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働き方×AI×アロマ NECがテクノロジーで拓く健康経営の未来
2026年8月4日

AIで野菜嫌いの子どもでも食べられるプリンのレシピを開発したり、恋愛の気持ちを再現する味のパンをつくったり…NECはAIを活用したユニークな取り組みを展開し、「体験」や「共感」といった領域にも目を向けることで、AIの可能性を広げてきました。そんなNECが新たに注目したのが、「働き方そのもの」へのAI活用です。効率化や自動化といった従来の枠を越え、職場環境の改善や社員一人ひとりの活力向上に結び付けることができるか――そうした想いからスタートした新たな価値創造への挑戦が、AIアロマの取り組みです。
職人技をAIに――テクノロジーが生み出す、新たな香り
「AIアロマ」に注目した理由。「AIを活用すれば、気分転換や集中力アップなど、それぞれの働き方に寄り添った香りを提案できるのではないかと考えたんです」と、NEC AIビジネス・ストラテジー統括部 AI戦略開発グループの岩科智彩は説明します。

アロマの調合には従来、「センティングデザイナー(調香師)」と呼ばれるプロの感性や経験が欠かせませんでした。今回、NECのAIエージェントを活用することで「熟練の技」の再現に挑戦します。
まず、センティングデザイナー(調香師)が使用している研修資料や設置場所のパースなどを活用し、AIがコンセプト作成や空間・利用シーン分析を実施。さらに、画像や空間情報など膨大なデータの処理には、NECの技術も活用しています。香りや気分、といった言語化や定量化が難しかった領域をAIがデータとして捉えることで、新たな発想や調合につなげています。
岩科は「NECだからこそ実現できた高度なAIの活用でした」と、その成果を振り返ります。人の感性とAI、それぞれの強みを掛け合わせて創出したのは5種類の新たな香り。その価値を、実際の職場で活かすために、NECは社内実証に踏み出しました。

働く環境を改善する――AIアロマがもたらす、新しい健康経営の可能性
職場環境を改善して従業員のパフォーマンスを向上させる取り組みは「健康経営」の重要な施策の一つです。健康経営はNECがPurpose(存在意義)に掲げる「安全・安心・公平・効率という社会価値の創造」の実現にも欠かせないアプローチとして、重要度が増しています。
一方、「健康」に興味を持つのは一定の年齢層や意識の高い社員に偏りがちになるという課題もありました。「全社的・横断的に底上げしたかった」と語るのは、社内で健康経営を推進するNEC エンプロイーリレーション統括部 ヘルス&ウェルビーインググループの山本美緒です。

山本の問題意識に呼応するかのように、岩科のチームから持ち込まれた「AIアロマ」の提案。最初にこの提案をきいたとき、山本は「あ、いいな」と直観的に感じたといいます。「アロマなら、これまで健康施策に興味を持たなかった若い世代にも広がる期待をもちました」。

今回の社内実証では、社員のスケジュールやバイタル情報を独自のAIで解析し、その状態に合わせてAIで創出した5種類のアロマからおすすめの香りを提案しました。
実際、実証の初日から多くの社員が気軽にAIアロマを体験。既に400人以上の社員が参加し、「頭がすっきりした」「集中力が高まった」といった声が相次いで寄せられました。アンケートでは半数以上が「業務パフォーマンスの向上」を実感。8割が「今後もAIアロマを使いたい」と回答しています。
健康経営は進化する――テクノロジーの活用と未来への期待
実証を通じて、香りの好みや継続利用の課題も見えてきました。社員一人ひとりに合わせた“ちょっとした気づき”や“寄り添い”をテクノロジーでどう実現するか。社内では、よりパーソナライズされたレコメンド機能や、ポップアップによるリマインド、自動化の仕組など、新たな議論が始まっています。
従業員のパフォーマンス向上に向けて、岩科は「NECらしい、データやAIを掛け合わせた新しい健康経営施策として進化させたい」と展望を描きます。山本も「NECグループ10万人を超える社員の多様な働き方や環境に施策を届け続けるためにも、テクノロジーの活用が不可欠」と語り、健康経営への活用の可能性を探っていく方針です。

社員一人ひとりの状態や価値観に寄り添い、豊かな職場と社会を実現する。NECは、テクノロジーがもたらす「新たな健康経営のカタチ」をこれからも追求していきます。