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Windows Server 2019 - ライセンスの考え方

Windows Server 2019のライセンスは、従来通り、サーバーライセンスとクライアントアクセスライセンス(CAL)の組み合わせで定義されます。またWindows Server 2016と同様、サーバーライセンスが「物理コア数」に応じたライセンス体系となります。

Windows Server 2019 License

サーバーライセンス

物理OS(ホストOS)でのライセンスの考え方

サーバーライセンスは「物理コア数」に応じたライセンス体系になります。
具体的には、以下の3つのルールをすべて満たすライセンスが必要です。

  1. 物理コアの総数を満たすライセンスが必要
  2. 1プロセッサ当たり、最低8コア分のライセンスが必要
  3. サーバ1台当たり、最低16コア分のライセンスが必要

 

もし上記で分かりづらい場合は、以下のようにお考えください。

サーバに搭載しているCPU数が2つ以内の場合:

    • 総コア数が16コア以内 ⇒16コアライセンス (上記ルール3)
    • 総コア数が16コア以上の場合 ⇒総コア数ぶんのライセンス (上記ルール1)

サーバに搭載しているCPU数が3つ以上の場合:

    • 1CPU当たりのコア数が8以内の場合 ⇒CPU数×8 (上記ルール2)
    • 1CPU当たりのコア数が8以上の場合 ⇒総コア数ぶんのライセンス (上記ルール1)


例1:10コアのプロセッサを1つ搭載した物理サーバに必要なライセンス

→16コアライセンス ※上記ルール3が該当

例2:10コアのプロセッサを2つ搭載した物理サーバに必要なライセンス

→2プロセッサ×10コア = 20コアライセンス ※上記ルール1が該当

上記の考え方を踏まえ、物理サーバ上で実行する際に必要になるコアライセンス数をまとめますと、下の早見表になります。

Windows Server 2016 Core License

仮想環境上のゲストOSについて

仮想環境上で実行可能なゲストOSの数は、以下のとおりです。

    Datacenter エディション:無制限
    Standard エディション:前出の「物理OSとして必要なコアライセンス数」を満たすごとに、2個のゲストOSを実行可能

つまり、Standard エディションでゲストOSを3~4個動作させる場合に必要なライセンス数は(1~2個の場合と比べて)2倍、5~6個動作させる場合は3倍、7~8個動作させる場合は4倍、…と増えていきます。

例3:Standardエディションで、10コアのプロセッサを2つ搭載した物理サーバでゲストOSを4個実行する

→2プロセッサ × 10コア × (4ゲストOS÷2) = 40コアライセンス

例4:Standardエディションで、10コアのプロセッサを1つ搭載した物理サーバでゲストOSを4個実行する

→16コアライセンス × (4ゲストOS÷2) = 32コアライセンス
※例1のとおり、物理OSとして必要なコアライセンス数が16になりますので、この16コアライセンスを基準に乗算します。

例5:Standardエディションで、10コアのプロセッサを2つ搭載した物理サーバでゲストOSを5個実行する

→2プロセッサ × 10コア × (6ゲストOS÷2) = 60コアライセンス
※ゲストOS数が奇数の場合は、1足して偶数に切り上げてから算出します。

なお、仮想化基盤がHyper-Vの場合でも、他の仮想化基盤(VMware等)の場合でも、必要なライセンス数は同じです。
ただしStandardエディションでHyper-Vを実行するとき、Hyper-Vホスト(物理OS)を以下の目的以外の用途で利用する場合は、実行可能なゲストOS数が1つ減ります。

  • ・Hyper-Vを実行する。
  • ・オペレーティング システム環境を管理および操作するためのソフトウェアを実行する。

また、物理サーバ間で仮想マシン(ゲストOS)の移動がある場合、各々の物理サーバに対して、その物理サーバ上で同時に動作する仮想マシン(ゲストOS)の最大数を満たすコアライセンスをご購入ください。もし仮想マシンの最大数が特定できない場合は、Datacenterエディションをご購入してください。

コンテナーの実行数について

Windows Server 2019では「コンテナー」と呼ばれる技術が搭載されます。実行可能なコンテナーの数は、以下のとおりです。

    Windows Server コンテナー:
    Datacenter / Standard ともに無制限

    Hyper-V コンテナー:
    Datacenter: 無制限、Standard: 前出の「物理OSとして必要なコアライセンス数」を満たすごとに、2個のゲストOSを実行可能

クライアントアクセスライセンス(CAL)

CALの必要要件

PC・タブレット端末・スマートフォンなどのクライアント端末からサーバソフトウェアにアクセスするか、サーバソフトウェアを使用するときには、CAL が必要になります。

サーバのOSがWindows Server 2019の場合、Windows Server 2019 CALが必要となります。

ただし以下の条件で利用する場合はCALは不要です。

  • OS管理のみを目的としてアクセスする最大2 台のデバイスまたは 2 人のユーザ

  • 仮想化環境下において、以下の用途でホストOSを利用する場合
    ・ハードウェア仮想化ソフトウェアを実行する
    ・ハードウェア仮想化サービスを提供する
    ・オペレーティング システム環境を管理および操作するためのソフトウェアを実行する。
  • Webワークロードでの利用(インターネット上に公開しているWebサーバへのアクセス)
  • HPCワークロードでの利用
  • ライセンスを取得した別のサーバー (Windows Server のバージョンは問いません) によるアクセス

CALの数え方

Windows Server 2019 のCALの必要数は、CALの「種類」と「モード」の組み合わせで決まります。

CALの種類は「デバイスCAL」と「ユーザCAL」の2種類から選択します。「デバイスCAL」はサーバを利用する端末に応じて購入します。「ユーザCAL」はサーバを利用する人数に応じて購入します。
CALのモードは「接続デバイス数または接続ユーザー数モード」と「同時使用ユーザー数モード」から選択します。前者はクライアント側にCALを割り当てるモードで、利用するサーバ数に制限はありあせん。後者はサーバ側に最大同時利用者数分のCALを割り当てるモードで、サーバ毎にCALが必要です。

異なるバージョン/エディション間でのCALの利用

異なるバージョンやエディションのOSを利用するときのCALの考え方は、以下のとおりです。

  • エディションの種類(Standard、Datacenter)に関わらず、CALは共通です。
  • Windows Server 2019 CALで旧バージョンOS (Windows Server 2016/2012 R2 / 2012 / 2008 R2 /…) を利用することはできますが、旧バージョンのCALでWindows Server 2019を利用することはできません。
  • Windows Server 2019のダウングレード権により旧バージョンOSを利用する場合は、該当する旧バージョンCALで利用できます。(Windows Server 2019 CALである必要はありません。)

特定用途向けCAL

  • リモートデスクトップサービスCAL(RDS-CAL):

    リモートデスクトップサービス機能(またはそれに準じる画面転送機能)、または、Multipoint Services を利用する端末またはユーザに対しては、通常のCALに加えてRDS-CALが必要です。

  • Active Directory Rights Management サービスCAL(RMS-CAL):

    Active Directory Rights Management サービスを利用する端末またはユーザに対しては、通常のCALに加えて、RMS-CALが必要です。

  • エクスターナルコネクタライセンス(ECライセンス):

    外部ユーザー*がアクセスするサーバに対し、CALの代わりに適用可能できるライセンスです。ECライセンスでは、外部ユーザー数の上限はありませんが、物理サーバ1台毎に割り当てが必要です。

    *企業またはその関連企業の従業員やそれに類する職員ではなく、企業が提供するホスティング サービスの利用者でもないユーザー。なお内部ユーザーに対しては、外部からのアクセスであってもECライセンスは適用できない。

なお、RMS-CALおよびECライセンスは、ボリュームライセンスでの提供のみとなっております。(OEM品での提供はありません。)

Windows Server 2019 のライセンスの詳細は、以下のライセンス条項でご確認ください。

(OEM版) Windows Server 2019 Standard / Datacenter ライセンス条項
(マイクロソフト社サイト)