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  8. 第4回 軽減税率制度とシステム対応(その3)
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軽減税率と消費税増税に向けたシステムの対応

淺海氏

第4回「軽減税率制度とシステム対応(その3)」
(2016年4月13日公開)


淺海克人(ウティルコンサルティング コンサルタント)

【プロフィール】公認会計士・税理士
NECにて主に民需系の情報システムの販売・構築に携わった後、公認会計士試験に合格、監査法人に入所。監査法人にて会計監査、内部統制監査、IT監査などに従事。現在、ウティルコンサルティングを立ち上げ活動中。

仕入税額の計算の特例

平成29年4月1日から4年間は、事業者の準備等の執行可能性に配慮し、簡素な方法である「区分記載請求書等保存方式」の導入が予定されている。

「区分記載請求書等保存方式」とは、複数税率の区分経理に対応するための措置であり、現行の請求書等保存方式を基本的に維持しつつ、仕入税額控除の要件である請求書等の記載要件や帳簿の記載要件を追加するものである。

適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置とされている(平成29年4月1日から4年間)。

区分記載請求書等の保存は、平成29年4月1日以降の仕入税額控除の要件となる予定であるから、業務、システムへの影響は大きい。

仕入税額の計算の特例は、仕入を税率ごとに区分することが困難な事業者が、一定の方法を用いて(以下に検討する2つの方法がある)軽減税率対象品目に係る仕入金額を計算する方法であり、当該特例を用いて税額計算の基礎となる適用税率ごとの取引総額を計算するものである。

軽減税率制度の導入から1年間(平成29年4月1日から平成30年3月31日の属する課税期間の末日までの期間)のみの措置である。

(1)売上総額に占める軽減税率対象品目に係る売上金額の割合を、当期の仕入総額に占める軽減税率対象品目の仕入金額割合とする方法
売上については、適用税率ごとに区分して管理可能な卸売・小売事業者が選択できる措置(簡易課税の適用を受けない事業者が対象)。「軽減税率対象品目の売上額/売上総額」を計算し、総仕入額に当該割合を乗じて軽減税率対象品目の仕入額を算出する方法(標準税率対象品目の仕入額=総仕入額-軽減税率対象品目の仕入額で算出)。

(2)簡易課税、簡易課税に準じた方法の適用(事後選択可能)する方法
    (1)以外の事業者が選択できる措置である。

中小事業者(基準期間における課税売上高が5,000万円以下)においては、事後的に簡易課税制度の適用を受けることができる(本来は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに届出が必要)。又、中小事業者以外の事業者(基準期間における課税売上高が5,000万円超)においても、事後的に簡易課税制度に準じた計算を行う旨の届出を行うことができる。

ここで簡易課税制度とは、仕入税額を適用税率ごとの取引総額から割戻し計算するのではなく、売上税額にみなし仕入率(法定された割合)を乗じて仕入税額を計算するもので、基準期間(前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下の事業者が適用できる制度である。

図3:仕入税額の計算の特例

  対象者 軽減税率対象品目の仕入金額割合
(1) 売上を管理できる卸売・小売事業者(簡易課税制度適用事業者を除く) 売上総額に占める軽減税率対象品目に係る売上金額の割合
(2) (1)の計算が困難な事業者 簡易課税、簡易課税に準じた方法の適用(事後選択可能)

終わりに

平成28年3月29日、所得税法等の一部を改正する法律案(軽減税率消費税改正も含まれる)が成立した。今後、通達等が出てくることも予想される。

次回は、軽減税率(消費税増税含む)に対するシステム対応の進め方についての検討を予定している。通達等が出てきた場合には、それらに関する情報にもふれてみたい。

【参考資料】
◇平成28年度税制改正大綱         自由民主党・公明党、平成27年12月16日
◇消費税軽減税率(案)への対応について 中小企業庁、平成27年12月

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【業務改革のためのコラム】
軽減税率と消費税増税に向けたシステムの対応(全6回) NEW
2016年1月から6月まで連載していたWebコラムをダウンロード資料に編集しました。
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