ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. 導入事例
  3. 大阪市教育委員会様
ここから本文です。

大阪市教育委員会様

市内の全小中学校422校でネットワークを利用したICT活用授業を一斉に開始。
システム基盤と運用サポートをサービスとして利用し、
効果的な授業に向けたICTの有効活用を実現

業種 文教・科学
業務 その他業務
製品 その他
ソリューション・サービス クラウド,サービス(サポートサービス)

事例の概要

課題背景

  • 児童生徒が「自立・協働・創造に向けた学び」を進め、知識基盤社会を生き抜く力を身につけるために、良好で質の高い学びを実現する教育環境の整備が求められている
  • ICT機器の活用により、「知識・理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」「情報活用能力」を育む教育の実現を目指し、平成24年に学校教育ICT活用事業を開始。モデル校で実証研究を行い、大阪市スタンダードモデルを作成
  • 平成27年に大阪市スタンダードモデルをもとにタブレット端末等ICT機器を活用した授業(以下 ICT活用授業)を大阪市のすべての小中学校で実施することを決定

成果

ネットワーク整備環境の異なる、大阪市内の小中学校422校すべてが、ネットワークを活用したICT活用授業を同時に開始

情報漏洩事故を防ぐための十分なセキュリティを確保

「教員が安心して自信を持ってICT活用授業を行えること」の実現に向け、ICT支援員やコールセンター等、教員を支援する仕組みを確立

サーバ基盤などソフトウェア、ハードウェアはNECが保有・運用・維持し、大阪市はそれをサービスとして「利用する」プライベートクラウドの仕組みを確立

導入ソリューション

本事例に関するお問い合わせはこちらから

事例の詳細

市内の小中学校すべてでネットワークを利用したICT活用授業を一斉開始

大阪市教育委員会様(以下、大阪市様)が今回行ったプロジェクトについて教えてください。

大阪市教育委員会
首席指導主事
玄藤 一則 氏

大阪市では平成28年4月よりタブレット端末等ICT機器を活用した授業を市内の小中学校、全422校(児童生徒数16万人)で一斉に開始し、同年9月に、タブレット端末をネットワークに接続して行うICT活用授業を開始しました。NECには、このICT活用授業のシステム基盤づくりとサポート体制の確立を依頼しました。

今回のICT活用授業の全市展開は、大阪市が5年前からモデル校で取り組んでいた「学校教育ICT活用事業」の次なる段階のプロジェクトです。同事業は平成24年に開始し、平成25年から27年にかけてはモデル校でICT活用授業の実証研究を行い、それを通じてICT活用授業の「大阪市スタンダードモデル」を作成。そして平成28年よりタブレット端末等ICT機器を活用した授業を市内の全小中学校422校へ一斉展開しました。

普通教室のICT環境例

ICT活用授業の様子

書いた習字を電子黒板に映してお手本と比べる

おでんの写真の上に詩を書いて発表

ICT活用授業の全市展開を決めた経緯

大阪市様がこのたびICT活用授業の全市展開に取り組むことを決めた背景、経緯について教えてください。

大阪市教育委員会
首席指導主事
(現・教育振興担当課長)
大澤 啓司 氏

社会や経済の発展の基盤として知識がますます重要となる知識基盤社会では、基礎的な知識や技能の習得はもとより、知識や技能を活用しながら、自ら論理的に考え、個人やグループで課題を解決していく力、そして生涯にわたって学び続ける意欲を身につけておく必要があります。

大阪市ではこの前提を踏まえ、ICT機器の活用により、視覚的にもわかりやすい授業を行うとともに、児童生徒が自ら考えたことを発表したり、グループやクラスで話し合ったりする学習を充実させることで、「自分で考え判断する力」、「自分の考えを豊かに伝える力」、「最新のICT機器を活用する力」を育成することを目指し、今回の「学校教育ICT活用事業」の実施を決めました。

モデル校での実証研究を通じて、ICTは一定の成果を上げられると分かりました。それを踏まえ、このたび全市422校児童生徒16万人へのICT活用授業の一斉展開を決定した次第です。そして平成28年1月にRFP(提案依頼書)を発行して各企業に提案を求め比較検討した結果、NECを契約主体とする共同企業体の採用を決めました。

SI企業に提案を依頼した業務領域の概要

RFPの中で各企業に提案を求めた業務領域について教えてください。

RFPの中では各SI企業に「システム(図中1)」「人的サポート体制(図中2)」の2領域を確立することを求めました。なおシステムやサポートは大阪市に対する「サービス」の形での提供を希望しました。(図中4)。なお「授業支援の応用システム提案(図中3)」については具体的な要件としてではなく、「システム構築後も継続的な支援、提案を求める」趣旨で求めました。

システム領域の概要と要件

各領域について順にお伺いします。「システム領域」の概要と、これについて求めた要件を教えてください。

今回のICT活用授業支援サービスにおいて、各種システムはすべてNECのデータセンターに集中させ、これを422校のプライベートクラウド基盤として活用しています。

各学校で授業を行うとき教員のパソコンや児童生徒のタブレット端末からは、校内LANを介してプライベートクラウドにアクセスします。

システム概要は次のとおりです。

NECからの提案のコンセプト
検討テーマ 課題の視点 課題に対する提案方針
別調達機器との有機的な連動 効率
  • ICTを活用した授業を行うため、タブレット端末や無線アクセスポイント、画像転送装置、新校内LANサーバなど別途調達した機器すべてが効果的に活用できるよう、各サーバ機器、ネットワーク、アプリケーションサービスのシステム基盤を設計します。
  • 基盤の設計には都道府県や政令指定都市等の大規模ユーザでの知見を活かし安定して稼働する環境を構築します。
セキュリティ対策 安全
  • 導入する機器やソフトウェアそれぞれが有しているセキュリティ機能を多層的に活用し、強固なセキュリティを実現します。また、システムレベルでも認証基盤によるアクセス制御の実施、監査証跡の取得管理などを行います。
機器の統合管理 安心
  • 資産管理ツール、PC運用ツール 等で統合管理を行い、安定した機器の利用環境を実現します。
校内LAN環境の通信性能に左右されないサービス提供 公平
  • 授業用パソコンを「サーバ」に見立てた環境を構築し、校内LANの通信性能が出ない学校でも授業支援システムが利用できる環境を構築します。
主なシステム内容
項目 システム
授業支援
  • 授業支援、ファイルサーバ、ファイルサーバ統合管理ソフトウェア NIAS(NEC Information Assessment System)
基盤系
  • サーバ、ストレージ、ネットワーク、仮想化基盤(VMware vSphere)、仮想化基盤管理(WebSAM SigmaSystemCenter)、バックアップ、運用監視、ネットワーク統合監視、統合ログ管理(Splunk)
認証系
  • 認証基盤(ActiveDirectory)、統合ID管理
セキュリティ系
  • マルウェア対策、不正アクセス防止、ネットワーク分離、データ暗号化、不正接続検知・遮断 他
端末管理・運用
  • 資産管理、タブレット端末運用支援
インターネット系
  • コンテンツフィルタリング
パブリッククラウド
  • Skype for Business

※ タブレット端末等の機器調達および校内LANサーバの導入はNECへの依頼業務の範囲外

このプライベートクラウド構築に関して、入札に先立ち発行したRFPの中で要件として求めた項目は次のとおりです。

要件1.平成28年9月1日の実施時期に必ず間に合うこと

「平成28年9月1日(2学期の開始日)に市内422校でネットワークを活用したICT活用授業を一斉に開始できること」は絶対条件としました。授業での活用である以上「422校すべてで一斉に」が大原則であり、1校でも開始が遅れることはあってはなりません。ただし本プロジェクトの入札公示は平成28年1月、開札は同3月下旬でした。これはシステムの設計、構築に使える期間が5ヶ月しかないことを意味します。本プロジェクトを依頼するSI企業には、この短納期でも必ずプロジェクトを完遂できること、そしてそれを担保できるだけの「文教システムにおける多くの導入実績」があることを求めました。

要件2.ネットワーク環境が不十分な学校でもICT活用授業を実現できること

授業で使うタブレット端末は校内LANを介してプライベートクラウドに接続します。この校内LANは今回新設するのではなく、各校にすでに配備済みのものを活用します。この既設の校内LANの通信性能は各校でバラつきがあり、中には回線が細いなど、ネットワーク環境が十分でないところも何校かありました。 しかしICT教育は「あまねく等しく」各校に提供できなければいけません。プロジェクトを担当するSI企業には、そうした校内LANが脆弱な学校であっても、ネットワークを活用したICT活用授業を9月1日から必ず開始できるようにシステム構築することを求めました。

要件3.十分な可用性があること ~ 授業を止めないこと

授業を行っているときにネットワーク不備等により授業に支障をきたさないこと、仮にそうした事態が起きた場合でも、すぐに対処・復旧できる仕組み・体制があることを求めました。

要件4.セキュリティが十分な水準で確保できていること

当時、多くの企業・団体・学校等でサイバー攻撃や情報漏洩事故が発生していました。今回のICT活用授業支援のシステム基盤では、十分な水準のセキュリティを確保することを求めました。また教育で使うシステムなのでコンテンツフィルタリングも必須でした。

拡大するタブレットのログイン画面

以上4要件へのNECの対応ですが、まず納期必達については、大変な尽力をいただき、平成28年の2学期開始と同時に全422校で無事ICT活用授業を開始できました(※)。その後もシステムは問題なく動作しています。

セキュリティについては、ファイアウォールやマルウェア対策、ネットワーク分離、タブレット端末暗号化等、各種対策に加え、「システム内部には児童生徒の個人情報(名前、学校、学年、所属クラスなど)を保持しない」という仕組みの提案がありました。児童生徒がタブレット端末へログインするときも、個人名ではなく、「1年1組3番」のような一時的な背番号を使ってログインします。「個人情報を持たない、だから漏れない」という方式により、情報管理の安全性が担保できました。

  • 今回のプロジェクトは、平成28年9月1日の納期に間に合わせるためにNECを契約主体とするコンソーシアムの形で対応しました。実際の構築作業はNECともう1社の計2社で対応しています。

人的サポート領域の概要

「人的サポート領域」の詳しい内容を教えてください。

これは今回のプロジェクトで最も注力した点です。モデル校で3年間の実証研究を通じて、「ICT活用授業を成功させるために一番重要なのは、教員が安心してICT活用授業を行えることだ」と改めて実感しました。

授業へのICTの導入について、その効果や導入の必然性に異論はないものの、現場の教員からは「授業準備が上手くいくかどうか」「新しい手法なのでどのように授業を構成するべきか未知数」「利用方法で不明点があった場合はどうすれば良いのか」など不安の声もありました。またICTを使いこなす前提となる「ICTの習熟度」についても教員によって大きくバラつきがありました。

ICTは「良い授業のための道具」にすぎません。教員に安心してICTを使いこなしてもらうために、教員が何か疑問を持ったときにすぐ相談・質問できるような体制をつくる必要があります。そう考えて今回のICT活用授業支援プロジェクトでは、システム基盤と同様に「教員への人的サポート」の領域を重視しました。候補となった企業にはサポート体制を充実させるようRFPを通じて強く求めました。

この人的サポート領域についてはNECの提案を受けて、現在、次のような体制で実施しています。

体制1.ICT支援員による支援

ICT活用を支援する「ICT支援員」が各校での研修や授業の事前準備、授業での支援を行います。授業は教員が中心になって進めますが、ICT機器の操作方法等について、ICT支援員が授業の中で直接支援することもあります。モデル校にはタイプに応じて、週4日~2日常駐しています。モデル校以外の学校(約400校)については、1校につき年に2回程度、巡回訪問して、各校の実情に合わせて授業支援を行ったり研修を行ったりしています。ICT機器やアプリケーション等の使い方を熟知しているICT支援員は、ICT活用に不安を持つ教員、ICT活用に積極的な教員の両方にとって心強いサポート役となっています。

ICT支援員(写真左)が教員(写真右)の授業進行を支援

体制2.いつでも電話できるコールセンター

ICT活用授業のシステムやICT機器についての問い合わせ窓口として「コールセンター」を設けました。タブレット端末の使い方やネットワーク接続、機器の使い方サポートなど、どんなことでも1つの窓口に電話やメールで相談できます。コールセンター(電話)は大阪市の開庁日8時から18時まで対応。夏季休業中を含め、学校の課業中は、コールセンターもそれに合わせて開いています。いつでも相談できる電話サポート窓口があれば、422校、すべての教員が安心して授業を進められます。コールセンターにはネットワークに接続したICT活用授業を開始した9月から10月にかけては1000件程度の問い合わせがありました。その後も1日平均10件以上の問い合わせがコンスタントに続いています。

体制3.モデル校29校による周辺校へのサポート

これはNECへの依頼業務とは直接関係しない部分ですが、今回は「モデル校29校を、市内24区各区に均等に割り振る」ということも行いました。区ごとに1、2校のモデル校があれば、その近隣校の教員はモデル校に授業参観に行ったり相談したりすることが可能になります。モデル校が各地区のセンター校となるようにしました。

授業支援の応用システム提案の概要

「授業支援の応用システム提案」の内容を教えてください。

これは正確にはRFPの段階で明確に依頼した訳ではなく、5年という長期の契約期間を踏まえてNECと協議し実施を決定しました。具体的には「Skype for Buisiness によるビデオ通話」「ナレッジポータルサイト」等があります。

施策1.Skype for Businessによるビデオ通話

すべての学校にSkype for Businessを導入し、オーストラリアなど海外と遠隔ビデオ通話できるようにしました。お互いの映像を見ながら交流を深めることができます。またSkypeを活用することで、社会見学等現地に行かなくても現地の方とリアルタイムで話ができる等学習の幅が広がりました。

施策2.ナレッジポータルサイト

NECの提案により「コールセンターに寄せられる質問をFAQにまとめたもの」「各学校での教材や実践事例」などを1つのポータルサイトにまとめました。現在、このポータルサイトにはモデル校のICT活用授業の実践事例が掲載されています。また、今後も大阪市の優れた実践事例を掲載していきます。ここに蓄積された教材や実践事例は、今後の大阪市のICT活用授業を支える貴重な財産となるでしょう。

ICT活用授業の支援システムとサポートを「サービス」として活用

「システムやサポートをサービスによる提供という形にした」とは具体的には、どのようなことでしょうか。

今回のICT活用授業を支援する各種サービスでは、ハードウェア、ソフトウェアなどは、NECのデータセンターにNECの資産として保有・管理する形態をとっています。大阪市はそれらシステム基盤をプライベートクラウドと見なし、そこからICTサービスを受けるという形をとっています。

この「プライベートクラウドを通じたサービス」という形をとったのは、「ICT活用授業システムの安定性を高めたかったこと」が最大の理由です。一時は、各学校にサーバを置くという分散設置形式も検討しました。しかし、学校の建物は空調・ホコリ・入室管理などの面において、決してITシステムを保管するのに適した場所ではありません。やはりシステム基盤は一箇所に集中させ、すべてをSI企業側の管理下に置くことが安定性・可用性の確保の観点において適切と考えました。

また、利用者数や学校数の増減にも左右されないようシステムの構築・所有・維持管理はすべてSI企業側に委託し、大阪市つまり学校側は、そのシステムの利用だけを行い、その利用の対価を支払う、つまりICTサービス利用料金の形で支払う形式が、長い目で見れば合理的だと判断しました。

NECへの評価

今回のプロジェクトでのNECの仕事への評価をお聞かせください。

今回NECからは、ITハードウェア、ソフトウェアなど「システム基盤領域」に加え、教員を支援する「人的サポート領域」についても非常に充実した提案をいただきました。これは単なるIT提供企業ではなく、学校という教育の場でのICT活用について、十分な理解があり、実情を把握しているからこその提案だったと考えます。サポート内容については現場の教員からも非常に好評です。ICT活用授業支援サービスの開始後も、ナレッジポータルサイトをはじめ、積極的な提案をいただいています。

先行ユーザーからのアドバイス

現在ICT活用授業の本格導入を検討している自治体に向けて、先行ユーザーとしてのアドバイスなどあればお願いします。

アドバイスというようなことではなく、学校教育ICT活用事業を進めている中で感じていることですが、やはりICT活用授業を成功させるために最も重要なのは、システムに加えて、それを活用する教員へのサポート体制を充実させることです。つまり「コールセンターの開設やICT支援員の訪問等、授業を行う教員に安心してICTを使ってもらえるようにすること」です。ICT活用授業を行うときは、ただシステムを導入するのではなく、教員に対するサポート体制を考慮することが重要と考えます。

今後の期待

今後の展望、NECへの今後の期待をお聞かせください。

このたびのICT活用授業を支援する各種サービスの導入により、大阪市のICT教育の基盤構築はひとまず完了しました。今後はこの基盤を活用して、モデル校29校の実践事例等を、全422校に確実に広めていきたいと考えています。NECには、大阪市の学校教育ICT活用事業の深化・拡充の取り組みをシステム、人的サポート、各種提案などを通じて引き続き後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

写真左より、
総括指導主事(現・天下茶屋小学校長)村上昌志氏、玄藤一則氏、大澤啓司氏、
総括指導主事(現・次席指導主事)山口裕二氏

  • この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています
  • 取材日時 2017年3月16日

お客様プロフィール

大阪市教育委員会

所在地 大阪市北区中之島1丁目3番20号
事業内容 大阪市の大学を除く学校、及び社会教育・生涯学習施設の管理、並びに学校教育、社会教育、文化財の保護などに関する事務を担当する行政機関。学校教育のICT化にも積極的に取り組んでおり、校務支援ICT活用事業、学校教育ICT活用事業等を展開している。
URL http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/

(大阪市について)
大阪市は近畿地方の中心部に位置している大阪府の中核都市です。全24区で構成されており人口は2,709,688人(平成29年6月1日現在)。政令指定都市の人口としては全国2番目であり、西日本では最大規模です。

本事例に関するお問い合わせはこちらから

(2017年7月14日)

関連事例

Now Loading

導入事例

ページの先頭へ戻る