NECは、株式会社アデランス（注1、以下 アデランス）の生産管理システムを刷新し、グローバル標準の生産モデルを確立するとともに、生産管理レベル（QCD：Quality, Cost, Delivery）の向上に貢献しました。
本システムは、IFS社（注2）のグローバルERPソフトウェア「IFS Applications」を活用し構築したもので、本年5月からフィリピン工場で稼働を開始しました。

現在アデランスは、フィリピンおよびタイにおいてウィッグなどの生産を行っています。各工場の生産管理システムは現地で個別に構築したため、日本からのガバナンスが効きづらく、納期・品質・原価などのQCDをきめ細かく把握、管理することが課題となっていました。また、人件費が安価な地域へ迅速に生産拠点を展開できるよう、新たな標準システム基盤の構築が必要でした。

このたびの生産管理システムは、従来は部門（セクション）単位で管理していた進捗・品質情報を、現場の詳細な工程単位で管理するものです。
具体的には、ハンディ端末を利用して作業の着手や完了の実績報告を行うことで、各工程間の滞留状況を見える化し、納期遅れへの早期対応を実現します。また、仕掛品の所在を正確に把握することで、キャンセルや変更への柔軟・迅速な対応が可能になるとともに、工程別の検査結果を把握することで、問題工程の見える化を実現します。

さらに、個別仕様のオーダーメイド品と仕様が決まっているレディメイド品について、日本からの受注情報をシステムに取り込むフォーマットや、工場で作製指示を行う機能を統一化しました。これらにより、システム入力作業の効率化と入力ミスの削減を実現します。

アデランスは今後、フィリピン工場における会計システムの構築や、タイ工場、ラオス工場（新設予定）への生産管理システムの展開を計画しています。

NECとIFS社は今後も、アデランスの業務改革を支援するとともに、今回の実績を活かし、企業のグローバルな成長や業務効率化に貢献するソリューションの提案を、積極的に行ってまいります。


【別紙】 日本主導の標準生産モデル構築／グローバルロールアウト