Please note that JavaScript and style sheet are used in this website,
Due to unadaptability of the style sheet with the browser used in your computer, pages may not look as original.
Even in such a case, however, the contents can be used safely.
2011年度の売上高は、3兆368億円と前年度に比べ786億円(2.5%)減少しました。これは、キャリアネットワーク事業やITサービス事業および社会インフラ事業が増収となったものの、個人向けパソコン事業の非連結化などによりパーソナルソリューション事業が減収となったことなどによるものです。なお、事業の非連結化による影響を除けば、当年度の売上高は前年度に比べ1%程度の増収となります。
収益面につきましては、営業利益は、前年度に比べ159億円改善し、737億円の利益となりました。これは、ITサービス事業やキャリアネットワーク事業が増益となったことによるものです。経常利益は、営業損益が改善したことに加え、持分法による投資損失が減少したことなどにより、前年度に比べ420億円改善し、421億円の利益となりました。当期純損益は、特別損失に事業構造改善費用を計上したこと、税制改正および当期業績を踏まえた繰延税金資産の見直しにより法人税等調整額が増加したことなどから、前年度に比べ977億円悪化し、1,103億円の損失となりました。
セグメント別の前年度比では、売上高については、国内事業や海洋システムが増加したキャリアネットワーク事業、官公庁、自治体・医療機関、製造業向けなどで増加したITサービス事業、放送、消防・防災など社会システムが増加した社会インフラ事業などが増加しました。一方、個人向けPCの非連結化の影響によりパーソナルソリューション事業が、液晶事業の非連結化の影響によりその他がそれぞれ減少しました。さらに、プラットフォーム事業やその他の電子部品事業を中心にタイの洪水の影響を受けました。
営業利益については、ITサービス事業が売上増、費用削減、不採算案件の減少などにより、キャリアネットワーク事業が売上増により改善しました。一方、プラットフォーム事業やその他の電子部品事業を中心にタイの洪水の影響として80億円が利益の押し下げ要因となりました。
【補足】700億円の繰延税金資産の見直しについて
企業が過去に損失を計上した場合などに、その後の利益に対する税金の支払いが一定期間にわたって減額されることがあります。それらは一般に、繰延税金資産として認識されています。
昨年12月の税制改正により法人税率が引き下げられたことに伴い、企業の税金額は減少しますが、一方で繰延税金資産による課税の減額効果も減少します。このたび当社が取り崩した247億円の繰延税金資産は、上記減額効果の減少を反映したものです。
一方、約450億円については、11年度実績を踏まえた繰延税金資産の見直しに伴うものです。
マクロ環境・事業環境の急回復が見込めない中、現状の売上高レベルでも安定的な収益をあげる効率的な事業運営を行っていく必要があります。NECは、そのために構造改革を断行し、注力分野への集中投資で成長基盤を構築すべく取り組んでいきます。1月26日に発表した構造改革の進捗は以下のとおりです。
先ず、携帯電話事業は、海外のJDM活用を下期に本格化し、国内の開発・生産体制のスリム化とともに、コスト競争力強化を図っていきます。この事業で前年度に比べて、110億円の改善効果を見込んでいます。タイの洪水の影響が大きかったプラットフォーム事業は、ハードウェア開発・生産体制とスタフ部門のスリム化で、60億円の改善効果を見込みます。加えて、NECトーキンは、キャパシタ事業の再構築と、3月に発表した米国ケメット社との提携で事業を強化していきます。なお、第2四半期からNECトーキンは、持分法適用会社となる予定です。
費用構造改革という面では、グループスタフの効率化も含めた事業構造改革、外部リソースの削減で、それぞれ200億円、40億円の改善を見込んでいます。12年度の時限施策としての緊急人事施策については、役員、管理職、一般従業員の月収削減などを中心に160億円の改善を見込んでおり、合計400億円の改善を図る見込みです。
2012年度の売上高は、前年度に比べ3.7%増加の3兆1,500億円を見込んでおります。営業利益は、263億円改善の1,000億円、経常利益は、280億円改善の700億円、当期純損益は、1,303億円改善の200億円の利益を見込んでおります。
セグメント別の売上高の予想については、サービス&マネジメントや海洋システムなど、海外事業を中心にキャリアネットワーク事業が14.5%の増収を狙います。社会インフラ事業は消防・防災や大型案件を取り込むことで13.5%の増収を、ITサービス事業が製造業、通信業、金融業などで拡大を見込み、4.7%の増収を見込んでいます。一方で、個人向けPCの非連結化の影響が残るパーソナルソリューション、電子部品事業の非連結化によりその他がそれぞれ減収となる見込みです。
営業利益予想については、ITサービス事業、プラットフォーム事業、キャリアネットワーク事業、社会インフラ事業の各セグメントで売上増と構造改革での改善効果を見込んでいます。キャリアネットワーク事業や社会インフラ事業では、さらに先行投資にも注力していきます。一方、パーソナルソリューションは、売上減となるものの、構造改革の効果で増益を目指します。消去・配賦不能については、全社の戦略投資を200億円の実行を計画しており、悪化を見込んでいます。
ITサービス事業では、スマートフォン関連設備投資、金融再編、大型案件の更改、国家プロジェクトへの参入など、IT投資が活発な領域に集中していくとともに、サービス化へのシフト、海外需要の取り込みなどにも注力していきます。
構造改革の効果として80億円を見込んでおり、残りの増益を増収で実現していきます。
キャリアネットワーク事業では、スマートフォン関連の需要取り込みとともに、これまで取り組んでいる重点4領域への集中による海外事業拡大に挑戦します。米国コンバージス社BSS事業の買収効果や海洋システムの拡大、LTEの海外市場開拓などに取り組んでいきます。構造改革の改善効果の50億円をベースに、売上増で先行投資を吸収していきます。投資については、次世代OSS/BSSやキャリアクラウド、海外LTE、オープンフローなどに集中していきます。
社会インフラ事業では、消防・防災やETC、航空宇宙・防衛の大型システム等、着実な事業遂行で安定基盤を確保するとともにセーフティ、宇宙、防災をはじめとした事業アセットを活用したグローバル・新規事業の拡大に取り組みます。構造改革の効果30億円に加え、増収効果もありますが、将来に向けた事業基盤の強化を図っていきたいと考えています。
この領域はセグメントではありませんが、現在はその他とキャリアネットワーク事業に含まれており、12年度からは一体化運営を行っていきます。エネルギーユーティリティ、電気自動車向け電極での確実な事業遂行と蓄電システム、スマートメーター、HEMS、EVクラウドなどの事業化加速に注力していきます。さらに中期的には、グローバル展開やサービス事業への展開にも取り組んでいきたいと考えています。