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IR資料

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質疑応答(要約)

経営戦略説明会 2006年5月29日 主な質疑および回答

Q.1NGN(次世代ネットワーク)*について、NECの強みはどこにありますか。
A.1当社では、NGNを、「ITが組み込まれたネットワーク」であり、ITとネットワークを総合的に活用してさまざまなサービスを提供するインフラと考えています。NGNは、通信ネットワークをIPに置き換えるだけのものではありません。通信オペレータが新しいサービスを行なうためのネットワークであり、ここではIT技術を用いたサービスプラットフォームが重要な役割を果たします。

NECの強みは、アクセスネットワークからコアネットワーク、サービスプラットフォームまで総合的にソリューションを提供できるフルライン・フルレイヤでの対応力です。これに加えて、国内キャリア向けVoIPシステムで50%超、海外iモードシステムで80%近いシェアを持つなど、サービスプラットフォームでの豊富な実績があります。こうした強みを持っているベンダーは、世界でも限られていると考えます。
Q.2グローバル・ネットワーク市場での競争で、NECは勝ち残っていくことができますか。
A.2現在、世界の通信事業者は、新しいサービスによって収入を生み出すビジネスモデルを必要としています。この新しいビジネスモデルの良い例が、NTTドコモのiモードサービスです。NECは、NTTドコモの5兆円の収入のうち1兆円を稼ぎ出すiモードのプラットフォームを手がけていますが、このようなダウンすることが許されないプラットフォームを提供することができるのは高度なネットワーク技術を熟知したITベンダーであり、NECです。新サービス創造という考えを持ったベンダーは他になく、当社には大きなチャンスがあります。
Q.3NGNの売上規模をどのように予想していますか。
A.3キャリア向け事業は中期的に1兆円を目指す計画です。現状の約7,000億円のうち、NGN関連はまだあまり大きくありませんが、中期的には1兆円のうち、30%~40%はNGNにしたいと考えています。
Q.4アクセス系について、WiFi、WiMAX*への取り組みを教えて下さい。
A.4WiFiについては、企業向けソリューションを中心として注力しています。NEC本社ビル内でも、WiFiを用いて携帯電話機がそのまま社内電話として使 用できる環境を実現しています。一方、WiMAXは将来をにらんでいろいろな使い方が考えられますが、まだ通信事業者によってニーズや考え方が異なりま す。当社は商品開発を進め、通信事業者への提案を目指しています。
Q.5WiFi、WiMAXなどの登場によって通信事業者の収益構造が変わると思いますが、NECのビジネスモデルはどう変化しますか。
A.5110番が繋がる、国家機密の必要な回線を担保するなどのインフラ、つまり安心安全なネットワークはお年寄りや子供たちなどさまざまなユーザに不可欠なも のです。通信事業者は、これらのインフラによってどのようなサービスを提供できるかが、従来のインターネットと競争する上での課題として抱えています。た だ、今のインターネットはいつでもどこでもつながるものではないため、通信事業者がNGNで提供するFMC(固定電話と移動電話の一体化)*は大きなメ リットがあります。また、トリプルプレイ(音声、データ、映像を1つの回線で提供する新サービス)の分野でも、品質が保証されたネットワークでなければな らないため、インターネットとの競争で負けることはありません。NECは、従来のインターネットとNGNの両方に対応できるソリューション作りを進めてい ます
Q.6モバイルインフラ事業の成長は、いつまで続く見通しですか。
A.6現在の国内モバイルインフラ事業に限れば徐々に減少していく見通しです。ただし、これはモバイルと固定の境界線がなくなるFMCに変化する、とも捉えられ ます。重要な点は、国内だけでなく海外も伸ばしていくという点です。すでに、モバイルインフラ事業は海外向けが売上、利益両面で充分な貢献をしています が、今後もインフラとサービスプラットフォームのどちらもビジネスを拡大するチャンスが十分にあります。キャリア向け事業の売上目標1兆円には、モバイル インフラの伸長も含まれており、海外で事業拡大をはかっていきます。
Q.7ネットワーク事業は、現状ではハードウェア中心の事業ですが、今後はITのようにソフト/サービスを中心とした収益モデルになりますか。
A.7長期的にはITと同様のビジネスモデルになるため、今のうちにソフト/サービスを伸ばすことが重要だと考えています。一方、特にミッションクリティカルな システム(社会の極めて重要な役割を担う、大規模、高信頼のシステム)を必要とするお客様からはNECのハードウェアやソフトウェアなどのプラットフォー ムに対して高い期待が寄せられていますが、NECはこのような分野に対してはきちんと対応していきます。また、NECブランドを維持するパソコンや携帯電 話機などの製品も手がけていきます。
Q.8モバイルターミナル事業は、提携によって新市場への進出をはかる考えはありませんか。
A.8現状では、優先順位として既存分野でのシェア拡大が第一です。事業環境が変化する中で、NECとして強い製品を作ることが最優先と考えています。
Q.9子会社戦略で、上場や完全子会社化を行う計画はありますか。また、NECエレクトロニクスの位置づけを教えて下さい。
A.9子会社戦略の大枠は固まっており、現状では大きな検討事項はありません。また、NECエレクトロニクスについては、NECの半導体事業として捉えています。EMMA*などNECの技術が活きた製品が伸び始めており、今後さらに協力して伸ばしていきます。
Q.10社長就任後の新体制について説明して下さい。NECは、かつて「C&C(通信とコンピュータの融合)」のコンセプトを打ち出していましたが、組織レベルでは「CorC」となっていませんでしょうか。
A.102006年4月にキャリアネットワークBU(ビジネスユニット)を新設しましたが、これは従来、サービスプラットフォームやネットワークOSを担当していた部隊を、固定やモバイルのトランスポートを担当している部隊と一緒にしたものです。これによって、個々のコンポーネントではなく、NGN全体として価値を生み出すための組織としました。
さらに、旧業種ソリューションBUを顧客別に2つに分けました。すなわち、ITとネットワークの融合した基幹システムを手がける企業ソリューションBU、それから大規模オープン・ミッション・クリティカル・システムをキャリア向けだけではなく、官庁や金融などへの展開を狙っていく官庁・公共・金融・通信ソリューションBUです。これらによって、C&Cの体制づくりを着実に進めています。

*「用語解説(PDF)」の解説文をご覧ください。