NEC、産業制御システム向けセキュリティアセスメントサービスと不正アクセス対策製品を販売開始
~GEデジタルとの提携によるIT・OT領域のサイバーセキュリティを強化~
2018年1月15日
日本電気株式会社
NECは、GEデジタル社(本社:米国カリフォルニア州、CEO:ビル・ルー、以下GE)との提携(注1)により、電力、ガス、水道、交通などの社会インフラや製造業などの工場における産業制御システム向けの「OT(Operation Technology)セキュリティ・アセスメントサービス」と産業制御システム特有の通信に対応したGEの不正アクセス対策製品「OTセキュリティ・アプライアンスOpShield(オプシールド)」を本日から販売開始します。
本サービス・製品は、社会インフラや工場の施設内の潜在的なセキュリティリスクを国際標準指標に基づき評価、NECの様々なソリューションを組み合わせたセキュリティ改善・強化提案を行うことで、セキュアな産業制御システム環境を実現します。
NECは2016年10月、デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)の加速に向けて、GEとIoT分野において包括的な提携を締結し、日本企業向けIoTソリューションの開発・導入・保守サポートをトータルに提供する体制を構築しました。今回は、提供発表時に掲げた「IT・OTサイバーセキュリティ領域のソリューション開発」を具体化したものです。
NECは、今後もセキュリティソリューションを強化し、ITからOT、IoTまでトータルなセキュリティ対策を提供することで、企業・組織の安全・安心な基盤づくりに貢献します。
背景
IoTの普及とともに、生産性の向上や保守・メンテナンスの効率化、新たな価値創造のために産業制御システムをネットワークに接続した運用が増えています。一方、近年ランサムウェアや脆弱性を悪用した不正アクセスなどによるサイバー攻撃被害が多発しており、今後日本国内ではサイバー攻撃が激増することが予想されています。電力、ガス、水道、交通などをはじめとする社会インフラや製造業などの工場における産業制御システムは、これまでインターネットや業務系システムと分離した環境で運用されており、脆弱性への対処やシステムのアップデートなどが適切に管理できていないケースが多く、サイバー攻撃の被害に遭うリスクが高まっています。
社会インフラや工場などの産業制御システムが、サイバー攻撃被害に遭うと、業務停止によるビジネス損失だけではなく国民生活に大きな影響を及ぼすことから、事業継続性を高めるために、ITセキュリティに加えて産業制御システム向けセキュリティの重要性が高まっています。
価格、販売目標
サービス・製品名称 | 価格 |
---|---|
OTセキュリティ・アセスメントサービス | 個別見積 |
OTセキュリティ・アプライアンス OpShield | 500万円~(注2) |
- 販売目標:今後3年間で100システム
新サービス・製品の特長
- 「OTセキュリティ・アセスメントサービス」
産業制御システムが稼働している施設に専任チームが赴き、現地で担当者へヒアリング・調査を行い、施設・システムの構成やシステム内で使われている機器・センサーおよびそれらの運用体制などに関し、産業制御システムのセキュリティ国際標準指標(注3)に基づいて総合的に評価を行います。これまでNECが提供してきた制御系セキュリティアセスメントサービス(注4)のノウハウとGEのノウハウをもとに、評価結果からリスク洗い出し、セキュリティポリシーの見直しや今後のセキュリティ強化提案、インシデント発生に備えた運用体制構築を支援します。 - 「OTセキュリティ・アプライアンスOpShield」
産業制御システム特有の通信(プロトコルやパラメータなど)に対応した「OpShield」の提供を開始します。産業制御システムネットワーク内に流れる通信を監視し、サイバー攻撃特有の不審な動作を検知・遮断することで、産業制御システムのセキュアな運用を確保します。
NECは、本サービス・製品に加え、これまで提供しているサイバーセキュリティ対策の様々なソリューションやエッジゲートウェイ(注5)、SDNなど、これからのOT/IoTシステムに必要なアセットを組み合わせて提供することで、セキュアな社会インフラ・工場を実現していきます。
また、今後も産業制御システムのセキュリティ強化を実現する製品・サービスを拡充してまいります。
NECは本ソリューションを、「第2回 スマート工場 EXPO」(会期:1/17(水)~1/19(金)、会場:東京ビッグサイト(東京都江東区))に出展します。
なお、今回の発表にあたり、GEより以下のエンドースメントを頂いております。
多くの産業制御システムがネットワークに接続され、リモートアクセスが可能になることで、企業は自社のリスクレベルについてより深く理解する必要に迫られます。お客様のリスクプロファイル理解とOTセキュリティ戦略の明確化を支援するNECのOTセキュリティ・アセスメントサービスの開始は、産業用インターネットの安全性を高める上で重要なステップです。
私達は引き続き、NECとの協業をより強固なものとし、お客様へのよりよいアウトカムのご提供に邁進していきます。
GEデジタル
チーフ・エコシステム・チャネル・オフィサー
キャロリー・ガーハート
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1)2016年10月26日NECとGE、IoT分野で包括的な提携
http://jpn.nec.com/press/201610/20161026_01.html - (注2)最小構成の場合
- (注3)IEC 62443, NIST SP800-53, DHS-CSPLなど
- (注4)2015年8月17日NEC、制御系セキュリティコンサルティングサービスを開始
http://jpn.nec.com/press/201508/20150817_02.html - (注5)2016年10月31日 NEC、データの分散処理でクラウド連携を効率化するIoTデータ収集基盤「エッジゲートウェイ」を開発
http://jpn.nec.com/press/201610/20161031_03.html
新ソリューションに関する情報
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC ビジネスクリエイション本部
E-Mail:info@security.jp.nec.com
NECは、社会ソリューション事業を推進する
ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」のもと、
今後の世界の大きな変化(メガトレンド)に対応する
様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
詳細はこちらをご覧ください。
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