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コロナ禍で成果を上げ始めているNEC営業部門のデジタルシフト

コロナ禍で成果を上げ始めている
NEC営業部門のデジタルシフト

データを介してマーケティング部門と営業部門の連携を深める

2021.09.15

インサイドセールスデジタル営業
コロナ禍となって、従来のような展示会や顧客訪問などのリアルな活動が制約されています。こうした中で、NECではマーケティング部門や営業部門のデジタルシフトに踏み込み、データをキーファクターとするお客様との全社的なエンゲージメントの強化に取り組み始めています。
ここでは、同じ製造業のお客様に対し、その経緯をコロナ禍におけるマーケティングや営業の一つの在り方としてご紹介いたします。
また、NECはこのほど、日経WOMAN2021年版「女性が活躍する会社BEST100」のダイバーシティ推進度部門で第1位を獲得しました。その理由についてもIMC本部 本部長の東海林氏に話を聞きました。


日本電気株式会社 IMC本部 本部長 東海林直子

オウンドメディア『wisdom』のスタート

日本電気株式会社 IMC本部 本部長 東海林直子

NECでは2004年にマーケティング施策の一環として、オウンドメディアの『wisdom』を立ち上げました。背景には、それまでのNECのお客様は各社の情報システム部門が大半を占めており、LOB(事業部門)との接点をつくることが課題として挙がっていました。
そこで、『wisdom』ではNEC色を前面に出さず、「歴史上の人物に学ぶ経営術」や「ノーベル賞受賞者に聞く発明のヒント」といった、一般的なビジネスパーソンが興味関心をもつコンテンツを主体に構成し、自社事業に関わるコンテンツは20%程度に抑えたのです。この戦略が奏功し、LOB部門の比率が高い80万人強のメールマガジン会員を獲得できました。B to Bのオウンドメディアとしては最大級であると自負しています。その要因として、当時はこうした記事サイトがまだ少なかったことも挙げられると思います。

しかし、その後こうしたコンテンツマーケティングを目的とするメディアが増加するとともに、『wisdom』の集客力が落ちていきました。メールマガジンも乱立する中でクリック率も落ち、以前のようにふわりとしたコンテンツではお客様の興味関心をひきつけ、定常的なサイト訪問を促すことや、NECのセミナー/イベントへの集客につなげることも難しくなったのです。

NECのコアなファンにユーザーを入れ替え

そこで、2016年に『wisdom』の抜本的なリニューアルを行いました。コンテンツの50%程度をNECの新たなテクノロジーやソリューションに関わるものに、残りの50%も社会課題やNECの事業領域に沿ったテーマを深堀したもので構成するよう編集方針を変更するとともに、ドメインも変えたのです。10年以上SEO対策を行ってきたドメインを捨て、一からコアとなるファン層に入れ替えていく決断を下したわけです。
この決定については社内の説得に、とても苦労しました。残念ながら、危惧したとおり、ページビューは落ち込み、意見を寄せていただいていたコアなユーザーの離反を招きました。しかし、ビジネスに繋げるマーケティング策としては、NECのテクノロジーに興味関心を持っていただくファンを増やすことは不可避の戦略であるとの信念を貫き断行したのです。

次に、このファン層を顧客化すべく、マーケティングオートメーションツールを活用し、潜在顧客の関心内容に応じたメルマガコンテンツを用意することでお客さまの関心度合を高め、セミナー参加や資料請求など一定の条件に達した段階で有力な見込み顧客と判断し、当該リストを営業部門に渡すという、いわゆるナーチャリングに取り組んできました。
しかし、営業部門がアプローチすると、実際には思ったほど関心度合が深まっていなかったり、それ以前に、営業部門では、目の前の商談をクロージングすることに注力しているため、見込み顧客リストへのアプローチがなかなか行われない、という“溝”が生じていたのです。そこで、マーケティング部門にインサイドセールス部隊を設け、当該リストにアウトバウンドコールをしてビジネス意向を確認、ホットリードになった段階で営業部門に渡す、というプロセスに変革しました。この変革で商談に結び付くケースもありましたが、全体的にホットリードの件数が絞り込まれる中では、ROIがあまり良くないという別の課題が生まれる、という状況になっていたのです。

外部環境の変化~顧客の変化

コロナ禍でマーケティングのデジタル化を深める

このような状況の中で、コロナ禍という大きな変化が起こりました。IMC本部としては、それまで展示会やセミナー、ショールームといったリアルイベントを見込み顧客の関心を深める主要なタッチポイントとして位置づけてきましたが、それらが開催できなくなりました。2020年2~3月に多く予定されていた主要なイベントが軒並み中止となり、翌年度のイベントもすべて開催できる見込みが立たなくなったのです。このままではホットリードを獲得する以前に、NECのブランド向上もままならなくなる、との危機感を抱き、イベントのオンライン化に舵を切りました。

第1回目は2020年7月に開催しました。元々東京と大阪で予定していた2本のリアルイベントをオンライン化したウェビナー形式で開催し、多くのお客様に登壇いただき、さらには約半分のプログラムはライブ配信にチャレンジしました。様々な工夫をした結果、これまでのリアルイベントよりも集客数を大きく上回り、さらには、よりターゲットのお客様を集めることができました。これまで、リアルイベントの場合は、営業担当者がご招待状を持参しお客様にご案内し、お客様には直接会場にお越しいただいておりましたが、新たなオンラインイベントでは、お客様の幹部クラスであっても、自ら参加登録いただくことにもご協力頂き、お客様情報を一元的な仕組みで把握管理できる、というメリットもありました。

さらに、『wisdom』にて長年培ってきたデジタルマーケティングのアセットを組み合わせ、ウェビナー参加者にティーザー告知を発信するとともにセミナー関連資料のダウンロードをご提案する、といった立体的な施策に繋げることもできました。
これらの取り組みの結果、見込み顧客の状況をリアルタイムに可視化するダッシュボードの閲覧率も、全社的に一気に高まりました。コロナ禍となって、デジタルへの関心が社内でも急激に高まったものと考えています。

インサイドセールスを営業自ら行う

ここまでお話ししてきたマーケティング部門のデジタルシフトに並行して、営業部門のデジタルシフトも実行しています。お客様へ直接訪問することが難しくなった営業部門に対し、マーケティング部門で取り組んできたインサイドセールスを営業担当者が自ら行うことを提案したのです。複数の営業部門から、取り組む価値があると認めてもらい、早速、マーケティング部門のインサイドセールスチームがリードしながら、企画からコールスクリプトなどの準備、さらにはロールプレイングや相談体制などの研修の仕組みを用意し営業部門と連携し、実行に入りました。

営業部門では、それぞれの事情に応じたインサイドセールスを行っています。ある部門では新入社員の皆さんに重点的に担当してもらっています。これまで、入社してまもない時期は、先輩社員に同行して仕事を覚えていましたが、今ではそれが難しくなっているため、お客様と面談する機会をインサイドセールスにて作る、という狙いがあるわけです。その結果、好成績を収める新入社員もいて、それも少人数ではなく、多数の方が成果を挙げていました。インサイドセールスを行う営業部門間で、コミュニティを立ち上げ、定期的に活動成果を共有していますが、回数を重ねるごとに発表内容が高度化しており、特に気合いが入った新入社員の発表が大好評で、先輩社員へのいい刺激になっています。新入社員の方が苦労して獲得したアポイントだから、先輩社員がしっかりフォローしよう、という機運が高まっているのです。また、実際に大型受注に繋がるケースも出始めています。

(参考)ISR育成プログラムマップ

CDPを構築し、お客様データを一元管理・運用へ

また、マーケティング部門が行ってきたインサイドセールスを営業部門が行うことを切り口に、営業部門内にマーケティング部門の業務の理解が深まり、マーケティング部門が獲得したデータをしっかり活用しようという気運も高まっています。データを介して、営業部門とマーケティング部門の連携が深まっていると実感しています。
こうした中で、お客様のデータが更新されていなかったり、マーケティング部門と営業部門に散在していて一元管理されていないといった新たな課題も明確になりました。そこで、CDP(Customer Data Platform)を構築し、全社的にあらゆるお客様データを集めて管理運用していく動きを進めています。データ獲得の初期段階から、提案~受注、アフターサービスに至るまで、1社のお客様に関わる様々なデータを統合し、より最適な提案活動に繋げる構想です。その上で、顧客満足度やエンゲージメントを測るKPIを設定し、NECのブランド価値を高める施策にデータを徹底活用していく方針です。

マーケティング施策と営業デジタルシフトの連携

「女性が活躍する会社BEST100」ダイバーシティ推進度部門第1位の要因

日本電気株式会社 IMC本部 本部長 東海林直子

私が在籍しているマーケティング部門の社員の半数は女性が占めています。コロナ禍によるニューノーマルな働き方となって、女性の能力がより発揮しやすくなっていると思います。なぜならば、仕事の上で育児や家事といった制約事項をより多く持つ女性は、基本的に効率的な働き方を身に着けていると思いますが、在宅ワークが中心となり通勤時間がなくなった分、仕事で成果を出しやすくなっているからです。逆説的ですが、コロナ禍でよりイキイキ働けるようになった面もあるのではないでしょうか。

そこに、NECが進めているカルチャー変革がマッチしていると思います。NECでは、性別や国籍、社歴など関係なく、自ら希望する部署に異動できたり、時短勤務などを選ぶことができます。男性社員の育休取得も増えてきました。こうした既にある制度を真剣に活用することで、平均年齢や勤続年数に男女差がなく、新卒者の3年後在籍率93%という極めて高い実績に繋がり、日経WOMAN2021年版「女性が活躍する会社BEST100」のダイバーシティ推進度部門で第1位を獲得できたと受け止めています。

マーケティングと営業のデジタルシフト、ダイバーシティの推進など、NECは今後も変革を続けていきます。

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