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高城 真弓のコラム
「IoT・ビッグデータ・AIの活用とは何か?」
NEC AI・アナリティクス事業部
高城 真弓
2018年1月25日

IoT・ビッグデータ・AIと聞くと難しそうな印象を受ける方が多いかと思いますが、IoT・ビッグデータ・AIがどのように活用できるか?ではなく、最終ゴールに向けて、IoT・ビッグデータ・AIというツールのどれを活用できるか?という考え方だと思うと、そう難しく感じないと思います。
私は、NEC the WISE(NECのAI技術群)の中でも、特にインバリアント分析を活用した火力発電等の発電事業や製造業、化学業、航空業等のデータ活用案件に携わっています。データ分析も実施しますが、データ分析者への指示・支援等の統括を含むお客様への提案から報告、システムの導入から運用の支援、その他、データ分析者を目指す方や関連部署の方への教育を実施しています。
広く様々な業務を担当させていただいていますが、私は大学時代、特に数学や統計等を学んでいたわけではなく、情報科を卒業しNECソリューションイノベータ(旧NECソフトウェア)に入社しました。最初の1,2年ほどは開発案件に投入されていましたが、上司から「算数は好きか?」という質問を投げかけられ「好きな方です」と答えたことで、IoT・ビッグデータ・AIを扱う案件に投入されることとなりました。最初は統計に関する知識もほぼなく、使用するAI技術のマニュアルを確認したり、必要な場合には基礎的な統計技術について検索したりすることもありました。しかし、結果的には、見るよりも、実際に案件を遂行する中で、お客様の実施したいこと等の要望を聞いたり会話すること、お客様業種のノウハウを知ること、そこで活用できそうな基礎的な統計技術やAI技術の内容を考えることで、より詳しくIoT・ビッグデータ・AIについて知ることができたと思っています。
分析観点ですと、このAI技術はどのカテゴリに分類されるもので、そのためどのように活用してどのような案件に提案できるか、という流れで考えがちですが、そうではありません。お客様が何を目指していて、どのようにすればメリットがあり、そのためにはどのようなステップで進めるべきで、だからどの部分にどのAIが活用できそう、という考え方が正しいと思っています。IoT・ビッグデータ・AIの分野の進展のための研究はもちろん必要で、それらの活用のための提案は、それはそれで必要です。しかし、企業としては、最終的に目指す場所、お客様のメリットというゴールを考えたうえで、ツールとしてIoT・ビッグデータ・AIを活用すべきです。コンサルタント等、提案活動を主に実施されている方には当たり前の話ですが、IoT・ビッグデータ・AIはあくまでゴール達成のためのツールです。IoT・ビッグデータ・AIというツールに、お客様の業種ノウハウ等を組み合わせて、一緒に育て、システムとして使えるものにしていくのです。
IoT・ビッグデータ・AIという分野は難しそう、高度で大変そう、と思ってらっしゃる方が多いように感じますが、通常の開発案件とツールや進め方が異なるだけで、さほど変わらないか、少しゴール設定のためのコンサル要素がはいる、程度の違いなのです。開発案件も他の案件も、IoT・ビッグデータ・AI案件も、大切なことは、ゴールやメリットの設定、どう見せるか分析するか、どんな技術(ツール)を組み合わせるか、そして結果をどのようにとらえて活用するか、です。データ分析者になりたい方は、基本的な統計技術等の知識が必要となりますが、このように他にも必要なスキルがあります。
最近では、囲碁や将棋、スピーカー等、IoT・ビッグデータ・AIの活用が話題になっていますが、その他にもIoT・ビッグデータ・AIというツールを活用したシステムはすでに身近に多く溢れています。これからも、人の作業を支援し、新たな価値を生み出せるもの、社会的な技術力のステップアップができるものを作り、より便利で高度化した社会を創造できるよう、さらにみなさまと共に協力していきたいと思っています。
まずは、何をしてみたいとか、会社からIoT・ビッグデータ・AIを活用するように言われたけどどうしようとか、とりあえずIoT・ビッグデータ・AIについて聞いてみたいとか、何でも気軽にご相談いただければと思います!