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分散型ID/デジタル証明書に関するビジネス共創をめざす「DID/VC共創コンソーシアム」の第1期活動報告

ルール整備分科会における第1期検討の完了と第2期の検討開始

2024年3月29日
日本電気株式会社

NECが2023年11月10日に加盟した「DID/VC共創コンソーシアム」(Decentralized Identifier / Verifiable Credential Co-Creation Consortium、会員企業数20社、以下DVCC)は、2023年10月にコンソーシアム発足と同時に設置した「ルール整備分科会」における第1期の活動報告を公表します。
なお、本コンソーシアムでは、2024年1月から新たに「ビジネス共創分科会」を設置し、ユースケースに基づいた分散型ID(Decentralized Identifier 、以下DID)とデジタル証明書(Verifiable Credential、以下VC)の有効性と実現性の検証を開始しました。

1. ルール整備分科会の概要

DVCCでは、「ルール整備分科会」を2023年10月から設置し、第1期の活動として、分科会参加企業15社でDIDとVC(以下DID/VC*1)の社会実装と普及促進を目的に、相互運用性の実現に向けた検討事項を協議してきました。

2. 第1期検討結果

DID/VCを活用したサービスを提供、または研究開発を進めている会員企業各社の仕様調査を実施し、企業横断で仕様のすり合わせが必要な領域を特定し、今後の対応方針を整理しました。
また、VCの信頼性を担保するために、各社が取得した情報をどのようにプライバシーと両立させて保持するかといった「ガバナンスの設計」、コンソーシアム内で共有可能な資源、機能についても各社意見の取り纏めを行いました。

検討結果の詳細は、下記のURLより「ルール整備分科会 第1期検討書(相互運用性に向けた検討書)」をご参照ください。
相互運用性に向けた検討書: <PDFhttps://www.tr.mufg.jp/houjin/dvcc/pdf/kentousho.pdf>

A. 相互運用性確立

DID/VCは黎明期の技術であり、W3C *2、IETF*3、OIDF*4をはじめとする国際標準化団体にて仕様が完全に統一されていない状態です。現時点で当該技術を使用したサービスを提供する際には、データの流通規格にて仕様の差異が発生し、本技術を活用したサービスの普及の課題となっています。
そこで、国際標準化団体の動向を参照しつつ、VCの発行や検証といったプロセス毎に、論点及び解決の方向性を精査しました。今後、具体的なユースケース毎に、会員企業各社で相互運用性を実現できるよう技術選定における共通基準を設定していきます。

B. ガバナンス整備

事業者がVCを証明書として受け入れるにあたり、「VCの発行元を信頼できるか」「証明された情報は失効されていないか」「なりすましではないか」といった点が重要となり、セキュリティと信頼性の担保が不可欠です。現状、VCを受け入れる事業者に求められる対応について明確な共通基準は無いため、各社の判断となっており、過剰に対応してしまう傾向もあります。
DVCCでは、ユースケース毎の業務要件に沿って、必要な基準を精査します。また、ユースケース横断で活用できる共通基準も検討していきます。

C. 資源共有

上記「B.ガバナンス整備」に関する情報をコンソーシアム内で集約することで、VCを受け入れる事業者は効率的な実装が可能となります。例えば、本人確認結果などの情報をVCとして発行する場合、証明元に対する信頼性は不可欠です。その際、証明元に対する第三者機関の適格認定が求められることがあります。特定の事業者識別子から、証明元企業の認定情報を検索できれば、会員企業全体で情報管理コストを削減できる可能性があります。今後は具体的なユースケースに沿って有効性と実現性を検討していきます。

3. 今後の活動予定

2024年1月から、ビジネス共創分科会を立上げ、複数のユースケースについて議論しています。ユースケース毎にDID/VCの有効性と実現性について検証を開始しています。
また、ルール整備分科会においても、ビジネス共創分科会で協議するユースケースに対応するワーキンググループを立上げ、第1期にて取り纏めた対応方針の精緻化を進めていきます。
本コンソーシアムは、開かれた活動を志向しており、新規ユースケースの提案も歓迎しております。興味関心がある場合は以下までご連絡ください。

DID/VC共創コンソーシアム運営委員会(dvcc_post@tr.mufg.jp)

以上

  • *1
    DID(Decentralized Identifier)分散型ID。
    VC(Verifiable Credential)検証可能なデジタル証明書。
  • *2
    W3C(World Wide Web Consortium):World Wide Web で使用される各種技術の標準化を推進するために設立された標準化団体。
  • *3
    IETF(Internet Engineering Task Force):インターネットの機能改善を目指す標準化団体。
  • *4
    OIDF(OpenID Foundation):2007 年に米国で設立された非営利の国際標準化団体。インターネット上のアイデンティティ層および API アクセス管理に関わる技術の標準化を行う。

DVCC概要

① 正式名称

DID/VC共創コンソーシアム
(Decentralized Identifier / Verifiable Credential Co-Creation Consortium)

② 設立背景・目的

DID/VCの普及による安心安全なデジタル社会の実現を目指して、参加企業8社で2023年10月から発足しました。その後12社が新たに参加し、現在は合計20社でコンソーシアムを運営しています。本コンソーシアム設立の背景および目的については、下記URLのプレスリリースをご参照ください。
分散型 ID/デジタル証明書に関するビジネスコンソーシアム「DID/VC 共創コンソーシアム」を設立:
PDFhttps://www.tr.mufg.jp/ippan/release/pdf_mutb/231010_1.pdf

ルール整備分科会 第1期

幹事:三菱 UFJ 信託銀行株式会社
事務局:株式会社NTTデータ、TOPPANデジタル株式会社
参加企業(五十音順):
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、株式会社インテック、SCSK株式会社、Digital Platformer株式会社、DataGateway Pte. Ltd.、株式会社DataSign、日本電気株式会社、株式会社博報堂キースリー、株式会社日立製作所、BIPROGY株式会社、富士通株式会社
リーガルカウンセル:アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 生体認証・映像分析統括部
E-Mail:dpf-pr@dpf.jp.nec.com

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