質疑応答(要約)
2006年3月期 通期決算説明会 主な質疑および回答
- Q.1子会社の従業員による架空取引の計上があったため過年度業績をリステート(修正再表示)したとのことですが、具体的にどのような金額的影響がありますか。
- A.1プレゼンテーション資料21ページに、リステートによるセグメント別の影響額をまとめていますので、これを参考にして下さい。
- Q.2リステートによって開発費の処理に影響があったようですが、開発費の会計処理について何か変更がありましたか。
- A.2
開発費についての会計基準は変わっていません。会計上の基準では、「技術的な可能性が確立されるまで」の費用を開発費として、 その後に発生する費用を資産として計上しています。技術的な可能性が確立される時期については、製品ごとに技術の変化などを考慮して、常に実務上の判断基 準(時期)の見直しを行っています。
米国会計基準においては、過去との比較が可能になるように、リステート時点(06/3時点)での決算の前提や会計処理を過去の 財務諸表に反映しなければなりません。したがって、現時点と比較して前提が異なる部分や会計処理の差異部分を修正します。これにより、開発費の処理につい ても現時点の考え方にあわせて修正を行いました。
なお、子会社の架空取引の修正は誤りの修正です。その他のリステート項目は、米国会計基準に基づき比較可能性を担保する措置であり、過去の決算は誤っているものではありません。
- Q.3今年度(06年度)の業績予想は、リステートによる影響を受けていますか。
- A.3「リステート」は、過年度の業績について報告数値の修正を行うものです。今回のリステートは、当該年度(05年度)の会計処理方法に基づき04年度以前の業績の修正を行うものであり、今年度の業績予想には影響ありません。
- Q.405年度のSI/サービスの営業利益が計画よりも下振れた原因は何ですか。
- A.4SI/サービスは計画に対し約130億円下振れました。これは、オープン化の進展に伴い保守関連の収益が悪化したことと、SI事業において外注費削減において一定の効果を達成したものの、目標金額に対しては未達となったことが主な原因です。
- Q.5今年度のモバイルターミナルの国内外別の損益計画のイメージを教えて下さい。
- A.5モバイルターミナル全体としては、赤字幅を縮小させる予定です。国内は競争激化によって収益性の低下を見込んでいますが、海外は前年度の中国の在庫適正化費用がなくなることや欧州での事業縮小などにより赤字は前年度比で半減する見込みです。
- Q.6パソコン事業は今年度もまだ若干の赤字の見込みですが、どのように見ていますか。
- A.6海外で若干厳しいと見ています。国内のパソコン事業は変動費、固定費それぞれを削減し、為替で多少の変動があっても利益を出せるような構造にしていく考えです。
- Q.7為替のインパクトについて教えて下さい。
- A.7ドル建ての支払いと収入がほぼ均衡しているため全社の営業損益にはほとんど影響ありませんが、セグメントごとの損益にはそれぞれプラスマイナスがありま す。例えば、05年度の円安(ドル高)の影響は、PC事業ではマイナスのインパクトを受けましたが、輸出が多いNECエレクトロニクスではプラスのインパ クトが出ました。
- Q.8年金関係費用は、株式市場の好況でどのような影響を受けますか。
- A.805年度の退職および年金費用は約700億円でしたが、06年度は1割程度減少すると見ています。
- Q.9今年度の営業外損益計画は純額で300億円の損失となる見込みですが、これが通常のレベルなのでしょうか。
- A.9前年度より株式売却が減る見込みで、これが通常のレベルであると考えています。
- Q.10今年度の設備投資計画が、前年度比190億円と増加する理由は何ですか。
- A.10NECエレクトロニクスが170億円増額の計画であり、これが主な理由です。
- Q.11今年度の研究開発費が前年比100億円増加するのはなぜですか。
- A.11携帯端末などの開発を効率化する一方で、NGN(次世代ネットワーク)関係で先行的な開発投資を増やすためです。
- Q.12配当金を6円から8円に増額した考え方を教えて下さい。
- A.1205年度の配当金は中間3円、年間6円ですが、株主の方々のご期待に沿えるよう増配したいと話してきました。06年度は、営業利益1,300億円、当期純利益500億円を計画しており、増益を見込めることから増配を予定しています。