NEC、沖縄プロ野球キャンプの放送映像を用いてSDNを活用したIoT向けネットワーク制御の実証実験を実施
2017年3月14日
日本電気株式会社
NECは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と共同で、沖縄プロ野球キャンプの放送映像(注1)を用いて、映像伝送装置や映像カメラなどのIoT(Internet of Things)端末に紐づいた属性情報やネットワークの通信(トラフィック)量に応じて、適切なネットワークを動的に構築・活用する実証実験を実施しました。本実験は、2017年2月24日から26日にかけてNICTの提供する研究・開発用ネットワーク(テストベッド) JGN 、RISE(注2)を活用して行いました。
実証実験では、NICTが保有しているVPNルータ、SDNコントローラやSDNスイッチを東京と沖縄に配置したネットワーク環境を利用しました。この環境に対して、NECは「IoTサービスイネーブラ(注3)」を提供しています。
SDNは、物理的には1つのネットワークを仮想的に複数のネットワークに分割することや、トラフィックを各ネットワークに振り分けることができます。また、IoTサービスイネーブラは、ネットワークのトラフィックの状況を把握するとともに、状況に合わせて、適切な機能を持ったネットワークにトラフィックを振り分ける基準を動的に変更することができます。
これらを組み合わせることで、サービスの要件に応じて通信帯域やネットワークの処理能力などのリソースを効率的に活用することができ、サービス品質の向上やネットワークの運用コストの低減を実現します。
実験ではプラチナ、ゴールド、シルバーの3つの属性情報とトラフィック状況をリアルタイムに監視しています。通信帯域や処理能力などが異なる複数の仮想ネットワークの構築・展開をすることで、沖縄プロ野球キャンプの放送映像を、属性情報とトラフィック状況に合わせて適切な仮想ネットワークに振り分けて伝送することに成功しました。
NECは、このたびの実証実験での実績を活かし、IoTサービスイネーブラやvCPEをはじめとした通信ソフトウェア、ネットワーク仮想化ソリューションを国内外に拡販していくことで、SDN/NFV(ネットワーク機能の仮想化)適用を推進し、通信事業者の高度な通信サービスの実現に貢献していきます。
本実証実験について情報通信研究機構 JGN運用グループ長/奈良先端科学技術大学院大学 客員教授小林和真氏から以下のコメントをいただいています。
「ネットワーク基盤の共有化は、IoTサービス普及に向けた重要な課題です。サービス毎に独立した基盤を個々に整備するのは、コストの面からも運用の面からも現実的ではありません。IoTサービスイネーブラとSDNを連携させることは、こうした課題を解決できる新しいソリューションのひとつです。刻々と変化するIoT環境に、必要に応じてサービスオリエンテッドなネットワークを構成します。JGNとRISEによる今回の実証実験により、競争力のある製品としてサービスに利用されることを期待しています。」
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1)衛星基幹放送事業など行っている株式会社GAORAより提供
- (注2)JGN:Japan Gigabit Network
NICTが提供する研究開発テストベッドネットワーク
RISE:Research Infrastructure for large-Scale network Experiments
NICTが提供する広域SDNテストベッド
SDN(Software-Defined Networking):ネットワークをソフトウェアで制御する概念 - (注3)NEC、モバイルエッジコンピューティング向け基盤を開発
http://jpn.nec.com/press/201610/20161020_02.html
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