NEC、AI(人工知能)を活用し設計ナレッジの継承を支援するPLMソリューション「Obbligato III」を販売
~経験の浅い技術者の早期立ち上げと設計品質の低下防止を実現~
2018年6月14日
日本電気株式会社
NECは、設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLM(Product Lifecycle Management)ソフトウェア「Obbligato III(オブリガート スリー)」において、AI(人工知能)を活用した設計支援機能などを強化し、本日より新製品の販売活動を開始します。
Obbligatoシリーズは、約900社への導入実績を有する国内トップシェア(注1)のPLMソフトウェアです。新製品では、NECの最先端AI技術である「RAPID機械学習」(注2)を活用して、ベテラン技術者の勘と経験を可視化し、経験の浅い技術者を支援する機能をオプションで提供します。これにより、経験の浅い技術者の早期立ち上げや設計品質の低下防止を実現します。
また、オープンソースソフトウェア(OSS)のデータベースであるPostgreSQLへの対応や、製造工程や生産設備などの製造プロセス情報(BOP:Bill of Process)管理における操作性向上などの基本機能を強化しました。これにより、柔軟かつ低コストでPLMシステムの導入・運用が可能となります。
AI技術を活用してベテラン技術者の暗黙知を形式知化し、設計業務を支援するPLMソフトウェアは世界初(注3)となります。
NECは社会ソリューション事業に注力しており、今後もAIをはじめとする先進ICTを活用し、グローバルなものづくりのインフラやプロセスの変革に貢献するソリューションの提供・拡販に取り組んでいきます。
背景
近年、国内製造業における技術者の高齢化や退職が進む中、企業競争力の源泉である技術ナレッジはベテラン技術者個人に帰属し、企業として蓄積されていないことが大きな課題となっており、技術ナレッジの継承や経験の浅い技術者の早期立ち上げが重要なテーマとなっています。
NECは、国内のPLMソフトウェア市場で23年間連続のトップシェアを有するPLMソフトウェアであるObbligatoシリーズの導入実績やノウハウを活かし、今回新たに機能強化した「Obbligato III」を提供することで、製造業における「ナレッジの継承」に貢献します。
価格、提供開始時期、販売目標
製品名 | 価格(税別) | 提供開始時期 | 備考 |
---|---|---|---|
Obbligato III R4.3 | 最小構成360万円~ (注4) |
2018年12月 | |
Obbligato AI Option | 未定 | 2019年 | オプション |
販売目標:今後3年間で計150社
特長
- AI技術を活用した経験の浅い技術者向けの設計ナビゲーション機能を提供
NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注5)の1つであり、ディープラーニング(深層学習)技術を搭載した「RAPID機械学習」を組み合わせ、設計業務の経験が浅い技術者向けに設計ナビゲーション機能を提供。(注6)ベテラン技術者が、製品・部品を設計する際にどのような技術情報(図面や仕様書など)を検索・参照・更新したかの操作履歴(ログ)を蓄積し、AIが学習して可視化。経験の浅い技術者が設計する過程や製品・部品毎に応じて、PLMに蓄積された膨大な技術情報の中からおすすめの参考情報を提示して設計作業を支援。
これにより、技術者の習熟度のばらつきによる設計品質の低下を防ぎ、経験の浅い設計技術者の早期立ち上げを実現。 - PostgreSQLへの対応やBOP管理の操作性向上などの基本機能を強化
これまで対応していたOracle Database加え、今回新たにOSSの1つであるPostgreSQLに対応。これにより、お客様の環境に合わせてデータベースを選択できるため、柔軟かつ低コストでのシステム構築・運用が可能。 また、工程設計などを行う生産技術者の利用シナリオの検証により、BOP管理における操作性向上を実現。
なお、NEC は本製品を「第 29 回 設計・製造ソリューション展(DMS)」(会期:6/20(水)~22(金)、会場:東京ビッグサイト(東京都江東区))にて展示します。
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1)出典: (株) テクノ・システム・リサーチ「2018年機械系CAD/PLM関連ビジネス市場分析調査」(2018年6月)
- (注2)RAPID機械学習:
ディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習するため、データの分類/検知/推薦などの高精度な判断が可能。また、NEC北米研究所の独自技術により、分析エンジンの高速化と軽量化の両立を実現。これにより、大規模なマシンリソースを必要とせずにサーバ1台から分析処理ができるため、幅広い業務や企業への適用が可能。
参考URL:https://jpn.nec.com/rapid/ - (注3)2018年6月14日現在、NEC調べ。
- (注4)5ユーザの場合。ライセンス費用のみ。SI費は別途必要。
- (注5)
「NEC the WISE」(エヌイーシーザワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。"The WISE"には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。- プレスリリースNEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
https://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html - NECのAI研究
http://jpn.nec.com/bigdata/ai/
- プレスリリースNEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
- (注6)学習元となる操作履歴(ログ)などの情報提供基盤と学習支援サービスを提供します。お客様の運用に合わせたログの蓄積、学習内容の検討とチューニングが必要となります。
Obbligato IIIについて
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC ものづくりソリューション本部
TEL:03-5476-4643
E-Mail:oblsales@cpc.jp.nec.com
NECは、社会ソリューション事業を推進する
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様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
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