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新幹線ウォークスルー顔認証改札
「当たり前を超える」NECとJR東日本
2026年1月22日

Suicaや切符を取り出さなくても、歩いて通過できるウォークスルー改札。荷物の多い新幹線客にも便利なこの取り組みに、NECの顔認証改札機が活用されています。それが、上越新幹線の新潟―長岡駅間の顔認証改札機の実証実験で、新幹線としては全国で初めての取り組みです。NECがJR東日本とJR東日本メカトロニクスとともに見据えるのは、まず新幹線利用客の利便性向上なのはもちろん、その先の「当たり前を超える」未来です。

「認証精度が最も高い」 NECを選んだワケ
NECの顔認証改札機があるのは新潟駅。白と黒を基調としたシンプルなデザインで、既存の改札機の上に被せることでスペースを有効活用できるのが特長です。一見すると通常の改札と大差ないようにみえますが、実はフラッパーゲートがありません。両側から出入りできるようにカメラを双方に設置しています。
「フラッパーなし」だと、フラッパーゲートよりも通過スピードが速くなることが期待できます。混雑時や急いでいるお客さまにとってもストレスが減ることになり、海外では多く導入されています。メンテナンスが簡単などのメリットもあるため、 検討時からJR東日本より提案されていました。

今回の実証実験は2025年11月から2026年3月までの約5か月間実施。上越新幹線の新潟―長岡駅間の定期券利用者約500人を対象に、顔認証を利用してウォークスルー改札を実験しています。NECは新潟駅の顔認証改札機に加え、顔登録システムも提供しています。

顔認証改札機の実証実験は各鉄道会社で先例があるものの、新幹線では全国初。JR東日本にとっては新たな挑戦でした。背景にあるのはJR東日本が2024年12月に「Suicaの当たり前を超える」として発表した「Suica Renaissance」。Suicaの機能を順次アップグレードする方針を示しており、ウォークスルー改札もその一つ。「改札はタッチするという当たり前を超える」ことを目指して検討しています。「特に新幹線ではたくさんの荷物を持ったお客様や切符を複数枚持っているお客様が多い」とJR東日本の新幹線統括本部ユニットリーダー恩田義行さん。利便性の向上を感じてもらうには新幹線改札はうってつけ、というわけです。
実証実験の仲間にNECを選んだのは「やはり最も顔認証の精度が高いと評判を聞くことが多かったため」と恩田さんは言います。現在のSuicaタッチと同等の通過スピードと認証率を実現するために、世界No.1の認証精度(※)を有するNECの顔認証技術は重要な役割を果たしています。
さらに今回のチャレンジのポイントとなったが「フラッパーゲートがない」こと。そして改札機のデザインへの「未来感がありスマートで、かつオペレーションに変化がなく日常にもなじむデザイン」という期待です。
「明日からでも使える形」今と、未来をつなぐ
顔認証技術の実装では多くの実績をもつNECにとっても、今回の取り組みは挑戦でした。

改札はフラッパーと呼ばれる簡易的なドアで物理的に動きを制御するものが主流でしたが、今回は、フラッパーなし。「新しい通過体験をどうつくり上げるかが大きな課題でした」とNEC交通ソリューション統括部の柳生瑞希は話します。
物理的なフラッパーなしで、通行者の顔が認証されて「通行OK」なのか、はたまた「通行NG」なのか、分かりやすく伝える仕様がポイントとなります。NECの取り組みとしても前例がないため、営業のメンバーだけでなくエンジニアやデザイナーも交えて、ゼロから検討しました。その結果、OKならゲートの天面に「進んでください」、NGなら「通れません 戻ってください」と表示されて音がなる仕組みとなり「音や光でスムーズに伝えられる仕上がりになったと思います」と柳生は自信をのぞかせます。


デザインのリクエストにもNEC一丸となって取り組み、その答えが、従来の改札機にかぶせる形です。今後、従来の改札機からリプレイスする際に効率の良いデザインです。柳生は「明日からでも使いたいと思える形にした」と話し、実用性を重視した形にこだわったといいます。

もともとNECとJR東日本は通信インフラの分野で長い協力の歴史があり、Suicaについても2001年の立ち上げ時からNECはプロジェクトに参画。決済やサーバー機能をともに開発して今に至っており、JR東日本の恩田さんは「SuicaのことをよくわかっているNECへの信頼がベースにあるので、今回もNECなら形にしてくれるという安心感がありました」と振り返ります。
実証実験の先には、顔認証による決済が改札以外の買い物でも使える姿を見据えています。例えばコンビニ、駅ビルの売店などイメージは広がります。改札の利便性の向上はもちろん、日常の買い物でも「当たり前を超えていく」ために。JR東日本が目指す未来社会の実現には、NECがPurpose(存在意義)に掲げる社会価値創造が必ず役に立ちます。その未来は、すぐそこまできています。
- (※)米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテストでこれまでにNo.1を複数回獲得。NISTによる評価結果は米国政府による特定のシステム、製品、サービス、企業を推奨するものではありません。
https://jpn.nec.com/biometrics/evaluation/index.html