「NEC田んぼ作りプロジェクト」において2017年度の活動を開始
~耕作面積を2,500m²拡大し、生物多様性保全活動を強化~
2017年5月19日
日本電気株式会社
NECは、グループ社員とその家族の環境意識の向上と生物多様性の保全を目的とした「NEC田んぼ作りプロジェクト」(注1)の2017年度の活動を5月下旬から開始します。
本プロジェクトは、稲作から酒造までを1年を通して体験できる生物多様性保全活動です。2016年には、「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J、注2)の連携事業に認定されています。
本年度も、機械に頼らない、人手による踏耕(注3)によって、昨年度拡大した耕作面積をさらに2,500m²拡大し、荒廃した雑木林のさらなる縮小を進めます。これにより、生物多様性の効果を測定する指標の1つであるトキの餌量の増加を見込んでいます。
NECは、"Make-a-Difference Drive"(注4)を旗印に、従業員一人ひとりが良き企業市民として、中長期の社会課題解決に向け、環境分野での社会貢献活動に取り組んでいます。
本年度の「NEC田んぼ作りプロジェクト」の活動計画
- 開催スケジュール予定(開催日、実施内容、開催場所):
2017年
- 5月20日(土)田植え (茨城県牛久市)
- 7月22日(土)草取り (茨城県牛久市)
- 9月23日(土)稲刈り (茨城県牛久市)
- 10月7日(土)脱穀 (茨城県牛久市)
- 1月13日(土)酒仕込み神事 (茨城県石岡市)
- 2月10日(土)復田 (茨城県牛久市)
- 3月10日(土)新酒蔵出し (茨城県石岡市)
- 参加者:NECグループ社員とその家族
- 協働:認定NPO法人アサザ基金、合資会社廣瀬商店、牛久市
- 主な取り組み:
- 耕作面積を新たに2,500m²拡大。谷津田の総面積の約24%にあたる5,500m²で稲作を実施。
- 生物に優しい環境の再生を目的としたビオトープ作り
- 収穫した酒米の活用をとおして、生産から加工までのサプライチェーンを学ぶ日本酒造り
これまでの取り組みと成果
昨今、農地の手入れ不足など自然への働きかけの減少や地球温暖化が進む中で、生物の大量絶滅が社会問題になっています。
NECは、認定NPO法人アサザ基金(注5)、合資会社廣瀬商店(注6)、茨城県牛久市と協働で、2004年からグループ社員とその家族の環境意識の向上や生物多様性の保全を目的に、稲作から酒造までを体験できる生物多様性保全活動を毎年実施しています。民間企業とNPO法人が連携した活動としては国内初の活動である本プロジェクトには、過去13年間で、のべ1万3300人の社員と家族が参加し、これまでに、以下の成果(アサザ基金調べ)をあげています。
- 耕作面積の拡大
谷津田の総面積約23,000m²のうち、2010年から2017年3月までに約3,000m²で稲作を行ってきました。これにより、緩やかな流れのある湿地が必要なシオヤトンボやヒメアカネなど多くのトンボ類のほか、昨年度からはふくろうも見られるようになり、生物多様性の保全に貢献しています。
また、収穫した米を活用した日本酒造りをとおして生産から加工までのサプライチェーンを知ることで、社員とその家族がモノづくりの大切さと喜びを学んでいます。 - 生物多様性の効果を測定する指標の1つであるトキの餌量の増加
トキ1羽が年間に必要とするドジョウやヤゴなどの餌の量(約75㎏)を準備するには、餌量3.26g/m²(注7)を生み出す田んぼにする必要があります。本プロジェクトでは、この数値を上回る4g/m²を目標に、機械に頼らない、人手による踏耕を行うことで、荒廃地を生物が住みやすい湿地帯への再生に取り組んでいます。その結果、2016年度も目標値を上回る4.570g/m²を記録しています。 - ICTを活用した「生態系・生物多様性ソリューション」の開発・実証
NECは、気温や風速などのデータを蓄積・分析し、生態系を観測することで、生物多様性の保全に貢献する「生態系・生物多様性ソリューション」の開発・実証を進めています。
田んぼに設置されている気象観測センサーシステム
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1)NEC田んぼ作りプロジェクト http://jpn.nec.com/community/ja/environment/tanbo/index.html
- (注2)国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J) http://undb.jp/about/
- (注3)荒廃した土地を人が列になり歩くこと。雑草や枯葉を踏みつけることで通り道ができると共に、地面のぬかるみから様々な生物が生息する水たまりを作り出す。機械で耕すと、その中にいた生物までを死滅させてしまう恐れがある。
- (注4)NEC Make-a-Difference Drive(NECグループの社会貢献活動)
NECでは社会貢献活動を、社会価値創造型企業の一員として求められる資質である、社会感度の高い人材を育成するための基盤としても位置づけ、"NEC Make-a-Difference Drive"を旗印に、より多くの従業員の参加を促しています。社会貢献活動をとおして、ボランティアマインドや共創マインドを育み、お客さまや社会の本質的な課題に気づき、課題解決への第一歩を踏み出せる人材を育成していきます。 - (注5)認定NPO法人アサザ基金 http://www.asaza.jp/
- (注6)合資会社廣瀬商店 http://www.shiragiku-shuzou.co.jp/
- (注7)トキが1年間に食べる餌量75㎏を、再生目標面積23,000m²をもとに算出した数値。75,000g÷23,000m²=3.26g/m²。
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC コーポレートコミュニケーション部 CSR・社会貢献室
TEL:03-3798-9555
E-Mail:sco@csr.jp.nec.com
NECは、社会ソリューション事業を推進する
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