2021年10月12日
公益財団法人NEC C&C財団

公益財団法人NEC C&C財団(理事長：遠藤 信博 NEC取締役 会長、所在地：東京都港区)は、本年度の「C&C賞」受賞者2グループ2名を決定しました。
本年度の受賞者は、産業や社会の自動化や効率化、生活の利便性や快適性の向上に欠かせないAI技術の飛躍的発展と実用化に貢献した、一般財団法人ファジィシステム研究所　福島　邦彦 博士と、私たちの身近で活躍する自律型移動ロボットの実現に貢献した、マサチューセッツ工科大学　ロドニー　ブルックス　教授に決定しました。
福島博士は、大脳皮質視覚野の知見を工学に応用して階層型神経回路モデル「ネオコグニトロン」を発明しました。本モデルは、今日のAI技術の中核となる畳み込みニューラルネットワークの原型となり、AI技術の飛躍的な発展と実用化に大きく寄与しました。
ブルックス教授は、行動ベースのアプローチからサブサンプションアーキテクチャーを提唱し、自律型ロボットの研究開発を行うと共に、自らロボット起業家として実用的な自律型移動ロボットを世に送り出し、サービスロボット市場を創造しました。

「C&C賞」は1985年に創設された賞で、情報処理技術、通信技術、電子デバイス技術、およびこれらの融合する技術分野の開拓または研究、この分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動に関し、顕著な貢献のあった方に授与されるものです。「C&C賞」の受賞者には、賞状、賞牌および賞金(各グループ1,000万円)が贈られます。
表彰式典は、11月29日(月)午後4時からANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)において開催します。同式典では、贈呈式に続き、受賞者の記念講演が行われます。表彰式典の模様はオンラインでライブ配信され、一般の方も視聴できます。

2021年度「C&C賞」受賞者

グループA(1名)

業績

人工知能技術の発展への貢献となる、脳の視覚野の知見を工学に応用した階層型神経回路モデル「ネオコグニトロン」の先駆的研究

受賞理由

AI技術の進歩には目を見張るものがあります。既に、画像や音声の認識、言語理解、推論、自動運転、ロボット、医療などに広く応用展開されています。今や、産業や社会の自動化や効率化、生活の利便性や快適性の向上に、AI技術は欠かせないものとなりました。
福島博士は、40年以上も前に、大脳皮質視覚野の知見を工学に応用して階層型神経回路モデル「ネオコグニトロン」を発明しました。それは、今日のAI技術の中核である畳み込みニューラルネットワークの原型となり、AI技術の飛躍的な発展と実用化に大きく寄与しました。福島博士の功績は先見的、かつ極めて重要であり、C&C賞の受賞者として相応しいと考えます。

グループB(1名)

業績

ロボット工学におけるサブサンプションアーキテクチャーの提唱と、自律型ロボットの実用化への主導的貢献

受賞理由

労働者に代わり工場の生産ラインに並び、次々と製品を組み立てる産業用ロボットは1960年代より導入が進みました。しかし、私たちの身近な所で、人の代わりに働いてくれるパーソナルロボットや、災害現場のような人が入れない危険な場所で捜索や危険物を除去するロボットは、長らく夢でした。
ロドニー ブルックス教授は、1986年に行動ベースのアプローチからサブサンプションアーキテクチャーを提唱、自律型ロボットの研究開発と、自らロボット起業家として、実用的な自律型移動ロボットを世に送り出し、サービスロボット市場を創造しました。私たちの身近で活躍する自律型ロボットを実現した功績は大きく、C&C賞の受賞に値すると考えられます。

各受賞者の業績の詳細と略歴、および当財団の活動と表彰式の概要については、別紙ならびにNEC C&C財団ウェブサイト(https://www.candc.or.jp/)をご参照ください。

【別紙1】2021年度C&C受賞者　業績と略歴
【別紙2】公益財団法人 NEC C&C財団の活動概要
【別紙3】2021年度C&C賞　表彰式典概要

以上

表彰式典(オンライン・ライブ配信)への参加申し込み先

URL：https://www.candc.or.jp/s_form.html

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

公益財団法人NEC C&C財団　宮﨑
E-Mail：zaidan@candc.jp.nec.com