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BluStellarが導く「社会とお客さまの価値創造」 NEC自ら変わり続けて変革をリード

2024年5月にNECが発表したお客さまの変革を成功へ導く価値創造モデル『BluStellar(ブルーステラ)』。登場から1年半、その成長は目覚ましく、2025年度は目標の売上収益6240億円達成に向けて順調に推移しています。BluStellarが奏功した要因はどこにあるのか、そして、さらなる成長戦略をどう見据えているのか。同事業をリードするNEC Corporate EVP 兼 デジタルプラットフォームサービスビジネスユニット長の木村哲彦に尋ねました。

BluStellarはお客さまを未来へ導く、価値創造モデル

「夜空で最も明るく輝く星のように、社会や人々、そしてお客様が進むべき未来へ導く目印になる」、そんな思いを込めて名付けられた『BluStellar』。木村は、その概要をこう説明します。

「NECが2019年から本格的に取り組んできたDX事業の実績とNEC自身のデジタルトランスフォーメーションの成果をもとに、コンサルティングからサービスデリバリー、運用・保守という一連のサイクルをEnd-to-Endでフルサポートする。それがBluStellarです」

「お客さまが何かを創り出そうとする時に、NECから様々な“洗練されたアセット”を提供しますよ、というのがBluStellarの考え方」と話す木村。自社を“クライアントゼロ(0番目の顧客)”と位置付けることで得られた知見・ノウハウもお客さまに提供しています。

木村は1993年に新卒でNECに入社。その後30年間、金融マーケットの事業畑を歩んできました。

「私は2004年から約20年、三井住友銀行様の勘定系システムを担当してきました。特に印象深かった仕事は、担当してから初めて経験した前回の勘定系システムの更改であり、元々NECのメインフレームで稼働していた勘定系システムをメインフレームのまま更改するか、世の中のオープン化の潮流に対応するため新たなプラットフォームへ更改するかの選択を実証検証し、メインフレームで更改を完遂した大規模プロジェクトです」

このプロジェクトは約10年にわたる大きな取り組みでした。銀行の「魂」ともいえる元帳を守りながら、多様なステークホルダーとともに新技術への対応を進め、社会インフラとしての銀行の勘定系システムを維持・発展させること。ここでの経験は、当時営業部長だった木村にとって大きな学びとなったと言います。さらに、木村はこう続けます。

「セブン銀行様の第4世代ATM開発では、機能や性能をバージョンアップさせるだけでなく、『ATMを活用した新たなサービス創出』に取り組みました。世の中に必要とされる“新しいもの”を、あるべき姿からバックキャスト(逆算)して創出する取り組みは、今考えるとBluStellarにも通じるものがあります」

2021年に金融担当の役員となり、2024年4月にはBluStellarの前身にあたる事業の推進部門長に任じられました。そのときの心境は、いまでも鮮明に覚えているといいます。

「NECは2019年から自社のDXに取り組み、社内システム、お客さまへのアプローチ、組織・人材育成などを大きく変えてきました。その上で、いよいよBluStellarを発表することが分かっていた。NECのビジネスモデルを大きく変える役割を担う部門を引っ張っていけるだろうか、というプレッシャーはありました。一方で、こんな大きな仕事に携われる機会は一生に一度かもしれない。“よし、やるぞ”という気持ちの方が勝りました」

かつてのNECは、お客さまの要望にあわせて製品・サービスを提供する個別最適型のビジネスが中心。結果として、そのケースが横展開されにくいという課題を抱えていました。BluStellarはこの構造を全社最適へと転換。社内に散らばっていた製品、サービス、アセットを集約し、幅広い業種・業界で繰り返し展開可能な「型化」を実行しました。

最大の強みは「三本柱の総合力」

BluStellarの強みは、「ビジネスモデル」・「テクノロジー」・「組織/人材」の三本柱にある、と話す木村。

「BluStellarのビジネスモデルは、約500を超えるDX商材やサービスで構成される『BluStellar Products & Services』、DX商材とサービスを組み合わせた約150の『BluStellar Offerings』、戦略コンサルから構築、運用・保守まで最適なオファリングを組み合わせた約30の『BluStellar Scenario』で構成されています」

「テクノロジーでは、NECの歴史の中で培ってきた技術が強みになります。特に、AIとセキュリティは高い競争力を有する領域です。組織/人材では約12000人のDX人材に加え、グループ会社も含めたコンサルタント約10000人が構想段階からお客さまに伴走します。BluStellarの最大の強みは、この3軸すべてを結びつけて提供できる総合力です」

大手企業をお客さまに持つエンタープライズビジネスユニットでは、構想段階からアプローチし、「BluStellar Scenario」を中心に提案。官公庁や地方自治体などを担当するパブリックビジネスユニットでは、官公庁・地方自治体向けに特化した「BluStellar Scenario」や、導入実績のある「BluStellar Offerings」「BluStellar Products & Services」を横展開していく、と説明する木村。

今後は、通信事業者向けネットワーク事業や航空宇宙・防衛向け事業などを手がけるテレコムサービスビジネスユニットやエアロスペース・ナショナルセキュリティビジネスユニット、グローバルビジネスを手がけるDGDFビジネスユニット、そしてNECグループ会社などへのBluStellarの展開も視野に入れたいと話します。

「NECグループ全体の事業をBluStellarで支えていきます。例えば今後、サイバーセキュリティを始めとする安全保障分野の様々なインテリジェンスを民間に転用する流れが加速すると見込んでおり、その中でもBluStellarは価値を発揮できると考えています」

BluStellar人材育成をさらに推進

木村は、2025年11月の『NEC IR Day 2025』で、「売上収益1兆円、営業利益率20%」というBluStellarの将来目標に言及。実現のために、「BluStellar Scenarioの浸透・拡大」、「AI・セキュリティによる競争優位性」、「マーケット拡大戦略」に注力すると述べました。

この3つに加えて重要なのが人材です。BluStellarを推進できる「ビジネスコンダクター」と「プロダクトマーケティングマネージャー」を増やす方針も明らかにしています。

「BluStellarに求められているのはコンサルだけでなく、上流から下流までの一気通貫のフルサポートです。お客さまの課題から中長期のロードマップやグランドデザインを描き、最適なシナリオをもとにお客さまに伴走し、課題解決にコミットできる人材を育てたい。それが、ビジネスコンダクターです」

「プロダクトマーケティングマネージャー」についてはこう説明します。

「お客さまの課題を包括的に解決するために、市場分析や潜在的な顧客経営課題を捉え、新たな高付加価値シナリオを創る司令塔です。シナリオ創出プロセス全体をマネジメントし、市場環境やお客さまの状況に応じて柔軟に提供シナリオを組み替えていく役割を担います。次期中計では、この2つの役割をもつ人材の育成を強化し、お客さまの経営課題に対する価値提供を迅速化していきます」

お客さまの変革をリードするのは私たちNEC。木村は決意を改めて語ります。

「NECは創業以来、変化を重ねてきました。社会やお客さまの変革をリードし続けるために重要なのは、われわれ自身が “先に変わり、変わり続ける” ことです。われわれはこの先も、自ら変化を起こす存在であり続けます」

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