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並んで座るNEC スマートインダストリー統括部 プロフェッショナル 高野智史とNEC スマートインダストリー統括部 プロフェッショナル 増本貴樹並んで座るNEC スマートインダストリー統括部 プロフェッショナル 高野智史とNEC スマートインダストリー統括部 プロフェッショナル 増本貴樹

生成AIによる法規制対応業務の
効率化へ

NEC 製品法規適合AIアシスタントのご紹介【2025.06.18】

カテゴリ:設計・開発・技術DX・業務改革推進品質・環境・物流

製造業の製品開発において、様々な法規制への対応は避けては通れない業務です。しかし、市場がグローバルに広がり、法規制要件が複雑化する中で、法規制対応業務の負荷は高まる一方です。
NECではそうした業務の効率化に向けた取り組みとして、生成AIを活用したソリューションの企画・開発を進めています。ここでは、本ソリューションの担当者であるNECの高野智史と増本貴樹が、ソリューションが生まれた背景からその導入メリットまで詳しくご説明します。

NEC スマートインダストリー統括部 プロフェッショナル 高野智史
NEC入社後、携帯電話やスマートフォンのハードウェア設計・先行開発に従事。2013年より組込みソリューションの企画・開発、拡販を経験し、現在、製造業のお客様に対する生成AIを活用した新規ソリューションの企画・開発を担当。

NEC スマートインダストリー統括部 プロフェッショナル 増本貴樹
NEC入社後、SEとして製造業の顧客案件に従事。2018年より、クラウドやIoTプラットフォームを用いたソリューション企画・開発を推進。現在は生成AIを活用した製造業向けソリューションの企画にて主に開発面を担当。

[目次]

製造業を取り巻く環境と課題

いま、製造業は事業環境において数々の課題に直面しています。進化し多様化する技術、国内市場の飽和・減少に伴い加速するグローバル展開、人材不足と技術伝承の停滞といった課題はどの製造業も頭を悩ませていることでしょう。
そして、ものづくりに関する法規制の要件が複雑化するとともに、仕向け地や製品ごとに異なる法規制への対応が求められます。さらに法規制改正のタイムリーなキャッチアップもしなければなりません。

こうした状況の中で、製品開発における法規制対応に関する課題としては、以下の3点が挙げられます。
 ・法規制の認識不足による違反リスク
 ・改正される法規制の調査や対応策検討時間の増大
 ・ナレッジの属人化とシステムの未整備

製造業を取り巻く環境と課題について説明する高野智史(写真右)と増本貴樹(写真左)
製造業を取り巻く環境と課題について説明する高野智史(写真右)と増本貴樹(写真左)

法規制対応業務のありたい姿

一連の法規制対応業務のフローとタスクとしては、次のものが標準的と言えます。

●調査・情報収集
開発中および販売中の自社製品の情報の把握と、それらに関する法規制(新規・改正)の情報収集

●評価・分析
法規制の重要度を分析し、製品として対応要否の検討・判断、過去の対応事例の調査

●方針策定・社内展開
製品適合の優先度や対応方針(設計変更や認証取得など)の決定、関係部門への情報共有と実行管理

●継続的なモニタリング
法規制や業界動向のモニタリングと必要に応じた対応策の見直し、法規制対応の標準化とナレッジの共有

法規制の情報収集においては、業界団体へ参加する以外に外部の調査会社やコンサルティング会社を利用する製造業は多いですが、自社製品への影響度の評価や分析は自社内で人手をかけて行わざるを得ない状況にあります。

こうした業務の“ありたい姿”とはどういったものでしょうか。
従来のベテラン人材に頼る体制から、”誰でも効率的に短時間で業務を遂行し、違反なくグローバルビジネスを加速できる”状況であると考えられます。

NEC 製品法規適合AIアシスタントの概要

生成AIが煩雑で属人的な法規制対応を自動化し、また人が悩むシーンではアドバイスを行うことで、確実かつ短時間での業務遂行を実現します。そこでNECでは、組立製造業の技術管理部や品質保証部、法規認証部といった部門のお客様に向けて、生成AIを活用したソリューションの企画・開発を進めております。2025年7月に開催される『設計・製造ソリューション展(DMS展)』にてプロトタイプの公開を予定しています。

本ソリューションは、生成AIを活用して各国の安全法規や電波利用に関わる法規、環境関連法規などの改定情報を自動チェックし、対応要否の判断をします。そして、影響度を分析し自社の各製品での対応案を示唆する、というものです。該当する部門の担当者は、AIのアドバイスをもとに対応内容を判断・実行します。

「サービス概要:AIが法規改定を自動検知、要否判断と影響範囲を特定し実行アクションを提案」についての説明スライド

提供価値

本ソリューションの提供価値は、以下の3点が挙げられます。

①製品開発における法規制の遵守、重要品質問題の防止
世界の関連法規制の動向を徹底調査し、製品開発における法規制対応を強力にサポートすることで、各国の官報・規格草案をチェックし自社製品に関係する改訂だけを即通知することで、対応漏れや認識不足によるコンプライアンスリスクや品質問題を低減します。

② 規制調査・対策検討の自動化
改正された法規制の条文を生成AIが要約し、対応の優先度を判定します。また、対応策の案を示唆することで、調査や分析の時間、対応策の検討時間を大幅に削減し、スピーディな対応が可能となります。

③属人化の解消・意思決定支援
製品開発に伴う法規制対応業務オペレーションに最適なUIや機能を提供します。また、生成AIによる判定やアドバイスの根拠も合わせて提示します。

「解決しようとする課題:改定を追う・解読する・影響を洗う―煩雑で属人的な法規対応を、AIで自動化し確実かつ短時間に。」についての説明スライド

このようにグローバルでの法規制の要件を自動的にチェックすることで、複雑化する法規制対応業務の負荷を大幅に軽減いたします。

今後の取り組み

NECは製造業でもあり、本ソリューションの“クライアントゼロ”※1として社内での実証を進めながら、製品へ反映していきます。
また、お客様にトライアルしていただき、フィードバックを元に改良を重ねていく予定です。


NECは国内No.1シェア※2を持つPLM『Obbligato』をご提供しており、ご利用のお客様は本ソリューションに必要となる製品の仕様書や設計書、部品表などを『Obbligato』からAPIを通じて簡単に取り込めるようにする予定です。
さらに、法規制の規格仕様と設計書の図面等を生成AIが読取り、規格値を満足できる設計となっているかレビューする機能も検討中です。

また、NECは『cotomi』という生成AIをリリースしており、社内には数多くのデータサイエンティストも擁しておりますので、生成AI活用に関するノウハウのご提供が可能です。

NECには、長年に渡り数多くの製造業のお客様をご支援してきた実績があります。実績をもとにお客様のお困り事を理解し、的確なご提案やご導入の支援をしてまいります。

ぜひ、ご期待ください。

※1:クライアントゼロとは、自社を“ゼロ番目”のクライアントと位置付け、最先端のテクノロジーを実践するNECの考え方です。
※2:出典:株式会社テクノ・システム・リサーチ「2024年機械系CAD/PLM関連ビジネス市場分析調査」(2024年8月)

関連リンク

NEC 製品法規適合AIアシスタントご紹介資料

【掲載内容】
・法規制・業界ガイドライン対応に関する課題
・法規制・業界ガイドライン対応支援ソリューション概要
・生成AI活用による品質マネジメントDX ユースケース など、ポイントをわかりやすく解説しています。

NEC 製品法規適合AIアドバイザーご紹介資料のイメージ画像

【生成AIを活用】複雑化する法規対応をイノベート

製品開発で求められる法規制対応に対し、生成AIを活用することで対応すべき法規制の特定とアラート、製品への対応策示唆を行い、法規制違反リスク最小化・属人化の解消を実現いたします。

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