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芝浦工大とNEC、さいたま新都心で複数の自動運転シニアカーを遠隔監視・制御する実証実験を実施
~安全で利便性の高い自動運転シニアカーの実現に前進~2023年9月7日
芝浦工業大学
日本電気株式会社
芝浦工業大学(東京都江東区、学長:山田純)と日本電気株式会社(東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田隆之、以下 NEC)は、センサー、カメラ、AIなどを活用し複数の自動運転シニアカー(電動カート)を遠隔監視・制御する実証実験を、さいたま新都心駅周辺の歩行者デッキと商業施設で、本年9月11日(月)~15日(金)に実施します。なお、本実証実験はさいたま市の後援をいただいています。
背景
近年、お年寄りや体の不自由な方が自由に移動する手段として、シニアカーなどのマイクロモビリティが注目されています。さらに、利用者が操縦せずに目的地まで走行できる自動運転は、誤操作による事故防止に加え、介助者の負担も軽減できるため、一部で導入が始まっています。しかし現状は、安全な動作のために多数のセンサーやカメラをシニアカーに取り付ける必要があることや、無線通信品質の変動により正常な遠隔監視・制御が困難になるといった課題があり、自動運転シニアカーを導入する際の障壁となっています。
実証実験の内容
本実証実験では、商業施設内に設置したLiDAR(注1)のセンサー情報およびカメラ映像と、シニアカーに搭載したカメラ映像を統合分析し、自動運転シニアカー2台を遠隔監視・制御します。また、これを実現するために、NECのAIであるアプリケーションアウェアICT制御技術(注2)を活用します。本技術は、カメラ映像内の分析すべき重要領域を予測・抽出し、重要度、データ量、通信品質の状況に応じて分析処理をシニアカー搭載の小型コンピューターとクラウドに動的に割り振ります。これにより、常に変化する混雑エリアの状況をリアルタイムかつ高精度に把握して、急接近する人物や見通し外の状況を考慮し、適切な事象に対してアラート通知や緊急停止が可能となります。
また、走行するシニアカーに対し、周囲の人物の影響の有無を判定する映像分析AIを開発することで、安全性を過度に考慮した頻繁な停止を防ぎ、効率的な自動運転を実現します。
これらは、既に利用されているシニアカーに、カメラと映像処理・通信用の小型コンピューターを追加搭載するだけで容易に導入できます。
なお、自動運転に未対応のエリアを想定し、さいたま新都心駅周辺の歩行者デッキを手動運転で走行するシニアカー2台の遠隔監視についても実証を行います。
今後の展開
芝浦工業大学は、今後、自動運転シニアカーの実用性を高める研究に邁進すると共に、LiDARを遠隔監視に応用した研究を提案していきます。さらに、芝浦工業大学発ベンチャー企業である株式会社ハイパーデジタルツインへの技術提供を行います。
NECは本実証で得られる知見を活かし、将来的には商業施設、鉄道、空港などを運営する事業者や、公共施設を運営する自治体などに対して、自動運転車両の運行監視システムやサービスを提供することを検討しています。
以上
- (注1)LiDAR (Light Detection And Ranging):レーザー等の光を対象物に照射し、その反射光を捉えることで、その対象物までの距離や輝度を測定し、対象物の形状・輝度を読み取る技術。
- (注2)NECのAI「アプリケーションアウェアICT制御技術」について:https://jpn.nec.com/rd/technologies/202211/index.html
本件に関するお問い合わせ先
芝浦工業大学 SIT総合研究所 特任研究員 伊東敏夫
E-Mail:tosi-ito@shibaura-it.ac.jp
NEC グローバルイノベーション戦略統括部
NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。
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