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2022年度(23年3月期)第2四半期 決算概要

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Ⅰ. 2022年度 第2四半期 決算概要

2022年度 第2四半期(1Q)の決算概要について説明します。

上期業績の主要指標とセグメントの業績をお示ししています。

上期の売上収益は前年同期から5.2%の増収となりました。
調整後営業利益は減益となりました。

ネットワークサービスの変動要因については年間見通しで詳細をご説明いたしますが、今年度は通信キャリアの設備投資が下期偏重であり、上期が低調だったことに加えて、海外での戦略受注案件による一過性の損失などを計上したことにより、前年同期と比べて大きな減益となっています。

調整後営業損益の増減要因を説明します。
2021年度上期の421億円を起点にご説明します。

2021年度に計上した一過性の利益 80億円に対し、22年度は 110億円の利益を計上しました。次に、部材不足により5億円のマイナス影響、為替影響では65億円のプラス影響を受けました。

これらを除いたオペレーションは、国内ITサービスが好調なエンタープライズは前年度比で改善していますが、ネットワークサービスが182億円のマイナスとなったことにより合計で199億円の悪化となりました。

これらの結果、22年度は 312億円の営業利益となりました。

受注動向です。

全社では、大型案件により変動が大きい海洋システム事業を除いたベースで上期は、前年同期比16%の増加となりました。

ITサービス領域では、エンタープライズを中心に企業向けの旺盛な需要が継続し上期で前年同期比11%の増加となりました。

セグメント別には、社会公共は都市インフラ、公共・医療向けが好調に推移して前年同期比14%の増加。社会基盤は前年度の2Qに宇宙関連の大型案件があったものの、上期では4%の増加となり、この前年の大型案件を除いたベースで見れば17%の増加となりました。

エンタープライズは、流通・サービス業向けの大型案件計上に加えて、旺盛なIT需要を背景に好調な推移となり、上期で前年同期比15%増加しました。

ネットワークサービスの上期は前年同期比横ばいですが、2Qを見ると5G需要が拡大したことで10%の増加に転じました。

グローバルは、海洋事業の影響を除くと、Netcracker社での大型案件の受注 および
デジタル・ガバメント/デジタル・ファイナンスが牽引し、大幅増となりました。

Ⅱ. 2022年度 業績予想

次に年間の業績予想をご説明します。

年間の業績予想値です。
7月28日に発表した予想から変更はありません。

セグメント別の業績予想値です。

7月28日の業績修正において、調整額に織り込んだアップサイドを、今回 各セグメントへと織り込みました。また連結子会社の日本航空電子工業およびNECネッツエスアイの業績予想修正も反映しています。

業績修正の詳細になります。

まず、7月28日の予想でオペレーションのアップサイドとして、調整額に営業利益140億円を織り込みましたが、このアップサイドを上期実績および足もとの状況をふまえて、社会基盤、エンタープライズ、グローバルの業績予想に反映しました。

ネットワークサービスについては連結子会社のNECネッツエスアイの業績予想を反映し、40億円の下方修正を行いました。NEC本体の数値は変更していません。

これらセグメント別の見通しについては、次ページ以降で詳細を説明いたします。

また、7月28日の予想で織り込んだ資産売却などのコーポレートアクションは、想定通り110億円の利益を上期に計上しています。

まず社会公共の年間見通しです。

上期の売上は、前年同期に計上した都市インフラ向けの大型案件の反動減により減収となりましたが、受注は1Q、2Qともに前年同期比プラスで推移しており、回復基調が継続しています。

年間見通しは7月28日に修正した予想値から変更はありません。この予想値をボトムとし、回復基調にある需要を取り込むことで予想値からの改善を図っていきます。

社会基盤です。

上期は、航空宇宙・防衛領域での案件増に加え、連結子会社の日本航空電子工業の増により増収となりました。また、調整後営業利益は、増収に加え、不採算案件の抑制により増益となりました。

これらの進捗から、年間では7月28日の予想からNEC本体で調整後営業利益30億円の上振れ、加えて日本航空電子工業の業績予想修正を受けて、20億円の上振れを反映し、合計で50億円の上方修正を行いました。

エンタープライズです。

上期は、受注・売上・調整後営業利益ともに旺盛な需要により、前年を上回って推移しました。

年間の見通しは、上期までの進捗と好調な市場環境の継続が見込まれることから、7月28日の予想から売上で100億円、調整後営業利益で30億円の上方修正を行いました。

グローバルです。

上期は、円安影響により売上増となりました。一方で調整後営業利益は、増収見合いの増益があるものの、一時的な費用増があり前年並みの水準に留まりました。なお、この上期の費用増は年間ではリカバリーできる計画です。

年間の見通しは、期初の前提レートからの円安傾向を織り込み、7月28日予想から売上で500億円、調整後営業利益で50億円の上方修正を行いました。

ネットワークサービスです。

資料の左側に2021年度を起点に、調整後営業損益の変動要因を数字とともに示しています。

まず上期実績について上の項目から順にご説明します。22年度の一過性要因として、海外5Gの戦略受注案件に関連する費用を55億円 計上。また、長期性棚卸の引当等により20億円の損失を計上し、計75億円の一過性の損失を計上しました。

この戦略的受注案件ですが、初期の量産ロットを戦略的な価格で受注したもので、元々、厳しい原価構成でしたが、部材不足や為替の影響など当初の想定以上に資材コストが上昇しました。顧客への求償などの対策も講じておりますが、保守的に評価し、引き当てを行ったものです。

戦略的費用は、今年度は上期偏重となっており、2021年度下期並の水準を投入し45億円の費用増となりました。加えて連結子会社のNECネッツエスアイで25億円、部材不足の影響により20億円、通信キャリアの設備投資が下期偏重であり、上期は低調に推移したことなどにより、52億円とそれぞれのマイナスがあり、合計で21年度から217億円悪化の133億円の損失となりました。
この上期実績をふまえた年間の見通しですが、下期前提の数字を表の右側に示しています。

まず、2021年度4Qに一過性のロイヤリティ収入 50億円がありましたが、この部分は今年度下期のマイナス要因となります。

戦略的費用は、年間では横ばい前提ですので、下期は前年度比で減少していきます。

NECネッツエスアイは、年間の業績予想修正を行いましたので、その部分を反映し、下期は前年同期比で15億円のマイナスの予想です。

売上は下期偏重の国内5G需要の取り込みと、海外5Gの出荷増、ITビジネス増加により、ハードルは高い部分はありますが、下期で152億円のプラスを見込んでいます。

これらにより年間では、270億円の営業黒字に向けて取り組んでいます。

また、来年度以降についてですが、グローバル5Gに限らず、事業環境にはマクロ要因など不透明な要素を含んでいますので、従来通り、変化に対しては必要な措置を迅速に実施していきます。

5G需要に関しては、現時点で国内外の中長期の見通しに変化はありませんが、通信キャリアの投資方針やマクロ環境変化などの不透明な要素はあると認識しています。

最後にNEC Innovation day開催のお知らせです。

こちらはメディア・ITアナリスト、および資本市場の皆さまを対象としたイベントとなりますが、今年は11月30日に開催いたします。CTOの西原から、NECの研究開発および新規事業創出の戦略についてご説明いたします。

以上で説明を終わります。