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2024年度「C&C賞」受賞者の決定について
~「大容量波長多重光海底ケーブルシステム開発・実用化への貢献」および「生成AIの基盤となる深層学習モデルTransformerの先駆的研究」に功績~2024年10月15日
公益財団法人NEC C&C財団
日本電気株式会社
公益財団法人NEC C&C財団(理事長:新野 隆 NEC取締役 会長、所在地:東京都港区)は、本年度の「C&C賞」受賞者1グループ3名及び1チームを決定しました。
本年度の受賞者は、大容量波長多重光海底ケーブルシステムの開発及び実用化に貢献した、元(株)KDDI研究所 秋葉 重幸博士、公立千歳科学技術大学 鈴木 正敏博士、早稲田大学 森田 逸郎博士と、生成AIの基盤となる深層学習モデルTransformerの先駆的研究に貢献した、トランスフォーマーチーム(メンバー:論文「Attention is all you need」の著者アシシュ・ヴァスワニ氏、ノーム・シェイザー氏、ニキ・パルマ氏、ヤコブ・ウスコライト氏、ライオン・オーウェン・ジョーンズ氏、エイダン・ゴメス氏、ルカシュ・カイザー氏、イリア・ポロスキン氏の8名)に決定しました。
秋葉博士と鈴木博士と森田博士は、グローバルインターネットを支える超大容量光海底ケーブルを実現した原理の発見・実証と商用化に至る先導的な研究開発業績は、現代のインターネットやスマートフォンの普及により急速に拡大した通信トラヒックを支えるグローバルブロードバンド基盤の実現に多大な貢献をしました。
トランスフォーマーチームは、それまでのニューラルネットワークを刷新する革新的なモデルTransformerの開発チームであり、自然言語処理で当時の最先端技術の限界を突破しただけでなく、マルチモーダルAIにおいて、様々なデータのシームレスな統合を可能にし、AIシステムの能力を大幅に向上させ現在多くのユーザーが活用している生成AIの基盤技術の研究に多大な貢献をしました。










「C&C賞」は1985年に創設された賞で、情報処理技術、通信技術、電子デバイス技術、およびこれらの融合する技術分野の開拓または研究、この分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動に関し、顕著な貢献のあった方に授与されるものです。「C&C賞」の受賞者には、賞状、賞牌および賞金(各グループ1,000万円)が贈られます。
表彰式典は、11月27日(水)午後3時00分からANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)において開催します。同式典では、贈呈式に続き、受賞者の記念講演が行われます。表彰式典には一般の方も参加できます。また、贈呈式と記念講演の模様をオンライン配信します。
2024年度「C&C賞」受賞者
グループA(3名)
- 氏名秋葉 重幸(あきば しげゆき)博士
元(株)KDDI研究所 代表取締役所長
- 氏名鈴木 正敏(すずき まさとし)博士
- 現職公立千歳科学技術大学 副学長・教授
早稲田大学大学院 理工学術院 客員教授
- 氏名森田 逸郎(もりた いつろう)博士
- 現職早稲田大学 理工学術院 教授
業績
大容量波長多重光海底ケーブルシステム開発・実用化への貢献
受賞理由
インターネット通信量増加に伴い、国際間通信の99%を伝送する海底ケーブルの大容量化が急務であったが、光ファイバの非線形性が長距離光海底ケーブルの大容量化を阻害していました。受賞者らは、光ファイバの波長分散制御を周期的に行うことにより、非線形光ファイバ伝送システムの高速・超大容量化を可能とする安定な手法が存在することを発見し、実証することにより、波⾧多重方式を用いた太平洋横断ケーブルの伝送容量を128倍に拡大できることに成功しました。この技術は、波長多重光の海底ケーブルの必須技術となり、総システム長20万6千kmに及ぶ光海底ケーブルに適用され、現在の大容量通信時代に必須の技術となっています。
秋葉 重幸博士、鈴木 正敏博士、森田 逸郎博士の、長距離光海底ケーブルの大容量化を実現した技術として創出した数々の研究成果は、社会にとってなくてはならない大容量通信技術の実現に貢献しました。3氏の功績は多大であり、C&C 賞の受賞者としてふさわしいと考えます。
グループB(1チーム、メンバー8名)
- チーム名トランフォーマーチーム
- メンバー論文「 Attention is all you need 」の著者8名
アシシュ・ヴァスワニ氏
CEO, Essemtial AI
ノーム・シェイザー氏
VP, Gemini Technical Co-Lead, Google Deepmind
ニキ・パルマ氏
Research scientist, essential AI, Google
ヤコブ・ウスコライト氏
Inceptive
ライオン・オーウェン・ジョーンズ氏
CTO, Sakana AI
エイダン・ゴメス氏
CEO, Cohere
ルカシュ・カイザー氏
Member of Technical Staff, OpenAI
イリア・ポロスキン氏
NEAR Protocol
業績
生成AIの基盤となる深層学習モデルTransformerの先駆的研究
受賞理由
近年、AI(Artificial Intelligence)技術は目覚ましい進化を遂げ、産業分野のみならず、社会に深く浸透しつつあります。特に、生成AIの登場は、創造性を身に付けたAIとして世界中に衝撃を与えました。2000年代に入り、第3次AIブームが到来します。機械学習が実用化され、さらに、深層学習(deep learning)が登場、CNN (Convolutional Neural Network)やRNN (Recurrent Neural Network)などのモデルを使って、画像認識、自然言語処理、音声認識など多くの分野でAIの性能が向上しました。2017年、それまでのニューラルネットワークを刷新する革新的なモデルTransformerが発表され、既存モデルを大きく上回る性能を達成しました。Transformerなくして現在のAIの発展はなかったといわれています。
Transformerは、自然言語処理で当時の最先端技術RNNやLSTMの限界を突破しただけでなく、マルチモーダルAIにおいて、様々なデータのシームレスな統合を可能にし、AIシステムの能力を大幅に向上させました。深層学習は2010年頃からAIによる革新を引き起こしましたが、Transformerはそれまでのニューラルネットワークを刷新したという意味で、第2の革新と言え、現在のTransformerを基盤技術とした生成AIの波及と社会へのインパクトは大きく、C&C賞にふさわしいと考えます。
各受賞者の業績の詳細と略歴、および当財団の活動と表彰式の概要については、別紙ならびにNEC C&C財団ウェブサイト(https://www.candc.or.jp/)をご参照ください。
以上
表彰式典(ハイブリッド開催)への参加申し込み先
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
公益財団法人NEC C&C財団 宮﨑
E-Mail:zaidan@candc.jp.nec.com

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