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西川物産株式会社
代表取締役社長
西川 泰央 氏
西川物産株式会社
SP事業部 次長
今野 忠司 氏
自動車部品の需要増を受け、納期を含めた品質の向上を早急に実現する必要がありました。
「西川スタンダード(米国)に赴任していた時に、アメリカ人は間接的な仕事の手際が良いなあという印象を持ちました。彼らは間接的な業務をうまく標準化して実際に残業もほとんどしていませんでした。家庭を大事にするという面もあったと思います。」
と20年前を振り返るのは代表取締役の西川泰央氏。
西川社長は米国から帰任後、情報管理分野も経験され現在は西川物産勤務となられていますが、米国との対比については、「当時まだ日本ではPCの活用も遅れてましたし、やり方も人それぞれという事が多かったように思います。アメリカはマニュアル社会といわれますが非定型業務を定型化する能力に秀でているのかもしれませんね。」とも。
改革を進める上で西川社長は、
「業務効率を高めるためのキーワード【ECRS(Eliminate,Combine,Rearrange,Siimplify)】があり、どこまでいってもこれを念頭に置く事が大事です。それと、コンピュータシステムが整備されても使うのは人。マニュアルを守らないと業務の品質も向上しません。」とのことで、「ルールを守る風土」をISOの品質方針に掲げられています。今回の新システム導入時でも一番大切にしたのは「事前教育」とのことでした。
「自動車部品の需要増を受け、納期を含めた品質の向上を早急に実現する必要がありました。」
とシステム導入時の事を語るのは、SP事業部次長の今野忠司氏。
今野氏は新システムの検討責任者に任命され、最初に既存システムの活用状況の調査を開始。「それまで使用していた統合システムは私どもの要望にあわせて、専用に一から開発されていたものでした。個々を見てみると弊社のやり方に沿って作られているため関係者の要望をほぼ100%満たしたシステムである事がわかりました。」
しかしそのシステムを捨ててまで新たにパッケージを採用したことについて、今野氏は次のように語ります。
「例えば、材料発注はベテラン社員一人の頭の中が全てでした。一人で一日50枚もの発注伝票を手書きで発行し、その結果をまたコンピュータに入力していたのです。つまりその社員の仕事プラス入力といった結果的に作業が増えるシステムになっており、全体として業務効率化につながる流れが出来ていませんでした。今回、パッケージを採用したのは業務の流れを変えるといったことも大きな目的でした。」今野氏は続けて、「多額の投資をして構築してきたシステムの更新を進言したときに、上層部にGOサインを出して頂けました。大英断だったと思います。」と語られました。
「電脳工場を採用したのは、基幹システムとしての拡張性が優れているという事もありますが、提案して頂いた広島情報シンフォニーさんの存在が大きかったです。弊社はそれまで広島情報シンフォニーさんとは取引はありませんでしたが、地元の企業で優れたSEを多く抱える企業という評判は聞いていました。」と西川社長。
今回、広島情報シンフォニーは電脳工場とシームレスにマスター連携出来る「見積管理システム」をアドオンで作成しましたが、「単なる見積システムではなく進捗も見れる見積管理システムであることが重要なんです。」とは西川社長の弁。
今野氏が続けて、「弊社の製品は自動車の開発過程でも利用されていますが、設計変更が頻繁に発生するため、すぐに見積を作成し、試作品のための製品を供給する必要があります。そのため営業の仕事は見積書を作成する事と言っても過言ではないほど多くの見積を作成します。また受注したらすぐに製品の製造・出荷を行わなくてはなりませんが、その時点で一から品目マスターの入力をしていたのでは効率が悪すぎます。今回開発して頂いた見積管理システムは、見積作成後に、受注した新製品のマスターを電脳工場に自動登録をする事が出来るため、大変助かっています。」と語られました。
西川物産様のシステム構成イメージ
「導入効果としては、まず事務工数の大幅削減があげられます。」今回電脳工場の導入による効果について今野次長は次のように語ります。「具体的には例えば、受発注、売上・仕入の処理ですが、従来8.5人かかっていました。これが新システムの特性を生かし、人員配置の見直しをかけることで4.5人で実施できるというのが当初の目論見でしたが、現在では3.5人で実施できています。」
西川物産様では今回システム導入に際して業務の流れの大幅な変更に併せ、人員の再配置を重要視し、他部署を含めた見直しをかけられたそうです。従来の「製品知識の豊富な人」が業務の中心にいるという配置に対し、画面を見れば誰でもできるといった業務にすることで「システムを使いこなせる人」が中心にくるような配置が重要となったとのこと。
結果、システム担当者は業務を、業務担当者はシステムを相互に理解・補完しながら業務改善ができるような体制が出来上がっていったそうです。
「次にあげられるのは発注方法の変更による納期遅延の撲滅です。」と今野氏は続けられます。
「これまでの内示ありきといった考えではなく、内示、在庫、発注先を考慮して専任担当者が発注データを2週間のリードタイムを持って作成後、発注するといった形態にシフトしました。このことは発注という自社都合での変更が容易な事柄を積極的に活用するという発想の転換により生まれました。しかし、このことは現状が画面で容易に認識できるといったシステムなしには実現できなかったことでした。これにより、取引先との確認もスムーズに行なうことができるようになり、納期遅延でバタバタするといった事もなくなりました。またFAXの自動発行システムを導入したことで注文書を社内で印刷~手動でFAXといった事をしなくてすむようになり、副次的効果として紙の使用も大幅に削減することができました。」
西川物産様では、現在、決算処理のリードタイム短縮を目指して経理システムとのデータ連携、営業 のノウハウを会社の財産として継承できる仕組みの構築、製造現場の改善を進める指標となるPOP端末の導入をパートナーである広島情報シンフォニーと共に検討されています。「100年に1度の未曾有の経済危機が10年も20年も続くはずはない。」大変な経済状況の中、西川物産様を訪問させていただき、前に進む勇気を与えていただきました。
※ECRS(排除、統合、順序の変更、単純化)
(本事例は 株式会社広島情報シンフォニー と連携して提供しています)
会社名 | 西川物産株式会社 |
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設立 | 1962年12月 | |
資本金 | 2,120万円 | |
住所 | 〒731-0137 広島市安佐南区山本2-1-27 | |
従業員数 | 169人 | |
事業内容 | 工業用化成品加工・化粧用パフの生産、金型製造 | |
URL | https://www.nishikawa-bussan.jp/ |
※掲載されている会社名および商品名は、一般に各社の商標または登録商標です。
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(2009年3月16日)
西川スタンダード(米国)に赴任していた時に、アメリカ人は間接的な仕事の手際が良いなあという印象を持ちました。彼らは間接的な業務をうまく標準化して実際に残業もほとんどしていませんでした。家庭を大事にするという面もあったと思います。