【導入前の課題】
見えない顧客像と精度が不透明なターゲティング
はじめに、貴社の事業概要をお聞かせください。
ワインバイヤー 森山 明日香氏
森山氏
弊社の主力事業は、自社通販サイト「オールドビンテージ・ドットコム」によるワインの小売販売です。また、サブスクリプション型の「頒布会セレクション」では、約2万人のお客様に、毎月ワインをお届けしています。お客様がワインについての学びを深めていただけるよう、さまざまなコンセプトやテーマを設けて、ワインに込められたストーリーを、バイヤーの思いを添えてお届けしています。さまざまな年代のワインを取り扱っており、ヴィンテージワインに関しては“国内最高クラス”の品揃え。我々バイヤーが現地セラーから直接買い付けを行うことで品質の高い希少なワインの調達を実現し、ワイン愛好家の幅広い注文に対応できる体制を整えています。
導入前はどのようなマーケティング課題がありましたか?
森山氏
我々バイヤーは、自分にあったワインを探されているお客様に最適な商品をお届けしたいと願っています。しかし、弊社は実店舗を持たない通販型ショップのためお客様とダイレクトに接する機会が少なく、ニーズが見えづらいという課題があります。特に新規顧客の創出、開拓に課題を感じていました。
また、当社では大手クレジットカード会社の会員向けDM発送サービスを利用しています。会員数が非常に多いため、全員ではなく特に購買意欲の高いお客様に絞って届けたいと考えていました。しかしそのセグメント抽出は自社では行えず、不透明。ターゲティング精度を高める手法を模索していました。
そして、当社のバイヤーは施策の立案やキャンペーンの内容、そしてサイトに掲載するコピーやクリエイティブも、すべて自分で行います。長いお付き合いのデザイン会社と壁打ちしながら進めていますが、特に課題を感じていたのはA/Bテストです。DMなど紙面での展開はWebに比べA/Bテストがしづらく、お客様からの反応は売り上げの数値のみで、把握に約3カ月かかります。もっと施策改善のサイクルを早めたいと感じていました。
【BestMove®導入効果】
データに基づく顧客理解で売上UPを達成
今回、BestMove®を活用して、どのような効果がありましたか。
森山氏
「晴れの日の乾杯に。」という弊社のコンセプトにマッチするターゲット顧客層を詳細に分析したところ、「家族を大切にする人、飲食を楽しむ人向けのクリエイティブの方が良いのではないか」といった具体的なアドバイスが得られました。これまでも漠然と「ご家族でワインを楽しんでいる」というイメージはあったものの、私たちはワインの高級感を強く打ち出していました。ところが、もっとお客様に寄り添った訴求が有効なのでは、と気づかされました。これは分かっているようで分かっていなかった部分だと感じました。
具体的に、どのような施策での成果が得られましたか?
森山氏
大手クレジットカードのDM発送サービスの対象リストにおいて、通常のセグメントに1万通、BestMove®で生成したセグメントに1万通と出し分けてA/Bテストを行った結果、これまでアプローチできていなかったお客様にしっかりと届けられたことで、新たな売上が作れたと感謝しています。
どのようにして、その成果が得られたのでしょう?
森山氏
BestMove®で大手クレジットカード会社のユーザーデータベースを活用し、より購買意欲の高いお客様を特定しました。BestMove®の顧客分析AIは、クレジットカードの決済データとNEC独自の属性拡張技術を掛け合わせて、一人ひとりの趣味嗜好性やライフスタイルをリッチに分析できます。この機能によって、「ワインを通じて家族や友人と特別な時間を感じたい」など、より詳細な顧客クラスターを特定し、その特徴や潜在ニーズに応じた施策立案が、瞬時に行えます。もしこの作業を人手で行えば数日から数週間、それでも実現できないかもです。ビッグデータを扱う画面もサクサクと動き、ストレスなく利用できます。
クリエイティブ制作の質や効率面では、どのような効果が期待できそうでしょうか?
森山氏
BestMove®は、ターゲットに合わせたキャッチコピーやビジュアルの提案もしてくれます。今回は時間の関係でクリエイティブには反映できませんでしたが、もしこれらも活用できれば、さらに効果が高まると期待しています。BestMove®が提供する具体的なビジュアルのアイデアや、ターゲットの趣味嗜好性に基づいたキャッチコピーの提案は、クリエイティブの質向上と効率化に貢献すると感じました。
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【今後への期待】
AI活用で顧客体験と販促戦略の深化に期待
今後の展望や、BestMove®の利用拡大についてお聞かせください。
森山氏
BestMove®の使い道は無限大だと感じています。今回はターゲットリストの精度向上のみに活用しましたが、今後は、今回できなかったクリエイティブの部分でも使ってみたいです。ターゲットに合わせたキャッチコピーやビジュアルを変更することで、さらに効果が高まると思います。
また、今後は自社の会員データベースにもBestMove®を活用し、ロイヤルカスタマーへのターゲティングを進めたいと考えています。2万人の会員様に対し、よりパーソナルな顧客属性の解析が行えることで、さらに響く商品企画、訴求方法の検討などで、大いに威力を発揮するでしょう。
さらに、DMだけでなくオンラインにも活用したいです。自社ECサイトの効果をさらに高めるため、既存ページのキャッチコピーを変更してのA/Bテストを行うなど、効果測定しやすい形での活用を検討しています。無駄な工数をかけずに、より効率的なベストプラクティスを見つける作業が短期間で実現できると感じています。
それでは最後に、BestMove®への期待、ご要望をお聞かせください。
森山氏
私たちバイヤーもChatGPTなどの生成AIを使っていますが、第三者の意見や、より根拠に基づいた答えが欲しい。BestMove®は生成AI活用に加えてビッグデータの裏付けもあり、非常に信頼できます。また、NECのプロフェッショナルがサポートしてくれて、活用定着に向けて伴走支援してくれる点も、とても心強いです。
ワインは趣味嗜好性が高く、一人ひとり選ぶポイントが微妙に違うため、すべてのお客様に響く施策を打つのが難しい商材です。BestMove®を活用することで、それが少しでも簡単にできるようになると嬉しいです。BestMove®がお客様との橋渡しとなり、距離を縮めてくれることを期待しています。
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