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車いすテニスってどんなスポーツ?
No Borders for Dreams Vol.1
その魅力と進化の軌跡
NECは、「誰もが夢を抱き、挑戦できる社会」の実現を目指し、30年以上にわたり、 車いすテニスを応援してきました。
「No Borders for Dreams」シリーズでは、車いすテニス界のレジェンド 国枝慎吾さんとともに、車いすテニスの魅力や挑戦する人々を紹介。挑戦の物語を通じて、誰もが“自分の夢に一歩踏み出す”きっかけを届けていきます。
シリーズVol.1では、まずみなさんに車いすテニスの魅力とNECが車いすテニスを支援してきている意義をお伝えします。
車いすテニスの魅力

みなさんは「車いすテニス」にどんなイメージを持っていますか。
試合を観たことがなく、ルールもわからないという人がほとんどかもしれません。けれど、一度でもプロの車いすテニスを観戦すれば、そのダイナミックなプレーに心を奪われるはずです。車いすテニスの大きな特徴のひとつに、ルールが一般のテニスとほぼ同じという点があります。違いはツーバウンドまでの返球が認められていることだけです。
競技用車いすの進化はめざましく、選手たちの動きは驚くほど俊敏です。しかし、それだけではありません。選手たちのフィットネスや技術、戦術の精度を高めるためのたゆまぬ努力、そして常に勝利を追い求める意志の強さが、この競技をここまで進化させてきました。車いすを激しく旋回させながら放たれる力強いドライブボレーやスマッシュは、車いすテニス独自のダイナミズムを感じさせます。
それは長年、車いすテニス界をけん引してきた国枝慎吾さんが目指してきたテニスのスタイルと重なります。「僕らはサイドステップができないので、車いすでターンしながら、時には健常者より広くコートを使います。こんなボールまで追いつくのか、と驚かれるのが車いすテニスの醍醐味です。僕はサーブ&ボレーのように前に出て攻めるスタイルを取り入れてきました。それが広がってプレーが多彩でテンポも速くなり、見ていて楽しいテニスになったと思います」
NECと車いすテニス

車いすテニスは、今ではプロテニスの最高峰・グランドスラム(4大大会)で一般部門と併催されています。プロテニスは世界的なメジャースポーツです。その同じステージでプレーできることこそ、車いすテニスがパラスポーツの中でも際立った存在感を放つ理由のひとつです。マラソンや自転車競技、競泳などでもインクルージョンな取り組みは行われていますが、現時点ではテニスが最も進んでいるといえるでしょう。
そのステージを築くまでには、多くのアスリートの努力や挑戦、そして企業や団体の継続的な支援がありました。NECもその中心的な存在のひとつです。1992年にITF(国際テニス連盟)主催の車いすテニスツアーの協賛をスタート。以降30年以上にわたり、「NEC Wheelchair Singles Masters」をはじめとする国内外の大会を通じて、「障がいの有無にかかわらず、誰もが挑戦できる社会を目指す」という信念のもと車いすテニスの発展を支えてきました。
その継続的な支援は、競技環境の整備や国際的な認知度の向上に大きく貢献し、ITFや選手たちからも「NECの支援なしには今日の車いすテニスはなかった」と高く評価されています。
国枝慎吾さんの“挑戦”と、車いすテニスの“進化”

国枝さんはこう語ります。
「NECと車いすテニスの関係は本当に深くて、僕が高校生のときに初めて海外の試合に出たときも、コートの後ろにNECのバナーがありました。日本の企業が世界で車いすテニスを支えているんだと、本当に心強かったのを覚えています。」
NECが長年にわたり築いてきた“土壌”の上で、国枝さんは自らの“挑戦”という種をまいてきました。
当時、パラスポーツの世界でプロとして活動する選手はほとんどいませんでした。すでに世界ランキング1位だった国枝さんでさえ、「やればやるほど貧しくなっていく」のが現実だったといいます。
「ラケット1本で食べていける姿を見せたい。そうしないと、これからの若い子たちがこのスポーツをやらなくなってしまうと思った」と語り、自らプロへの道を切り開きました。
「プロになったことは、パラリンピック業界に足跡を残せたと思う。後輩たちの道筋をしっかり舗装できた。」その言葉に導かれるように、小田凱人選手や上地結衣選手といった次世代が、その道をさらに広げ、華を咲かせようとしています。
NECが支え、国枝慎吾が切り開き、そして次世代が進化を続ける――その歩みが、車いすテニス大国・日本を形づくってきました。
2025年、「NEC Wheelchair Singles Masters」は初めて中国で開催。アメリカで生まれ、日本とヨーロッパで発展してきた車いすテニスは、いま世界へと、さらなる進化を遂げようとしています。

