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NECのDXエバンジェリスト!DXの夢と現実を語る。パート2

前回に続き、NECのDXの考えや、DX実現における理想と現実を語ってもらいました。

鷲田 梓(わしだ あずさ)
経歴/担当

  • 2013年~
    NECに中途入社。ビジネスクリエイション本部 BICCC
    社内向けのデータサイエンティストとして、プロダクトマーケティングのためのデータ分析業務を担当
  • 2018年~
    IMC本部 事業ブランドグループ
    AI・IoTの活用やDX実現の伝道を通して、お客様の目指す姿探求のきっかけづくりを担当

記者:前号に続いて、NECのDX領域における伝道を担当している鷲田さんと、NEC自身がマーケティング領域において、ビジネスをより良い方向に変革する活動を行う芳竹さんにDXの理想と現実を語ってもらいます。

鷲田:NEC IMC本部の鷲田です。

芳竹:NECマーケティング戦略本部の芳竹です。

鷲田:私は、ビジネスクリエイション本部BICCCという部門で、芳竹さんの下で、社内向けのデータサイエンティストを経験した後、現在、AI・IoTの活用やDX実現の伝道を担当しています。

芳竹:主にリテール領域でのDBエンジニアを経て、2012年よりBICCCに所属しました。現在BICCCは、コーポレート機能としての調査・分析チームに再編され名称も変わりましたが、引き続きNECのzoomBICC機能を担っています。

鷲田:前号では、NECの考えるDXや、お客様にDXを実現するために、zoomNEC自らの企業活動に対してAIやIoTを活用し変革を実現していることをお話ししました。

鷲田:また、NEC自身がマーケティング領域において、ビジネスをより良い方向に変革する活動の一つであるBICCCの取組みでの苦労として、認知とデータ集めについて芳竹さんに話してもらいました。

記者:今月号は、このデータ集めの部分について、もう少し深く伺いたいと思います。

芳竹:社内には複数のシステムが存在しており、データもいろんなところに分散してあるわけです。
このバラバラにあるDBを統合したいのですが、そう簡単には進みませんでした。
まず、データがどこにあるかわからないのです。

記者:経営システム部門がデータオーナーではないのですね。

芳竹:弊社の場合だと、それぞれのシステム毎にオーナーが存在しました。
zoomこのデータオーナーが誰なんだという探索から始まるのです。
人づてに、この人がオーナーではないかと聞き、直接お会いして、データの共有をお願いするのです。

記者:お願いするとデータをいただけるのですよね?

芳竹:いや、zoomすぐにもらえないことが多かったです。
というのも、先ほどの話しにも繋がりますが、社内認知も低い状態だと、何者かわからない私たちBICC機能に、データを渡すのが怖かったり、データを渡すメリットが感じられなかったり、あとは、大枠は理解できても、具体的に成果が良く見えないので躊躇されたりしました。

記者:そう簡単には進まないのですね。

芳竹:そうなんです。データというのは、システム毎に発生しますが、その局所的に発生したデータが、われわれの仮説としてマーケティングに使えると想像したとしても、データオーナーがマーケティング部門でないと理解を得られない場合もありました。

記者:立場が違うということですね。

芳竹:そうですね。なので、真正面から自分のやりたいことだけを言うのではなくて、相手方の立場にたって、データオーナーがもっているKPIにも貢献できる もしくはデータオーナーの悩みごと解決に役立つ分析をしてあげるみたいなGive & Takeで進めていました。

記者:Give&Takeですか。なるほどです。

芳竹:データ分析をしようとすると、データオーナーと分析結果が欲しい人の間で「卵が先かにわとりが先か」の議論になりがちですが、データがないと何もできません。
Give&Takeで、データオーナーの悩み解決に役立つ分析を行うためにデータをお預かりし成果を見せて納得してもらい、そして最終的には自分の欲しいデータが集まり、分析できるようになっていくという進めかたをしました。

記者:例えばですが、上位層からデータオーナーに対してデータ提供するよう指示を落としたりはしなかったのですか?

芳竹:そういう進めかただと、仲間になってもらえないことも多いので、基本は現場からデータオーナーに接触し、相談に乗ってもらい、相手方を巻き込むような行動をとっていましたね。

記者:巻き込んで仲間になってもらって進めたのですね。
データを活用してデジタルに意思決定できるようにしようと思っても、そう簡単にはいかないものなのですね。この苦労して集めていったデータは、どのタイミングでデータ分析基盤として構築したんですか?

芳竹:データが少しずつ増えていくなかで、将来的に統合したいというありたい姿を描きつつも、最初はExcelで、それがAccessになり、SQLサーバになり、最後システムとして構築しました。というのも、データを統合した基盤をつくるにしても、成果が伴わないと予算ももらえないからです。

記者:たしかに、成果もない部門には予算もおりませんよね。
スモールにはじめて、トライアンドエラーをしながら徐々にということですね。現在は、この統合した基盤にどのようなデータが集まっているのですか?

芳竹:営業活動履歴や、売上情報などの取引履歴、コンタクト履歴顧客情報などと、社外の企業情報データが集まっています。
そして、マーケティングのための分析に限定した基盤から、全社の基盤へと変わろうとしています。

記者:なるほど、少しずつ集めていったものが、全社の基盤となるのですね。

芳竹:我々はよくスモールに始めましょうとお客様にお話ししますが、NEC自身もマーケティング領域においてデータを集めていく過程でスモールに始め、成果を少しずつ出しながら拡大していきました。
この進めかたの重要さを改めて感じました。

記者:ほんとですね。実際にやっていた芳竹さんだからこそこの言葉に重みがありますね。
集まったデータを分析するにあたっては、苦労したことはありますか?

芳竹:これは鷲田さんどう?

鷲田:私は、手段の選定含めたデータ分析PJ全体をコーディネートすることを担当していました。
分析PJを始めるにあたっては、一番最初に目的・ゴールを明確にすることがとても大事だと思っています。
これを怠って、今手元にあるデータから、とにかく分析をやってみようと始めると、あとから本当に大変で、、、

芳竹:何に向かって進んでいるのかということをはっきりさせて関係者で共有すること、そして、その分析結果を何に使うつもりなのか、見失わないようにすることが大切だと我々は常々データ分析PJの関係者にお伝えしていました。

記者:それらを怠るとどうなるのですか?

芳竹:分析精度を追い求めて抜け出せなくなったり、「いい結果ありがとう」で終わってしまいます。

鷲田:どんなにいい分析結果が出たとしても、その結果を使ってもらって初めて成果に繋がると我々は思っています。
目的・ゴールを明確に、最後に分析結果を何に使うつもりなのかを見失わず最後まで走りきることが、分析PJでは大切なことです。

記者:前回のインタビューの中で、zoomAIを活用した部品在庫最適化のための需要予測を鷲田さんが担当したとお話しがありました。こういった、従来人間が行っていたことを機械に代替させるような事例が最近多いように思いますが、こういった分析ならではの難しさはありますか?

鷲田:AI活用だけではなく、RPA活用も含め、従来の人間が行っていた作業を機械に置き換えて、オペレーション面で変革を起こそうとすると、現場の人から、「私の仕事はそんな単純なものではない」と反発される場面があるかもしれません。

記者:反発ですか。確かに、自分の仕事がなくなってしまうかもしれないと思うと、一従業員としては、この先どうなってしまうんだろうと焦ってしまいますね。

鷲田:実際、RPAやAIを適用したい業務の意思決定プロセスが単純ではないため機械に置き換えられない場合もあると思いますし、そのまま置き換えられる場合、プロセスを少し見直せば置き換えられる場合など、様々あると思います。
そのあたりの見極めはとても重要ですし、テクノロジーありきで考えるのではなく、業務全体像を理解して判断するという難しさがあると思います。他にも、機械に置き換えてオペレーション面で変革を起こすためにはこれまで従事していた人間の知見をいかにデジタルの世界に落とし込むかという点も難しいと思います。

記者:昨年はRPA活用もブームでしたもんね。
新聞でもよくRPA活用の記事を見ました。NECの中ではどうですか?

鷲田:昨年は我々zoomBICC機能の業務の中でもRPAを活用して月次のデータ取り込みなどを自動化することを試みました。我々の部門以外にも、たくさんの部門がRPA活用を始めていると聞いています。2017年のiEXPOでもNEC社内でのzoomRPA活用事例をご紹介しました。

記者:ありがとうございます。
今日のインタビューで、NEC自身がデータドリブン経営ができるように、マーケティング領域でBICC機能がどのような取組みをされていたのかや、そこでの苦労などを知りました。

芳竹:この2012年からのzoomBICC機能の活動により、データに基づき意思決定する文化が社内に広がり、現在はBU内部の分析ではなく、コーポレートの調査・分析チームとなっています。
NEC自身のデータドリブン経営に一歩前進したと思っています。

記者:NEC自身のzoomBICC機能での取組みにより、こういったデータ分析組織のあり方や、データを集める方法、分析基盤や分析ツールなど手段選定、その導入プロセスなどの知見がNECの中に溜まったのではないかと聞いていて感じました。

鷲田:ありがとうございます。もし今日お話ししたような内容に興味を持っていただけましたら、個別にご説明したいと思います。
NTTさまで、困りことあればお声掛けください。
NTTさまと課題共有して、一緒になって解決していきたいと思っています。

是非、エバンジェリストに泥臭い実際のDX構築について、聞いてみたい方は、ご連絡ください。