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NECサイバーセキュリティの最前線 「.JPを守る」新たなセンター稼働に高まる期待
2025年10月16日

デジタル化が加速し、サイバー攻撃の脅威が複雑化かつ高度化する現代、NECのサイバーセキュリティ事業も変換点を迎えています。2025年5月、NECは「.JP(日本のサイバー空間)を守る」という新たなミッションを掲げ、サイバーセキュリティ事業の強化を発表しました。その中心が、NECが強みとするAI技術を駆使した新たな防御の要「Cyber Intelligence & Operation Center」です。2025年度下期の本格稼働に合わせ、日本のデジタルインフラを守るNECの取り組みを、サイバー防御の最前線にいるメンバーに尋ねました。
世界レベルのサイバー防御 一企業が挑むインパクト
「.JPを守る」。メディア各社が集結した5月8日の説明会でNECが宣言したミッションは、大きな反響を呼びました。「随分風呂敷を広げたね、と言われました」と話すのはNECサイバーセキュリティ事業の戦略を担う奥隆行。サイバー攻撃の被害額は8兆ドルとの試算もあり、世界規模の問題となっています。そんな中で「日本」を守るという「それだけ大きなことに一企業が挑むことにインパクトがあったんだと思います」と奥が振り返ります。
サイバー被害が甚大になっているのは、攻撃の手口が巧妙化しているから。実態について「侵入される『ドア』を閉めるだけでは守れなくなってきた」と奥は話します。また、NECのAIセキュリティの研究開発をリードする藤田範人は「急激に発展した生成AIによって攻撃のバリエーションも格段に増えた」といいます。そこで今、焦点となっているのが、脅威の「予兆」を把握し先手を打つことです。
先手型の防御にパラダイムシフトする軸として新設されたのが「Cyber Intelligence & Operation Center」です。ここで何をするのでしょうか。

奥 隆行

藤田 範人
「予測して先手を打つ」NECの人材と知見があるから
このセンターは、NECの中央研究所で培われた基礎研究から、システム構築・運用における現場のノウハウまでを活用した次世代のSecurity Operation Center(SOC)です。サイバー脅威の監視だけでなく、サイバー攻撃の予兆把握から、インシデント発生時の対応支援や報告まで、まとめてお客さまに提供することができます。
従来のSOCがアラートを基にした事後対応が中心だったのに対し、NECの新たなセンターは予兆検知と先手防御を可能にする能動的なセキュリティオペレーションを行うのが特長。これまでは見つけられなかった攻撃や、侵入後の対処では手遅れになる課題解決が可能になります。奥は「例えるなら天気予報をみて傘を持っていくようなもの。攻撃の予兆を察知して予測することで、守る側に有利な状況を作り出せるんです」と力を込めます。


センターの根幹を支えるのがNECが開発した生成AI「cotomi」です。「国産の生成AIは『.JPを守る』ための重要なポイント」と藤田は話します。センターで扱うデータは、お客さまの機微情報や個人情報も含まれるため、海外AIより国産AIを活用した方が流出のリスクが低く「安全・安心に分析できる」といいます。

cotomiは、膨大な情報の分析に加え、レポート作成やリスク算定などに幅広く活用されます。これによりセキュリティアナリストはこれまで時間のかかっていた定型業務から解放され「貴重なセキュリティオペレーションセンターの人材を、より戦略的な業務に充てていくことが可能になる」と藤田は強調します。
セキュリティやAIに関わる人材の量と質も、NECの強みです。2024年にNECに入社した奥にとってNECの人材力は「驚きだった」といい、新卒入社でNEC一筋の藤田も「生成AIを一からつくれるだけのタレントがそろっている」と胸をはります。
プロフェッショナルが「暮らしを守る」 それがNECの使命
Cyber Intelligence & Operation Center は、日本国内だけでなく、北米、APAC(アジア太平洋地域)、欧州にもオペレーション拠点を設置します。「.JPを守る」のミッションとして「グローバルに展開されている日本企業を守ること。日本企業の海外拠点を含めたサプライチェーン全体を守るのがこのセンターです」と奥はその狙いを明かします。
研究所で培った力とお客さまと向き合ってきた現場力を土台に、NECのサイバーセキュリティ事業は、大きく変わろうとしています。「.JPを守る」の宣言を起点にサイバーセキュリティ事業の強化に大きく舵を切り、会社としてもNECがPurpose(存在意義)に掲げる「社会価値創造」の根拠となるテクノロジーの代表格にサイバーセキュリティは位置付けられています。

「NECのお客さまは、日常を支える社会インフラ企業が多い」としたうえで「私たちがサイバーセキュリティを守ることは、みなさまの日常の暮らしを守ることに繋がります」と藤田は力を込めます。サイバーセキュリティは「頑張れば頑張るほど何も起きない。何事も起きないことこそが、私たちの実力の証明です」と奥が語るように、サイバーセキュリティのプロフェッショナルたちは、今日も静かに、しかし確実に私たちの日常を守り続けています。
当たり前の日常をサイバー脅威から守り抜くために。NECのサイバーセキュリティの挑戦と進化は、これからも止まることはありません。その重要な拠点として、Cyber Intelligence & Operation Centerが動き出します。