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NECグループ“社内で転職”拡大中 「自らキャリアを選択する」社員と会社双方が互いに“選び・選ばれる”NECを創る

転職希望者が1000万人を超え、人材の流動化の勢いは止まりません。「選ばれる会社」をめざすNECは最大の経営資源を「人」と位置付け、社員一人ひとりが主体的に考えて挑戦できる環境づくりを進めています。その一つが「NEC Growth Careers」(NGC)と呼ばれる制度。社員と社内ポジションのマッチングをはかり、会社主導の人事異動ではなく、社員が自ら「社内求人」に応募することができます。NGC利用者は増え続け、グループ会社間の公募も始まるなど、制度は拡大しています。NECの取り組みと自らキャリアを「選ぶ」社員の姿をご紹介します。

「AIの領域でキャリアを切り拓きたい」 入社20年でジョブチェンジに挑戦

「今までと別の軸を作りたい」と漠然と思いつつ「異動経験がないまま、同じ仕事を続けていたたら、幅が広がらず、将来通用しなくなるのではないか」。
新しい世界を想像するとき頭によぎりがちなこのフレーズは、歳を重ねるほどに強まるもの。数年前、NECの営業で20年近くのキャリアを積んだ筒井宏は考えていました。

2005年にNECに新卒で入社した筒井の最初の配属先は金融部門の営業。赴任先の京都では新人一人だけという環境で、年の離れた先輩に囲まれて身についたのは「どんな環境にでも適応する力ですかね」と振り返ります。大阪、東京と勤務地も変わり、担当する企業のスケールも大きくなると、裁量も広がり仕事が充実。目標とする上司から刺激を受け、「仕事の幅や視野を広げたい」と思い始めました。

「社外の転職エージェントに相談したこともあるんです」と筒井は打ち明けます。当時、職務経歴書を書いて自分のキャリアを見つめ直しても今と同じこと以外では通用しそうな強みを発見できないまま「だったら今のままでいいか」。そう思った頃に転機が訪れます。

それは生成AI案件との関わりでした。「今まで味わったことないぐらい目まぐるしく状況が変わるんです。最先端の技術ってこういうことかと」。そのスピード感に強く魅かれただけでなく、「この領域なら関われるビジネスの範囲が広がる」と発見しました。

自らキャリアデザイン 社内だから思いきって行動できた

「NECの中でやりたいことに関われる機会があるのに、挑戦しないのは勿体ない」と、NGCを使うことを決断。2025年1月に、BluStellarビジネス開発統括部に異動しました。テクノロジーの最適な組み合わせや成功事例など、NECが持つ実践知を集約してお客さまにお届けする「BluStellar Scenario」の強化を担当しています。そこでは「異動というより転職だな」と思うほどに向き合うお客さまは大きく変わりました。一方でお客さま目線を徹底して、NECのもつ価値をわかりやすく伝える、という意味では今までと共通する部分もあります。フットワークの軽さやお客さまや同僚とのコミュニケーション能力も、新たに発見した自身の強みではありました。「これまでの職場での経験があるから今の自分がある」と筒井は再認識しました。

今が入社20年、社会人としてのほぼ折り返し地点。NECの強みであるAIの分野で社会価値創造に挑むのは勇気のいる決断でした。「自分でキャリアデザインできるチャンスがある環境はありがたい。ここで挑戦しなかったら、きっと後悔していたと思います」。

NECグループ間に拡大 企業文化もじわり変化

NGCのような制度は、社員にとって「社外転職よりリスクを抑えつつ自らキャリアデザインできる」という魅力があるだけでなく、企業にとっては人材流出をおさえ組織を強くするメリットがあるとして、採用する企業は増えています。

募集するポジションや時期が限定されていた社内公募制度を大幅に拡充する形で2019年に本格スタートしたNGCは、通年型で募集ポジションの公開も選考も随時行われるのが特徴。職務経歴書を登録している社員へのスカウトも可能になっています。もともとはカルチャー変革のために立ち上がった社内有志プロジェクトから提案という「ボトムアップ型」で実現。NGCを利用した異動者は増加しています。2019年度には196人だったのが2024年度には410人にまで拡大しています。NECグループ会社の間での異動を対象にした公募もスタートし、今年中にNECを含むグループ7社間に広がります。筒井のように部門をまたいだ異動が8割を超えるのも特徴で、職種転換も6割近くにのぼります。

募集する側の意識も変わってきました。新しいプロジェクトを立ち上げる時、かつては既存メンバーで融通することにとらわれがちでしたが、今ではNGCを活用して必要な人材を採用することが当たり前の発想に。戦略上必要なポジションにスピード感をもって人材を配置できる「適時適所適材」を実現できること、これが組織を強くしてNECという企業価値を高めることにつながっていきます。

NGC拡大の背景には「単に制度の整備というだけでなく、NECのカルチャー変革の取り組みで社員の意識が変わってきたことも原動力になっていると思います」と話すのはNECの人材組織開発統括部でキャリア自律をリードする小野田千紗。NECは2018年から人事制度に加え働き方、コミュニケーション改革も通じた「人・カルチャーの変革」を進めてきました。そうした一体的な取り組みの一つとしてのNGCが、いまNECがPurpose(存在意義)に掲げる社会価値創造に向けて着実な布石として広がっています。

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