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アザレアネット(くるめ診療情報ネットワーク協議会事務局)様

補助金なしで構築・運用を実現したアザレアネット
圏域を越えた医療連携にも拡大

業種医療・ヘルスケア業務その他業務
製品業種・業務ソリューション・サービスその他ソリューション

導入前の課題

機能的な医療連携に求められた統一プラットフォーム

聖マリア病院 医療情報科診療部長 地域医療連携担当 荒木 昭輝 氏聖マリア病院
医療情報科診療部長
地域医療連携担当
荒木 昭輝 氏

福岡県の久留米保健医療圏(久留米市、大川市、小郡市、うきは市、三井郡大刀洗町、三潴郡大木町の4市2町)には、医療圏人口約45万8000人に対して、三次救急病院である久留米大学病院(本院1098床、分院300床)、聖マリア病院(1295床)をはじめ、150床を超える病院が多数あり、福岡、北九州と並ぶ医療集積地です。一般および療養病床の既存数は約7200床(2012年8月)に及び、人口10万人あたりの医師数も429.9人で、対人口医師数は福岡県でトップです。
大規模病院のほとんどが久留米市街に集中しており、南部の八女・筑後保健医療圏や隣接する佐賀県鳥栖市からの患者流入が多いことも特徴。また、特に地域の診療所医師は、疾患によって病院あるいは医師を指定して患者紹介するケースが多く、医療機関の機能的役割を踏まえた紹介先選択が行われているという。
「数年前に当院単独で医療連携システムの導入を検討しましたが、疾患によって紹介先が複数病院になるクリニックにとって、特定病院との1対1の医療連携ネットワークはメリットが少ないと思われました。クリニックの利便性を考えれば、統一プラットフォームの上でN対Nの情報連携ができるシステムを導入すべきだと、単独導入を諦めた経緯があります」と、地域で統一したプラットフォームによる医療連携システムが必要だったと、荒木氏は振り返ります。
そこで、「情報連携プラットフォームとして融通が利き、仕様的にもまとまっている」(荒木氏)とID-Linkの機能に着目し、他の主要急性期病院に話を持ちかけて導入を検討してもらったといいます。その結果、同時期に独自に医療連携システムの導入を検討し、機種選択まで終えていた病院もID-Linkへの変更を決定。また、診療所の画像検査紹介に伴う連携を目的に独自システムをすでに運用していた主要病院も、後に参画するという地域で統一したプラットフォームによる医療連携へと拡大する結果となりました。

導入の経緯

病病・病診連携の試行運用を経て協議会設立、本格運用へ

ID-Linkによる診療情報ネットワークは、聖マリア病院を中心に開示病院2施設と回復期病院8施設が参加して、2011年8月に「いきいきネットワーク」の名称で病病連携の試行運用が開始。「当初、当院は病診連携で運用する予定はありませんでした。久留米医師会長に試行運用の話をした際に、ICTを利用した病診連携をイメージできないため、回復期病院との病病連携から運用したらどうかという意見に従ったものです」(荒木氏)。
一方、病診連携は、同月に嶋田病院(150床)を中心に10施設のクリニックが参加し、試行運用が始まりました。
この試行運用の開始を前に運用ルール作りが行われましたが、久留米医師会から理事および最大会員を誇る内科医会の代表2人が参加しています。「連携する医療機関当事者間だけで運用ルールを決めるのは適切でないと思い、医師会から外部委員として参加してもらうことにより、地域全体の診療情報ネットワークを踏まえたルールであることを担保しようとの考えからです」と荒木氏。
翌2012年6月には中核病院の1つである古賀病院グループ(402床、古賀病院21、新古賀病院、新古賀クリニック)が連携サーバーを設置して開示を開始し、聖マリア病院も病病連携に加えて病診連携もスタートしました。翌7月の時点で連携患者の登録は1000人を超え、8月末に久留米市の協力を得て、久留米保健医療圏の4医師会(久留米医師会、小郡三井医師会、浮羽医師会、大川三潴医師会)と、聖マリア病院、久留米大学、古賀病院グループ、嶋田病院が参加して「くるめ診療情報ネットワーク協議会」を設立されました。
「試行運用を経て、久留米市の主要急性期病院の賛同を得て開示施設として名を連ね、特定機能病院である久留米大学病院も開示施設として参加意欲を示してくれたことが、協議会設立・本格運用への道が拓けました」と荒木氏は経緯を回顧しています。
こうして、協議会設立時に43施設、登録患者数1180人で「アザレアネット」は、本格的にスタートしました。


導入後の成果

補助金交付を受けずに構築・運用を実現

アザレアネットの大きな特徴の1つは、全国の多くの地域で医療再生基金の交付を得て構築が進められたことに対し、補助金の活用なしで導入・運用されていること。もう1つが競合する民間医療機関がひしめく久留米地区にあって、ライバル病院が同じプラットフォームに参加して医療連携を実現しようとした2点が挙げられます。その理由を荒木氏は次のように述べています。
「久留米市には公的病院はなく、医療提供機能も充実していることから医療再生基金の交付対象から外れていました。一方で、競合する医療機関が多いため、“クリニックは第二の顧客”という意識が強く、中核病院の中には独自の連携ネットワークを構築してでもクリニックとの協力関係を維持し、利便性を図ってサービス提供していこうという考えを持っていました。しかしながら、連携先のクリニックは医療機能の別、疾患別に複数の病院に患者紹介する実態があったため、中核病院側も1対1の連携ではクリニックの利便性を確保できない。それが同じプラットフォーム上で医療連携した方が得策だという判断が働いたのだろうと思います」。
情報開示施設は開示用サーバーの設置にかかわる費用はそれぞれが負担し、閲覧施設は医師会員であれば無料で利用できます(インターネット接続環境、インターネットの回線使用料/プロバイダー料は自己負担)。協議会の会費を含め、開示施設の負担が大きいにもかかわらず、主要な中核病院が参加して実現した背景には、同じ土俵で切磋琢磨して周辺クリニックと地域住民の利便性を向上させることこそが生き残る道だという共通認識が醸成されたからと言えます。
閲覧施設の参加においては、その促進のために敷居を下げることを重要視し、コスト負担が少なく容易に運用できるよう、SSL接続にしています。「セキュリティレベルを考えればオンデマンドVPNなどのVPN通信が望まれますが、利用料がネックになって参加に躊躇することは避けたい。利用が進む中で参加施設が必要性を感じたら移行すればいいと考えています」(荒木氏)といいます。

全国初の圏域越え連携の実現

アザレアネットのもう1つの大きな特徴は、当初から医療圏外の医療機関との連携の要望に応え、隣接医療圏の地域連携ネットワークとの相互連携を実現したことです。佐賀県鳥栖市(佐賀県西部保健医療圏)の2施設、福岡県八女市(八女・筑後保健医療圏)の回復期病院1施設が運用スタート時から医師会外会員としてアザレアネットに加盟。現在は、佐賀県診療録地域連携システム(通称:ピカピカリンク)に加盟する5施設、八女筑後医療情報ネットワークに加盟する3施設が、アザレアネットとの圏域を超えた医療情報連携を行っています。
「鳥栖市の2施設は当院の後方支援病院として以前から連携していたため、試験運用時から当ネットワークに参加していました。当時、ピカピカリンクは稼動していたものの、実質的な患者さんの紹介・逆紹介は久留米市の医療機関と行われていたという背景がありました。そのため、当初から圏域越え連携の必要性を感じていましたし、佐賀県の協議会側からの申し出もあって実現しました」(荒木氏)。
しかし、医療圏、しかも三次医療圏をまたいだ医療連携ネットワークの相互運用には、いくつかの課題がありました。ピカピカリンクおよび後に協議会が設立された八女筑後医療情報ネットワークは共にID-Linkを基盤としているため技術的な課題はないものの、協議会ごとの運用ルールやポリシーの違いによる課題を解決する必要がありました。
まず、アザレアネットがSSL接続であることに対し、ピカピカリンクはオンデマンドVPNサービスを利用しているというセキュリティポリシーの違い。これはピカピカリンク側から了承を得ることにより解決しました。また、同意書の形式および同意取得方法にも若干の違いがあったものの、すべてピカピカリンクに合わせることとしました。
また、圏域を越えた連携施設の追加にも設定上の重要な課題、それを解決する工夫が必要でした。ID-Linkサービスのデータベースは全国共通であるため、圏域を超えた連携が容易にできる仕組みですが、連携ネットワーク(ユニオン)単位で参加施設が登録されるため、ユニオンを越えたIDのリンク設定はできない仕様。連携を実現するには、必ず相手先のユニオンに加盟する必要があります。例えば、ピカピカリンクに加盟し、病診連携を行っている閲覧診療所がアザレアネットに加盟する開示病院とも連携する場合には、アザレアネットへの加盟手続きと連携先開示病院とのリンク設定が必要になるわけです。「こうした手続きは、閲覧施設用の『ID-Linkサービス登録情報変更申請書』で行うこととしています。アザレアネットでは申請書に『佐賀県ピカピカリンクとの連携希望』『八女筑後協議会との連携希望』の2項目を設け、チェックしてもらうようにしています。申請書がNECのID-Linkサービス窓口に送付されると当協議会にユニオン加盟の連絡が入り、その後に閲覧希望施設から同意書がFAXされたら連携リンクを設定する運用方法です」(荒木氏)。
アザレアネットが本格運用を開始して、約2年2カ月。2014年10月末現在、主要急性期病院の5施設が開示病院となり、閲覧施設は51施設(病院10施設、診療所39施設、試験運用薬局他2施設)。これにピカピカリンクおよび八女筑後医療情報ネットワークの閲覧施設が加わり、100施設弱へと徐々に拡大しています。
「現在、閲覧施設となっている久留米大学病院も開示サーバーの設置が終了しており、久留米市内だけでなく、佐賀県東部から八女筑後地区の多くの病院・診療所にその出身者が多く、連携も活発な同病院との連携が本格化すれば、医療連携の有益性がさらに高まると確信しています」と荒木氏は今後を展望しています。

図アザレアネットの仕組み

お客様プロフィール

アザレアネット(くるめ診療情報ネットワーク協議会事務局)

所在地 〒830-0013 福岡県久留米市櫛原町45
概要 アザレアネットとは、インターネット回線を利用し、ID-Linkという地域医療連携システムを用いて、検査、処方、画像などの診療情報を患者さんの同意のもと、地域の医療機関が共有することで、地域医療連携の強化を目指すネットワークのことです。
URL http://www.azaleanet.info/

この記事でご紹介した製品

(2015年02月20日)

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