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NECとNTT、世界初、12コア光ファイバーによる7,000km以上の長距離伝送実験に成功

~大洋横断級光海底ケーブルの大容量化に向けて前進~

2024年3月21日
日本電気株式会社
日本電信電話株式会社

日本電気株式会社(本社:東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田隆之、以下 NEC)と日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田明、以下 NTT)は世界で初めて、標準的な外径(0.125mm)の光ファイバーに光信号の伝送路を12本設けた12コア結合型マルチコアファイバー(注1)を用いて、大洋横断級7,280kmの伝送実験に成功しました。本成果は、将来の光海底ケーブルをはじめとする大容量光ネットワークの実現に貢献する、次世代の伝送基盤技術として期待されます。

図1. シングルコアファイバー(左)と12コア結合型マルチコアファイバー(右)の断面

背景

グローバルにおける5Gの普及や分散するデータセンター間の通信増などにともない、2018年から2022年における国際インターネット通信量は年平均成長率30%で増加し(注2)、この傾向は今後も続くと予想されています。旺盛な通信需要に対応するため、光海底ケーブルの増設に加え、光海底ケーブルシステム当たりの伝送容量を増加するニーズが高まっています。
既存の光海底ケーブルには、1本のファイバー内にコアと呼ばれる光伝送路を1本設けたシングルコアファイバーが用いられています(図1左)。これに対し、ファイバーを標準的な外径から変えずに複数のコアを設けて通信容量を増やすマルチコアファイバー(図1右)を用いることで、ケーブルの大容量化をめざす研究開発が世界中で進められており、NECは現在、光伝送路を2本設けた2コアのマルチコアファイバーを用いた長距離光海底ケーブルシステムの敷設プロジェクトを手掛けています。

研究の成果

標準的な外径の光ファイバーにコアを増やしていくと、コアから漏れた光信号が隣接するコアの光信号に干渉し混信することで、お互いの通信品質が劣化するクロストークが発生します。特に長距離の伝送では、クロストークの深刻化に加え、光信号間の遅延や損失の不均一性などが原因で、送信した信号を正確に受信することが困難になります。
これらの課題に対して、NECとNTTが開発した技術は以下のとおりです。

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図2. 本成果の構成図と開発した技術

1. MIMO (Multiple Input Multiple Output)技術により受信信号の復調を実現したアルゴリズムの開発(NEC)

混信した多数の無線信号をMIMO技術により分離する処理は一般的に用いられていますが、既存の光通信で実用化されているMIMO信号処理の規模は、2つの多重光信号(2偏波多重信号)までです。5G無線通信と比べて2桁以上高速な光通信にMIMOを導入し信号を分離する場合、処理の高速化が求められます。また、多数のコアを有するマルチコアファイバーでは、光信号がさらに多重化されるため、より大規模な信号処理が必要となります。さらに、長距離伝送ではクロストークがランダムに発生するという課題もあり、対応が必要です。今回、NECは長距離伝送に対応したアルゴリズムを開発し、24×24 MIMO(12コア×2偏波)に適用して、高速な受信信号を正確に分離・復調することが可能になりました。

2. 12コア結合型マルチコアファイバー光伝送路の開発(NTT)

マルチコアファイバーを用いた長距離の光通信において、多重光信号間の伝搬に遅延が発生し不均一性が生じると、受信時のMIMO信号処理に必要な回路リソースが増え、実装や実現が困難になります。また、伝搬損失の不均一性が生じると、伝送可能な距離が大きく制限されます。今回、NTTは信号の遅延と損失の不均一性の影響を低減可能な結合型マルチコアファイバーと入出力デバイス(接続ファンインファンアウト)の設計技術、および長距離用光伝送路設計評価技術を開発しました。

両社はこれらの技術を組み合わせ、大洋横断級の光海底ケーブルを想定した7,280kmの長距離伝送実験を行い、12空間多重光信号のオフラインでの正確な復調に世界で初めて成功しました(図3)。

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図3. 標準外径の空間多重ファイバーを用いた長距離光伝送の動向と、本成果の位置づけ

今後の展開

両社は今後、本技術の研究開発をさらに進め、2030年代のIOWN(注3)構想・Beyond 5G/6G時代の大容量光伝送基盤の実現に貢献する、長距離大容量光海底ケーブルシステムならびに陸上コアネットワークシステムとしての実用化をめざします。
なお、NECとNTTは本成果を光通信に関する世界最大のイベント「OFC 2024」のTechnical Conference(会期:2024年3月24日(日)~3月28日(木)、会場:米国・カリフォルニア州・San Diego Convention Center)で高スコア論文(注4)として発表します。

謝辞

本成果の一部は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、エヌアイシーティー)の委託研究(JPJ012368C01001)により得られたものです。

以上

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

日本電気株式会社 グローバルイノベーション戦略統括部

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