したころは、パソコンや携帯電話など、製品そのものが競争力だった時代。デザインの役割は、『製品・プロダクトの魅力を他社より高めること』でした」。その後、NECの事業が「モノ」から「コト」にシフトするにつれ、デザインの役割も変わっていきます。「製品だけでなく、新しい事業や価値をデザインするステージに進化しました」といいます。

2020年以降、その役割はもう一歩先へ進みます。「デザインするのは『NECそのもの』になった」と井手はいいます。事例の一つが、2024年に誕生した価値創造モデル「BluStellar」です。 BluStellarは、AIやサイバーセキュリティ、生体認証などの先進技術を組み合わせ、お客さまや社会のAX(AIトランスフォーメーション)を支援。NECの成長戦略の中核を担うブランドです。コーポレートデザイン統括部は、「BluStellarとはそもそも何なのか」「どんな価値を届けることができるのか」という定義づけから参画。イベントや営業資料準備にも主体的にかかわってきました。

そもそも、NECが貢献しているのはITサービスや社会インフラなど、暮らしを支えつつも目に見えにくい領域です。社会にどんな変化をもたらすのか。誰のための技術なのか。「NECの社会価値を伝わるように変換すること」。これがデザインの本質だと井手は表現します。

NECのデザインで「社会価値を創造」

NECの組織としてもデザインは発展し、プロダクトやサービスのデザイナーだけでなく、コミュニケーションやプロモーション領域のデザイナーも加わり多様なメンバーで構成されています。

緑川とともに働く佐野は「一人では成し得ないほど大きなスケールのデザインに携わることができる。これがNECのデザイナーとして働く魅力です」といいます。「幅広い領域に挑戦しながら社会を変える仕事ができる」。今回の受賞はNECのデザインによる社会価値創造の一つです。

「NEC」と「デザイン」。
この二つは、社会価値を創造するという一点で、これまでも、これからもつながっています。緑川はこう語ります。

「何のために使われるのか、どんな価値を届けるのか。これを考え抜くのがデザイナーの役割です。暮らしを支えるデザインは、時に目立たないこともあります。でも“空気のような存在”であることは、デザインの理想形のひとつだと考えています」

井手は言います。「NECのデザインとは、社会をデザインすること」。その先にまた、新たな世界基準をつくりだすデザインが生まれていくはずです。

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