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3日で生成AIアプリを完成させよ NEC1年生がハッカソン挑戦 表彰側「感動した」
2025年12月11日

「ちょっと感動しました」。社長兼CEOの森田隆之が表彰式で思わずこう語ったのは、NEC1年目の社員が参加した「生成AIハッカソン」でのこと。2025年10月、生成AIを活用するアプリケーションを開発して競うコンテストには100人が参加。わずか3日間でゼロから完成させたアプリの出来に社長がうなっただけではなく、参加した1年目の社員たちにも大きな収穫がありました。


ハッカソンとは、Hack(ハック)とMarathon(マラソン)を組み合わせた造語で、大学や企業などからも注目を浴びています。NECとして新卒1年目の社員に限定した「生成AIハッカソン」を開催するのは今回が初めて。
「みなさん自身が生成AIの価値をお客様にわかってもらうエバンジェリストになってほしい」。司会者は冒頭にこう強調。NECがハッカソンを開催したのは、意欲ある若手社員への挑戦機会の提供に加え、「AIネイティブ社会の実現」をリードする会社の姿勢も背景にあり、全社的にAI活用を加速させていく取り組みの一環でもあります。
ハッカソンの評価ポイントは「ビジネス価値」「革新性」「完成度」。NECのビジネスや経済的価値につながればOKです。いよいよ3日間のハッカソンがスタートし、20チームに分かれてまずはアイデアを出し合います。


「スキルセットのミスマッチ」「必要な会議が設定されてない」「上司の指示がないと連携出来ない」…事前に考えてきた課題を書き出します。そのうえで、「それもうあるんじゃない」「これと似てる」といった分類や整理を進行。「 更新できる仕組みになってるのかな」「これだと連携が弱い」といった指摘を出し合い、前半のアイデアソンだけでも大盛り上がり。「職場の課題の分析ができた、来てよかった」という声も飛び出します。
その後アプリケーションの構成を検討し、最終日に持ち時間5分の発表に臨みます。審査員はCTOの西原基夫を筆頭にNECのAIをリードする面々がそろい踏み。



「突然ですがみなさん、成長したくないですか」という呼びかけで始まったのは「ストイックOJT」というアプリの紹介。「しかられて伸びるって難しい、パワハラのジレンマもある」という背景をもとに、フィードバックの「厳しさ」を選択できる仕組みです。別のアプリ提案では、簡単な言葉か、専門用語込みかを選べる仕組み。これには審査員から「スキルレベル設定はめちゃめちゃいいなと思った。難しい言葉を難しくしゃべっちゃうのがNECの課題なので」などと熱いコメントが続々寄せられました。


最優秀賞は社内の人材情報から案件に適切なスキルを持つ従業員を探すためのアプリを開発したチーム。審査員長の西原は「僅差だった」とした上で「すでに動いているものと連携できそうなものも多く、ぜひリンクしてほしい」と期待を寄せました。表彰に駆け付けたCEOの森田も予定外に質問をはさむなど興味津々。最優秀賞以外に参加者の投票で決まった「聴衆賞」に対して「すごい完成度、すぐビルトインするといい」と称賛しました。


その聴衆賞のメンバー。同期仲間で誘い合って応募したといいます。「ゼロから完成させて発表までやることは普段はほぼない」といい、「いい経験になった」と満足気。また、審査員のコメントにも気づきは多く「自分たちはまだ狭い範囲しかしらないけど『昔からある問題』といわれ、問題の深さと広がりを感じた」と振り返ります。
AIをネイティブに使いこなし、あっという間に実装レベルにもっていく。NECの社会価値創造の原動力が、着実に成長しつつあります。
