2017年5月11日
日本電気株式会社

背景

従来の浜田市の庁内ネットワークは、基幹系、情報系、電話系、消防指令などのシステムごとに構成されていたため、ネットワークの全体像把握が困難となり管理が大変で、障害発生の危険性や管理者の属人化を招いていました。また、「マイナンバー」制度への対応によるネットワークの強靭化が求められるなど、セキュリティ強化も喫緊の課題でした。さらに、システムごとに構築ベンダが異なるため、ネットワークの設定変更や障害発生時の対応に時間がかかるなど、安定した市政を支え、住民サービスの向上を実現する、抜本的なネットワークの更新が求められていました。
NECは、本システムの提案から構築、運用保守までを担当する販売店のサンネット社を提案段階よりバックアップし、約4か月という短期間でのSDNネットワーク構築の実現をサポートしました。

今回の構築システムの特長

1. 庁内のネットワークをSDNで統合
   SDNコントローラ(UNIVERGE PF6800)：2台、SDNスイッチ(UNIVERGE PF5200シリーズ)：16台、エッジスイッチ(UNIVERGE QX-S4000シリーズ)：280台などを導入し、今まで独立していた基幹系(住民情報システムなど)と情報系(インターネットなど)に加え、電話系、消防指令を統合した、新しい庁内ネットワークを構築し、本年3月より運用を開始しました。各システムは仮想ネットワーク(VTN、注4)により、セキュリティを担保しつつ分離されています。市内の各拠点は本庁と同じLAN環境(レイヤー2構成)のため、各拠点のどのポートに端末をつないでも、即座にネットワークを利用することができます。
2. ネットワーク全体をソフトウェアで一元管理
   庁内ネットワークの設定変更は、SDNコントローラからソフトウェアで一元的に行えるため、レイアウト変更、端末の追加などを容易に行えるようになりました。また、現状のネットワークにおける物理構成と論理構成、通信状態(トラフィックの流れや障害状況など)もGUI画面で把握可能で、障害発生時も迅速に対応できます。
3. 将来の新制度への対応や住民サービス向上を実現する拡張性
   本構成により、例えば、今まで臨時のネットワークの構築が必要だった公民館などでの投票や確定申告などへの迅速な対応や、災害発生時における避難者へのインターネット環境の提供など、様々な住民サービスの向上に貢献します。また今後、法令や制度改正によってネットワークの追加や変更が発生しても柔軟に対応することができます。

NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

以上

• (注1)株式会社サンネット(本社広島市中区、代表取締役社長：亀山 創)※サンネットは、NECが51%出資しているNECのグループ会社です。
• (注2)Software-Defined Networking：ネットワークをソフトウェアで制御する概念。
• (注3)島根県浜田市(人口：約5.6万人)
• (注4)Virtual Tenant Network：物理的なネットワークを共有した上で、ソフトウェアによって設定する論理的なネットワーク。

NEC ビジネスクリエイション本部
E-Mail：inquiry@sdn.jp.nec.com

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